2月14日に発売開始となった新型フィットの受注が、殺到しているようだ。新型フィットは、フィット4代目のモデルであり、歴代モデル同様に全幅1.7m未満の5ナンバーサイズ。
主なセールスポイントとしては、ユーザーのライフスタイルに合わせて5つのグレードから選択できる、というユニークなラインナップをもつほか、
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ハイブリッドモデルには、「e:HEV(イーエイチイーブイ)」とよぶ2モーターハイブリッドシステムをホンダのコンパクトカーとして初搭載した点などが挙げられる。
先代の3代目フィットは、トヨタのプリウスやアクア、日産ノートなどとともに、発売当初は日本の登録車販売台数において、上位にランクインしていたものの、近年はすこし影が薄くなりつつある存在となってしまっていた。
ホンダとしてはこの新型フィットで、フィットブランドの「起死回生」を図りたいとことであろう。
では、新型フィットが、先代を超えていくための条件とは、いったい何だろうか。
編集注:新型フィットが発売された2月の販売台数は8,221台(第7位)。同時期に発売された新型ヤリスは3,491台(第22位)である。首位は、2カ月連続でライズが獲得した。
文:吉川賢一、写真:ホンダ、トヨタ、ベストカー編集部
【画像ギャラリー】ライフスタイルに合わせた5つのグレードをもつ新型フィットをみる
歴代フィットを振り返る
初代フィットが誕生したのは2001年。
初代フィット
ホンダが誇る「センタータンクレイアウト(燃料タンクを車体後部ではなく中央に設置するレイアウト)」が初めて採用されたクルマで、これにより、コンパクトなボディながら室内高1,280mという上級車種にも匹敵する広大な室内空間を実現。
さらに、10・15モードで23km/Lという当時最高水準の低燃費をも持ち合わせていたことで、一躍大人気となったクルマだ。
発売翌年の2002年には、25万台を売り上げ、トヨタのカローラが33年間も守り続けてきた、国内の登録車販売台数1位の座を奪う、という偉業を達成している。
その後はカローラやヴィッツに上位を譲り渡すも、2007年に2代目へとモデルチェンジされると、翌年の2008年には再び販売台数1位に返り咲く。2010年にはハイブリッドモデルが追加され、これにより、プリウスやアクアなどとともに不動の人気モデルとなった。
3代目フィットは先代たちとは違い、シャープなスタイリングになっている
先代の3代目フィットは、2013年に登場したモデルで、「EXCITING H DESIGN!!!」というデザインコンセプトのもと、初代・2代目とは違い、シャープなスタイリングとなった。
パワートレインは全面刷新され、JC08モードで26.0km/L(13G)を達成、ハイブリットモデルにおいては、新型ハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-DCD」を採用したことで、JC08モードで36.4 km/L(「HYBRID」グレード)という驚異の低燃費を達成。
発売翌年の2014年には、販売台数1位のアクアに3万台差まで迫る、2位にランクイン。しかしその後は徐々に落ちていき、モデル末期となった2019年は12位という結果だった。
先代を超えていくための条件とは何か?
「フィット」ブランドは、今や国産コンパクトカーの定番となっている。
しかし、初代と2代目は、年間の登録車販売台数で1位を獲得しているものの、先代の3代目フィット(2014-2020)は、2位こそあれど、1位は一度も獲得していない。プリウス、アクア、ノート、このあたりの背中をずっと追い続けてきたクルマなのだ。
2019年マイナーチェンジしたフリード
2019年はフリードにも抜かれてしまった。フィットが王者であったのは過去の話。フィットは、ライバルに対してはチャレンジャー(挑戦者)であり、「弱者」として挑む心構えが必要だといえる。
「ランチェスターの法則」というものをご存じだろうか。第一次世界大戦での航空戦から生まれたもので「同じ武器なら勝敗は兵力数で決まる」と、戦力を理論化したものだ。
現代では販売競争に勝ち残るための戦略論として活用されている。このランチェスターの法則において、弱者が採るべき戦略は「ゲリラ戦」だとされている。
弱者はできるだけ近接戦に持ち込み、そこで武器効率(商品のもつ魅力)、もしくは兵力(物量)で相手を上回らなければならない。
要するに、販売市場や販売地域を絞って、その中で独自の点を持つ商品をターゲットに向けて販売せよ、ということだ。
強者に比べて規模やブランド力で劣る弱者が勝つには、「商品魅力や販売の独自性・質・新たな体験を提供すること」が必要であり、新型フィットにはこれが求められるのだ。
ちなみに、強者の基本戦略は、「競合他社のやり方を模倣したうえで大規模な資金や人員を投入し、物量で圧倒する」ことだ。
エルグランドを模倣したとされるアルファード(写真は現行型)
「エルグランド→アルファード」、「フィット→アクア」、「モビリオ(フリード)→シエンタ」、当時の状況は少しずつ異なるかもしれないが、これまで王者トヨタが取ってきた戦略そのものである。
新型フィットは何パーセントが出来ているのか?
