日常生活のなかでの使い勝手を中心にクルマを選ぶ人が最近ますます増えている。
つい最近も友人と「ダウンサイジングして小さなクルマを買おうと思ってると。ヨメも小型車のほうが買い出しにも便利と言うし、夫婦揃ってこれから「スーパー」カー選びだよ。ワハハ!」なんて話をしたばかりだ。
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担当は「スーパーカー」と聞いて一瞬何を言っているのかわからなかったのだが、“スーパーへ買い出しに行くのに最適なクルマ=「スーパー」カー”という意味だったらしい。なるほど。
「スーパーカー」という言葉がそんな使われ方をするなんて担当、正直ちょっと寂しい。だが、では最も優れた「スーパー」カーはどれなのか? と興味が出てきたのも事実。
そこで、スーパーへの買い出しを含めた“庶民の普段使いの最強カー”を、常に庶民視線でクルマを斬る、自動車評論家 渡辺陽一郎氏が5台を選び、カウントダウン形式でご紹介してゆく。
評価基準となるのは下記の10項目チェック。取り回し性能はもちろん、レジ袋をかけるフックの数や下取り価格の期待度なども項目に盛り込み、総合点で5~1位を決めていく。
さぁ、庶民のためのスーパーカー1位はどれだ!?
〈最強の「スーパー」カーを探すための10項目チェック〉
・狭いスーパーの駐車場でも停めやすい、細い道での走行といった取り回し性
・後席に人が座った状態の時の荷室の広さと、リアゲートなどの使い勝手はどうか?
・フロアの高さなど女性でも乗り降りがラクか?
・収納設備やレジ袋を吊り下げるフックの充実度
・実用回転域の駆動力など市街地での運転のしやすさはどうか?
・後席を畳んだ時のシートアレンジの便利さと、長い荷物を車内に積む場合のやりやすさ
・燃費のよさはどうか?
・将来の下取り価格が期待できる
・自動ブレーキなどの安全装備はどうか?
・コスパのよさはどうか?
☆総合点(この数値が最終的な評価基準になる)
※本稿は2019年6月のものです。本企画で出てくる「スーパーカー」という表現は、フェラーリやランボルギーニなどのスーパーカーではありません
評価&文:渡辺陽一郎/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年7月10日号
【BEST 5】トヨタ パッソ
(TEXT/渡辺陽一郎)
価格帯:117万7200~186万8400円
●まさかの伏兵!? 取り回し性が意外によく駐車場でもスムーズ
全長は標準ボディが3650mmだから、コンパクトカーでもサイズが特に小さいパッソ。最小回転半径も4.6mに収まる。
水平基調のデザインだから視界がよく、ボディの四隅もわかりやすい。古いスーパーマーケットは駐車スペースも狭めだが、パッソなら車庫入れもしやすい。5位に輝いた理由だ。
全高が1525mmなのも魅力的。立体駐車場が使いやすいからだ。低い全高なのに室内高に相応の余裕があり、着座位置が適度で頭上にも充分なスペースを確保できている。
また乗降時、腰の上下方向の移動量が意外と抑えられ、乗り降りもしやすく「どっこいしょ」とならない。中高年齢層のユーザーにも快適だ。
これらのようにパッソは駐車場での取り回し性や乗降性もいいから、初心者を含めて気軽に外出できる。
後席も狭くはないから実用性が高い。さまざまなユーザーに優しいスーパーカーなのだ。
後席も余裕の広さで、スーパーで買い物しまくっても後席にもどんどこ積める。また後席中央もヘッドレスト付きになっている
〈10項目採点チェック表〉
・駐車場などでの取り回し…8
・荷室の広さと使い勝手…3.5
・乗り降りはラクか…5
・収納設備やフックの充実度…4
・市街地での運転のしやすさ…6
・シートアレンジの便利さ…2
・燃費のよさ…7
・下取り価格が期待できる…4
・自動ブレーキなど安全装備…6
・コスパのよさ…6.5
●最強スーパーカー度…5.2
【BEST 4】ホンダ フィット
(TEXT/渡辺陽一郎)
価格帯:142万8840~236万7360円
●大人4名でも余裕の室内の広さ!
