現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【前編】地球上に5台だけ存在する最高峰のカタナ「ヨシムラ KATANA 1135R」-2001年-【日本のバイク遺産】~ヨシムラとモリワキ~

ここから本文です

【前編】地球上に5台だけ存在する最高峰のカタナ「ヨシムラ KATANA 1135R」-2001年-【日本のバイク遺産】~ヨシムラとモリワキ~

掲載 8
【前編】地球上に5台だけ存在する最高峰のカタナ「ヨシムラ KATANA 1135R」-2001年-【日本のバイク遺産】~ヨシムラとモリワキ~

スーパーバイクや鈴鹿8耐など、数々のレースに参戦して来た「ヨシムラ」と「モリワキ」の歴代のレーシングマシンやヒストリーを一冊に集結した、日本のバイク遺産シリーズMOOK「ヨシムラとモリワキ」が絶賛発売中!今回は地球上に5台だけ存在する最高峰のカタナ「ヨシムラ「KATANA 1135R」-2001年-【前編】を紹介する。

Photos:Teruyuki Hirano/Shinobu Matsukawa Text:Hirofumi Nakamura/Hidemasa Sakota Powered By Bikers Station

《比較検証》スポーツ走行が楽しい250ccはどのバイク? カワサキNinja250・ヤマハYZF-R25・スズキGSX250R・ホンダCBR250RR

歴代の「ヨシムラ」と「モリワキ」のレーシングマシンたちを一冊に集結!

カタナ1135Rを製作するにあたり、ヨシムラはレーシングカンパニーとしての魂を込めた
1980年代にAMAスーパーバイク、1990年代には鈴鹿NK-1にカタナで参戦していたという経歴を持つヨシムラこの刀1135Rもまた、レースでのノウハウが生かされている。

最後のカタナ、と銘打って2000年に1100台限定で発売されたファイナルエディションに、ヨシムラが鋭く反応した。カタナが新車で手に入るのは、これで本当に最後になる。ならば、とカタナとの縁浅からぬヨシムラの手で最高のカタナを残したかった。それがヨシムラカタナ1135R誕生の経緯である。

ヨシムラは、言うまでもなく世界的に有名なレーシングカンパニーであり、同時にパーツメーカー、そしてきわめて少量生産のコンプリートマシンコンストラクターでもある。

コンプリートマシン製作のスタートは、カスタムとチューニング、そして改造車の定義さえあいまいだった1980年代終盤。油冷GSX-R1100をベースとした1200cc「ボンネビル」。しかしこのモデルは、やはりチューニングがほぼ違法改造とみなされていた時代背景もあって、ヨシムラ製コンプリートモデルというより、ヨシムラがきわめて少量だけ製作したカスタムバイク、という位置付けだった。

コンプリートマシンという意味合いでは、2000年に発売したハヤブサX-1(GSX1300R隼がベース)が初号機となるだろう。さらにトルネードS-1(GSX-R1000ベース)、M450R(DR-Z400Sベース)、そしてヨシムラ創立50周年記念モデルとして製作された零フィフティ(GSX-R1000ベース)。

その中でも、カタナ1135Rは異彩を放っている。なぜなら、レーシングカンパニーという側面もあるヨシムラが、ベース車両にスーパースポーツではないカタナを選んだからだ。

もちろん、カタナが発売された当時には、アメリカを舞台とするAMAスーパーバイクにカタナで出場しているし、90年代中盤に日本でビッグネイキッドモデルが人気となった時、一時期だけ開催されたネイキッドモデルによるレースにもカタナで出場した。けれどそれは本気で勝利を目指したものではなく、どちらかといえばファンサービスの一環のようにも見えた。

そしてヨシムラは、カタナをベースに、現在進行形のスポーツバイクとしてのカタナを製作する。ベースモデルが入手できるのが最後となるかもしれないファイナルエディションだったこと、それを運よく5台確保できたことも、製作を後押ししたのだろう。

当初は、ヨシムラの販売促進部門と技術開発部門のスタッフによる思い付きだったものが形となり、どうせやるならば、ヨシムラがレースで勝つために製作するレーシングマシンと同じ方法論でやろう、というところまで話が進んだのだという。

狙う姿は、オートバイとしての基本性能を20年分進化させ、それをヨシムラの手でアレンジ。もちろん、カタナとしての形を崩してはならない。最終的にエンジン、車体、サスペンション、そして外装パーツにまで手が加えられているが、その姿はカタナそのままだ。

パーツを組むだけでは、単なるカスタムバイクだ。車両メーカーでは出来ないことを、パーツひとつずつから徹底することがヨシムラのコンプリートモデルだと考えたため、専用パーツが数多く製作され、その多くは1135R専用として、1135Rを所有するオーナーの補修部品としてでなければ入手することもできないところまで徹底した。これで、生半可な模造もできなくなるものだ。

もうひとつ、この1135Rが特別なモデルであることの証は、限定5台がほぼヨシムラスタッフによるハンドメイドで作られている、ということ。もちろん、歴代のコンプリートモデルはすべて台数限定で製作されているが、コンプリートマシンの第1号と言っていいハヤブサX-1は限定100台、トルネードS-1は限定50台、この台数ならば、パーツを外注メーカーに発注して、ヨシムラが組みつけるという、少量限定の量産車と言えなくもない。

