現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > なぜ今なお人気!? 登場から40年以上 メルセデス「Gクラス」の唯一無二の魅力とは

ここから本文です

なぜ今なお人気!? 登場から40年以上 メルセデス「Gクラス」の唯一無二の魅力とは

掲載 更新 13
なぜ今なお人気!? 登場から40年以上 メルセデス「Gクラス」の唯一無二の魅力とは

■2020年12月に累計生産台数40万台を突破した

 2020年12月上旬にメルセデス・ベンツから「Gクラスの累計生産台数40万台達成」というリリースが発表された。

出た! ミリタリー仕様のジープ「ラングラー」が300台限定で登場

 1979年から生産をスタートした、クラシカルなデザインをまとう本格オフローダー「Gクラス」が、ついに累計生産台数40万台を突破したのだ。そして40万台記念の特別モデルとなる赤い「G400d」が、Gクラスを約20台保有するというドイツのラインラントに済むファンの元に送られたというのだ。

「このようなオフロード車を40万台生産できたことを大変誇りに思います。我々の顧客とファン、そして従業員、そして生産パートナーであるマグナ・シュタイヤー社に感謝したいと思います」とメルセデス・ベンツのオフロード車部門のトップであるエメリッヒ・シラー氏は声明を発表している。ちなみに、同氏は「現在、需要は生産能力をはるかに超えています」ともいう。

 Gクラスを約20台も所有するファンがいるということには驚くが、現在のGクラスに生産を超える需要があるというのは、わからないでもない。

「Gクラスは、たとえば他のモデルではよくある、7年ごとのフルモデルチェンジというものがこれまでありませんでした。そのため、販売のピークというものがなく、逆に常に売れ続けてきていたんですね。また、決まった顧客層というものもありません。購入している方は、年齢も職種もバラバラ。欲しい人が時期に関係なく購入していただけるというクルマです」とメルセデス・ベンツ日本の広報担当者は説明する。

 昔から日本におけるGクラスの人気は、鉄板ともいえるような根強く安定しているものであった。その人気は幅広く、自動車専門誌だけでなく、昔からファッション誌にも頻繁に登場していた。東京・六本木のような街に行けば、ゴージャスなGクラスは街の風景の必要不可欠なひとつとして存在している。

 しかも、2018年のビッグマイナーチェンジによって、その人気はさらに高まっている。

 先の広報担当者によると「新しいGクラスは、注文に需要が追いつかない状態なんです」という。それでも、JAIA(日本自動車輸入組合)が発表する「外国メーカー車モデル別新車登録台数順位の数位」を見ると、2019年7~9月にGクラスは15位に登場。2020年4~6月で14位、2020年7~9月で20位に。供給が追い付かない状態でもランクインするほどの高い人気となっている。

■軍用車開発から生まれた圧倒的なオフロード走破性

 そんなGクラスの人気はどこにあるのだろうか。まずは、その歴史を振り返ってみよう。

 Gクラスの源流は、1972年のダイムラー・ベンツ社とシュタイヤー・ダイムラー・プフ社(現在のマグナ・シュタイヤー社のルーツ)との契約にある。そこから現在のGクラスとなるオフロード車の開発がスタートしたのだ。

 ここで生まれたモデルは、ボクシーなデザイン、堅牢なラダーフレーム、デフロック付きの4WDシステムという、現在のGクラスに続く特徴がすでに備わっていたのだ。そのモデルは、まず軍用車として開発された。

 そして1979年に、民生用として発売が開始される。72馬力から156馬力までの4種のエンジンと、ショートホイールベースのカブリオレ、ショートホイールベースとロングホイールベースのステーションワゴンというボディが用意されたのだ。この時点でのGクラスは、まだ実用車という側面が強かったのだ。

 1989年には第2世代と呼べる、シリーズ463が誕生する。このモデルは、いまに続くまで着々と進化を続け、それに合わせてファンを拡大してきた。また、1993年からはGクラスという正式名称が与えられている。

 シリーズ463の30年以上の歴史のなかでは、数々のモンスターモデルが誕生している。モデル誕生25周年となる2004年には、最高出力476馬力の「G55AMG」が登場。ただのオフローダーではなく、オンロードでも恐るべき走行性能を備えるというキャラクターがGクラスに付与されている。

 また、2014年には6輪車となるG63 AMG 6×6が登場。全長約6m、全幅2m以上、全高約2.3mの巨躯に6輪駆動のシステムを搭載した究極のオフローダーであった。翌2015年には、その4輪バージョンとなる「G500 4×4スクエアード」も生まれている。

 そして2017年には、中東のVIPをターゲットとした驚くべきゴージャスな「マイバッハG650ランドレー」というモデルも誕生している。これは後席に座るVIPのために、インテリアは最高に贅沢なものが使われ、ルーフの後ろ側がオープンになっている。オフローダーでありながらも、VIP向けのショーファードリブンであったのだ。

 ちなみに、ローマ教皇がパレードなどに使用する防弾ガラス付きの車両は通称「パパモビル」と呼ばれ、その役割をGクラスは何代にもわたって担っている。そうした、常識はずれなまでに高性能であったり、ゴージャスであるモデルを発表することで、Gクラスの名声はさらに高まることになったのだ。

 軍用車として生まれ、そのデザインをほぼ変えることなく現在まで継承するのがGクラスの特徴のひとつだ。そのデザインは、Gクラスを見る誰もが「世界屈指のタフなオフローダー」であることを即座に気づかせてくれる。

 また、数々の豪華なモデルを数多く世に送り出したことで、「Gクラス=もっともリッチなクルマ」というイメージも世に浸透している。そして、そんな「タフでリッチなクルマ」というイメージが、世界中のGクラス人気を支える大きな力になっているといえるだろう。