パッケージング最強コンパクトといっていいフィットが4位。全長4m以下のボディで最小回転半径も4.7mだから、街中でも運転しやすい。
なにせ空間効率が高い。燃料タンクを前席下に搭載した効果で荷室の床が低く、荷物も積みやすい。後席を床面へ落とし込むように畳むと大容量の空間が現われる。たくさん買い物をしても問題なし。
ご覧のように後席は分割して畳め、ケース3つを積んでもまだ余裕の荷室スペース。スイカ10個も軽く積めます
後席も広く、身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ2つ半に達する。前後方向については、Lサイズセダン並みの余裕を確保している。驚きだ。
動力性能は、割安な1.3Lエンジン車でも不満はなく、高重心ではないから安定性もいい。車間距離を自動制御できるクルーズコントロールも備わるため、毎日の買い物から長距離移動まで、幅広い用途に適する「万能」なスーパーカーといえる。
〈10項目チェック採点表〉
・駐車場などでの取り回し…7
・荷室の広さと使い勝手…6
・乗り降りはラクか…6
・収納設備やフックの充実度…5.5
・市街地での運転のしやすさ…9
・シートアレンジの便利さ…6.5
・燃費のよさ…6
・下取り価格が期待できる…6
・自動ブレーキなど安全装備…7.5
・コスパのよさ…8.5
●最強スーパーカー度…6.8
【BEST 3】ダイハツ ムーヴキャンバス
(TEXT/渡辺陽一郎)
価格帯:125万2800~167万9400円
●スーパーなどで買い物をするユーザーを想定して開発。ゆえに魅力では負けない!
全高は1655mmだが、後席側のドアを背の高いタントと同様のスライド式にして、乗降性を向上。ボディの各部に丸みを持たせてリアゲートも少し寝かせたから、柔和な雰囲気に。奥様も笑顔になるスタイルに仕上がっている。
買い物に使う時、肝になるのが「置きラクボックス」。
後席下に引き出し式の収納トレイがあり、引き出した状態で中敷きを立ち上げると、バスケット状になる。そこにスーパーの買い物袋やバッグなどをそのまま置いても、ホールド性があるので倒れない。これはとっても便利。
後席下にある「置きラクボックス」が最大の武器。このように運転席からバッグなども簡単に入れられる。ほかにも収納設備が充実で10点評価
そして売れ筋グレードは、後席のスライドドアにスイッチで開閉できる電動機能を備えているから、買い物袋を簡単に後席の置きラクボックスに収められる。スーパーで買い物をする用途を意識して作り込んだだけのことはある。
実燃費も悪くないし、人気モデルなので下取り価格も期待大。オシャレなデザインなのでスーパーでも映える。
〈10項目チェック採点表〉
・駐車場などでの取り回し…10
・荷室の広さと使い勝手…6.5
・乗り降りはラクか…7.5
・収納設備やフックの充実度…10
・市街地での運転のしやすさ…4.5
・シートアレンジの便利さ…6
・燃費のよさ…8
・下取り価格が期待できる…8
・自動ブレーキなど安全装備…6
・コスパのよさ 8.5
●最強スーパーカー度…7.5
【BEST 2】ホンダ N-BOX
(TEXT/渡辺陽一郎)
価格帯:138万5640~208万80円
●大人用自転車も飲み込む広さ。普段使いから郊外ドライブまで最適パートナー
日本国内の最多販売モデルで、日常的な移動に使われる軽だから、スーパーの駐車場でも頻繁に見かける。この事実だけでも“スーパーカーの称号”を与えたい。
主力グレードは電動式スライドドアだから、買い物袋を持ちながらベビーカーを押している時でも乗車しやすい。
後席をスライドさせると前後席の間に広い空間ができる。この部分に荷物を置くことも可能だ。しかも後席の座面を持ち上げて、車内中央にさらに背の高い荷物も積める。例えば観葉植物とか……。
後席にチャイルドシートを設置した状態で、ベビーカーも積める圧倒的広さ。将来の下取り価格もかなり期待できる
そして後席を畳めば大人用の自転車を積むことができ、N-BOXならスーパーで気軽に自転車を買うこともできる。荷室床面の地上高が470mmなので、自転車を積む時に前輪を大きく持ち上げる必要もない。女性に優しい。
後席を含めて4名乗車時の居住性も快適だから、ファミリーカーとしてイチ押しだ。
〈10項目チェック採点表〉
・駐車場などでの取り回し…9.5
・荷室の広さと使い勝手…8
・乗り降りはラクか…7
・収納設備やフックの充実度…8
・市街地での運転のしやすさ…5
・シートアレンジの便利さ…9
・燃費のよさ…7
・下取り価格が期待できる…9
・自動ブレーキなど安全装備…7.5
・コスパのよさ…7
●最強スーパーカー度…7.7
【BEST 1】 スズキ ソリオ
(TEXT/渡辺陽一郎)
価格帯:145万9080~217万9440円。押し出し感強い顔がお好みなら、ソリオバンディッドもある!