フィットHOME 171万8200円~
ホンダは、新型フィットの魅力を4つの「心地よさ」にあるとしている。(1)心地よい視界、(2)座り心地の良さ、(3)乗り心地の良さ、(4)使い心地の良さの4つだ。この4つを、弱者の戦法の「ゲリラ度」に当てはめてみた。
(1)心地よい視界 ゲリラ度90%
先代からの大掛かりな改良点である「Aピラーの細さ」は、乗り込んだ瞬間に誰でも分かる。同社のN-BOXもAピラーが細く、サブAピラーの方で剛性を確保する、という設計となっており、ホンダのこだわりポイントだといえる。
N-BOXと同様にAピラーが細くなっている
また、液晶メーターも明瞭な表示で見やすいのだが、ややシンプル過ぎてチープに見える。
(2)座り心地の良さ ゲリラ度30%
ホンダによると「人間研究をしてシートを開発した」そうだが、マツダや日産、トヨタなど、どのメーカーでも当たり前に研究されていることであり、むしろ今までされていなかったとしたら、そのことのほうがおかしい。
実際に新型フィットに乗り込んでみたが、他メーカーに対して絶大なアドバンテージがあるようには思えなかった。
(3)乗り心地の良さ ゲリラ度100%
フィットe:HEV(2モーターハイブリッドシステム) CVTイメージ図
e:HEVとよぶ2モーターハイブリッドシステムが最大の魅力だろう。
e-POWERのように普段の走りはEVで、高速クルージングなどではエンジンで駆動する、という理にかなったシステムを、この価格で出してきたことは、凄いことだと思う。運転フィールは、ほぼEVなので静かで快適だし、高速走行も良い。
(4)使い心地の良さ その1 ゲリラ度50%
シートアレンジのひとつであるユーティリティー・モード。このほかにもシートアレンジがある。
センタータンクレイアウトによる圧倒的な広さは、歴代フィットの魅力だ。自転車もそのまま入るという宣伝はインパクトがある。
(4)使い心地の良さ その2 ゲリラ度70%
また、HONDA SENSINGを標準装備、ACCは渋滞追従機能付。ガソリン仕様の燃費は19.4~20.4km/L、e:HEVは27.2~29.4km/L(WLTCモード)と新型ヤリスには若干届いていないものの、驚異的なカタログ燃費だ。
新型フィットと同じく2月に発売した新型ヤリス
まとめ
「弱者の戦法」の達成度は、70%程度というところだろうか。スタート時点としてはまずまずではないか、と思う。
しかし「トヨタ ヤリス」が、ほぼ同時に発売となったほか、年内には「日産ノート」も新型の登場が噂されている。現在のところ、新型フィットは好調のようであるが、ヤリスも同じく絶好調だという。
フィットブランドがさらに昇華するのか、下降線をたどってしまうのか、この4代目にかかっている。
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みんなのコメント
ヤリスは、燃費良くするために、後部を小さくして、重量減、空気抵抗を減らしたが、後部座席の息苦しさ、後方視界の悪さ、酷いよね。
フィットはオールインワンをめざした。
汎用性はフィットの圧勝だろうが、
ヤリスはそこは敢えて捨てている。
同時期発売の同ジャンルで、
ともに「走り」へのこだわりがあるから
比べたくなるのは分かるが
それはナンセンスというもの