 恐るべしと思うのは、こうしたイメージがクルマに詳しくない人たちにも、しっかりと浸透していること。それがGクラスというブランドの強さにつながっている。だからこそ、Gクラスは常に売れ続けるのだろう。

こんな記事も読まれています

日産「新型・車中泊“専用”バン」がスゴい! 超オシャレ「上質インテリア」採用! クルマとは思えない斬新「部屋仕様」に大反響
日産「新型・車中泊“専用”バン」がスゴい! 超オシャレ「上質インテリア」採用! クルマとは思えない斬新「部屋仕様」に大反響
くるまのニュース
アウトドアカーはシンプルがいいね! 大容量&車中泊に特化したトヨタ ハイエースがベースのキャンパー
アウトドアカーはシンプルがいいね! 大容量&車中泊に特化したトヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
「ヨシムラ SERT Motul」チームの応援グッズが発売!鈴鹿8耐で身につければ、気合いと楽しさは倍増だ!  
「ヨシムラ SERT Motul」チームの応援グッズが発売!鈴鹿8耐で身につければ、気合いと楽しさは倍増だ!  
モーサイ
今年も猛暑! クルマの熱中症対策グッズは「6月」までに準備すべき理由 昨年は9万人以上が救急搬送されている
今年も猛暑! クルマの熱中症対策グッズは「6月」までに準備すべき理由 昨年は9万人以上が救急搬送されている
Merkmal
【特別試乗企画 メルセデスベンツ Eクラス ステーションワゴン×BMW 5シリーズツーリング 前編】きっとあなたも好きになる・・・イケメンワゴンが誘う理想の世界
【特別試乗企画 メルセデスベンツ Eクラス ステーションワゴン×BMW 5シリーズツーリング 前編】きっとあなたも好きになる・・・イケメンワゴンが誘う理想の世界
Webモーターマガジン
2号車キャデラックが降格/2024年WEC第4戦ル・マン24時間 スターティンググリッド
2号車キャデラックが降格/2024年WEC第4戦ル・マン24時間 スターティンググリッド
AUTOSPORT web
ついにヒョンデ 「アイオニック 5 N」発売開始! さらに”ドリキン土屋”監修のチューニングパーツも開発
ついにヒョンデ 「アイオニック 5 N」発売開始! さらに”ドリキン土屋”監修のチューニングパーツも開発
THE EV TIMES
F1ラスベガスGP、底力が試されるのは”第2回”? 初開催は成功裏に終わるも「どんなことからも学ぶことがある」
F1ラスベガスGP、底力が試されるのは”第2回”? 初開催は成功裏に終わるも「どんなことからも学ぶことがある」
motorsport.com 日本版
HKSからGT-R、86/BRZ、GRスープラ用フロアマットがリニューアルされて販売開始
HKSからGT-R、86/BRZ、GRスープラ用フロアマットがリニューアルされて販売開始
レスポンス
箱根のロング有料道路「値上げ」全線通ると普通車1000円超に 37年ぶり7月から 新割引も
箱根のロング有料道路「値上げ」全線通ると普通車1000円超に 37年ぶり7月から 新割引も
乗りものニュース
ホンダが「斬新 軽バン」発表! 荷室フラットで「快適車中泊」出来る? N-VANとe:では違いある?
ホンダが「斬新 軽バン」発表! 荷室フラットで「快適車中泊」出来る? N-VANとe:では違いある?
くるまのニュース
世界に1台しかないフェラーリ「テスタロッサ」タルガトップが5000万円からと激安の理由と製作したEBSとはなにもの?
世界に1台しかないフェラーリ「テスタロッサ」タルガトップが5000万円からと激安の理由と製作したEBSとはなにもの?
Auto Messe Web
3列シート 7人乗り、多彩なライフスタイルにフィットするSUV 電気自動車 メルセデス「EQB」を発売
3列シート 7人乗り、多彩なライフスタイルにフィットするSUV 電気自動車 メルセデス「EQB」を発売
AutoBild Japan
【悲報】 アバルト「F595」/「695」在庫一杯で国内販売終了のお知らせ 電動化の推進に伴い
【悲報】 アバルト「F595」/「695」在庫一杯で国内販売終了のお知らせ 電動化の推進に伴い
AUTOCAR JAPAN
ランボルギーニ公式コーヒー? 「ラヴァッツァ」とのパートナーシップ発表
ランボルギーニ公式コーヒー? 「ラヴァッツァ」とのパートナーシップ発表
レスポンス
「とても生産的」な学びを得たアロンソ。今季最多ポイント獲得のアストンマーティン/F1カナダGP
「とても生産的」な学びを得たアロンソ。今季最多ポイント獲得のアストンマーティン/F1カナダGP
AUTOSPORT web
手ぶらでサーキット体験!! レンタル車両にプロのレッスンまで! ブリヂストンのeスポーツとリアルのコラボが魅力満載
手ぶらでサーキット体験!! レンタル車両にプロのレッスンまで! ブリヂストンのeスポーツとリアルのコラボが魅力満載
ベストカーWeb
「マジでどうにかならないの?」 クルマの「水アカ問題」どう対処? “ガンコなこびりつき”を解決するアイテムとは
「マジでどうにかならないの?」 クルマの「水アカ問題」どう対処? “ガンコなこびりつき”を解決するアイテムとは
くるまのニュース

みんなのコメント

13件
  • 日本で見る限り、トランスファーの切り替えの意味すら解らない人が乗ってそう。
  • 基本的には、オツムの偏差値低いけど商売で小金手に入れた田舎モンが好むクルマです@東京
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

870.01560.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

315.02830.0万円

中古車を検索
Gクラス カブリオの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

870.01560.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

315.02830.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村