●「積めて」「乗れる」スーパーなソリオ! サイズ感、室内空間、走りもいい。庶民のための“マルチ・スーパーカー”だ!!!
1位に輝いたのはソリオ。全長が3710mmと短く、全幅は小型車で最も狭い1625mm。最小回転半径も4.8mに収まり、水平基調スタイルだから視界もいい。スーパーの狭い駐車場や裏道での運転のしやすさがある。
そのいっぽうで全高は1745mmと高いから室内は広く、大人4名が快適に乗車できる。
5人でも余裕の空間。並みいる軽のライバルたちを抑えて1位になった理由のひとつ
後席は背もたれを前側に倒すとフラットな広い荷室に変わる。これならスーパーの3軒ハシゴだって難なくこなせ、荷物をたんまり積み込める。
また後席の格納とスライドは左右独立式だから、乗車人数と荷物の量に応じて車内のレイアウトを調節できるのもメリットだ。
後席のドアはスライド式。1625mmの全幅と相まって、1台当たりの間隔が狭い駐車場所でも幅をとらず、乗降性がいい。また着座位置が少し高く、腰の移動量を抑えたことも乗り降りをラクにしている。
収納ポケットも充実。運転席前にも巨大な収納スペースがある
市街地での運転のしやすさはどうか。プラットフォームなど設計が新しいからボディが軽く、車両重量は1tを切る。そのため1.2Lエンジンでもパワー不足を感じる場面が少ない。マイルド、あるいはフルハイブリッドが用意されて燃費もいい。
ボディの軽量化と高剛性を両立させたので、背が高いわりに走行安定性も優れている。高速道路を使った長距離移動も得意だ。
買い物だけではなく、さまざまなシーンで使いやすい“マルチ・スーパーカー”である。
〈10項目チェック採点表〉
・駐車場などでの取り回し…7.5
・荷室の広さと使い勝手…8.5
・乗り降りはラクか…7.5
・収納設備やフックの充実度…8
・市街地での運転のしやすさ…8
・シートアレンジの便利さ…9.5
・燃費のよさ…7
・下取り価格が期待できる…7
・自動ブレーキなど安全装備…6.5
・コスパのよさ…8
●最強スーパーカー度…7.8
【番外コラム】「スーパー」カー、輸入車ならこの一台
1980年代までは輸入車もボディが小さく、BMW2代目5シリーズには5ナンバー車もあったほど。ところが今はミニの3ドア、VWポロまで3ナンバー車だ。古いスーパーマーケットの駐車場は、1台当たりの幅も狭く、全幅がワイドな3ナンバー車は使いにくい。
そこで、1台選ぶならルノートゥインゴ。全長3620mm、全幅1650mmのコンパクトな5ナンバー車だから、狭い駐車場でも扱いやすい。エンジンを後部に搭載して後輪を駆動するから、前輪の最大切れ角が大きく、小回り性能も抜群だ。サイドウィンドウの下端が低めだから、前後左右ともに視界もいい。
ルノートゥインゴ。価格帯は194万~239万円
欧州車とあって、操舵感は後輪駆動を生かした自然な印象だ。安定性も優れている。
そしてフィアット500などと違い5ドアゆえ、買った荷物を手軽に入れられるのも便利だ。スーパーカーとしての素質が高い輸入車である。
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