零フィフティは5台限定だけれど、これは車両価格840万円の、いわばホンダNRのようなプレミアモデル。1135Rは、スタッフが1台ずつハンドメイドで作り上げた「ワンオフモデルが5台存在する」というニュアンスの方が正しいのかもしれない。

[ アルバム : YOSHIMURAカタナ1135Rの写真を全て見る はオリジナルサイトでご覧ください ]

→後編へ続く

Powered By Bikers Station

この続きは「ヨシムラ」と「モリワキ」の歴代のレーシングマシンやヒストリーを一冊に集結した、日本のバイク遺産シリーズMOOK「ヨシムラとモリワキ」に掲載されています。

[ 表が省略されました。オリジナルサイトでご覧ください ]

こんな記事も読まれています

進化型『GRヤリス』用、HKSのスーパーターボマフラー2製品発売 「運転が楽しくなる音質」実現
進化型『GRヤリス』用、HKSのスーパーターボマフラー2製品発売 「運転が楽しくなる音質」実現
レスポンス
『ジャガーXJR-12(1990年~1991年)』再びル・マン制した耐久専用車【忘れがたき銘車たち】
『ジャガーXJR-12(1990年~1991年)』再びル・マン制した耐久専用車【忘れがたき銘車たち】
AUTOSPORT web
美しすぎる三菱「和製スポーツカー」が凄い! ド迫力の「巨大グリル」採用した“ラグジュアリークーペ”に大注目! めちゃ開放的な「オープン仕様」も設定した「“幻の”エクリプス」とは!
美しすぎる三菱「和製スポーツカー」が凄い! ド迫力の「巨大グリル」採用した“ラグジュアリークーペ”に大注目! めちゃ開放的な「オープン仕様」も設定した「“幻の”エクリプス」とは!
くるまのニュース
R36「スカイラインGT-R」まもなく実車公開か!? デザインはまるでR34型! 4.1リッターで1000馬力を発生する「次世代型GT-R」の気になる姿とは?
R36「スカイラインGT-R」まもなく実車公開か!? デザインはまるでR34型! 4.1リッターで1000馬力を発生する「次世代型GT-R」の気になる姿とは?
VAGUE
【第1回】長尾循の古今東西モデルカーよもやま話:ミニチュアと実車の二刀流趣味~スーパーセブン編
【第1回】長尾循の古今東西モデルカーよもやま話:ミニチュアと実車の二刀流趣味~スーパーセブン編
AUTOCAR JAPAN
「能ある鷹感がいい」ワゴン専用になったVW『パサート』、デザイン、実用性にSNS注目
「能ある鷹感がいい」ワゴン専用になったVW『パサート』、デザイン、実用性にSNS注目
レスポンス
ハイエースにキャラバンが「デコトラ」みたいに「ギラッギラ」! 一歩間違えると「ブサイク」になる難易度高めの「デコバン」ワールド
ハイエースにキャラバンが「デコトラ」みたいに「ギラッギラ」! 一歩間違えると「ブサイク」になる難易度高めの「デコバン」ワールド
WEB CARTOP
F1ハースとの協業で得られる技術的メリット。WECとの違いとパイプライン【トヨタ/TGR加地部長インタビュー/前編】
F1ハースとの協業で得られる技術的メリット。WECとの違いとパイプライン【トヨタ/TGR加地部長インタビュー/前編】
AUTOSPORT web
マセラティ公式の「スーパーカー消しゴム」グッズ発売、“直線番長レース”で大人も夢中に
マセラティ公式の「スーパーカー消しゴム」グッズ発売、“直線番長レース”で大人も夢中に
レスポンス
「うわっ…!」“西日”がまぶしい! 午後のドライブで突然のピンチに!? 注意したい晩秋特有の“現象”に有効な「対策」とは
「うわっ…!」“西日”がまぶしい! 午後のドライブで突然のピンチに!? 注意したい晩秋特有の“現象”に有効な「対策」とは
くるまのニュース
急転直下のキャデラックF1参戦。マリオ・アンドレッティにとっても謎?「個人的な理由もあったようだが、突然まとまった」
急転直下のキャデラックF1参戦。マリオ・アンドレッティにとっても謎?「個人的な理由もあったようだが、突然まとまった」
motorsport.com 日本版
[15秒でわかる]ヒョンデ『アイオニック9』…柔軟な座席配置を実現
[15秒でわかる]ヒョンデ『アイオニック9』…柔軟な座席配置を実現
レスポンス
いすゞ「“2階建て”キャンパー!?」世界初公開! タフな「カクカク」ボディが超カッコイイ! 6人寝られる「NTB エクスペディション ストライカー」愛知で実車展示
いすゞ「“2階建て”キャンパー!?」世界初公開! タフな「カクカク」ボディが超カッコイイ! 6人寝られる「NTB エクスペディション ストライカー」愛知で実車展示
くるまのニュース
F1シート喪失の周冠宇、2025年はフェラーリのリザーブドライバー就任?「彼らは僕にかなり興味を示している」
F1シート喪失の周冠宇、2025年はフェラーリのリザーブドライバー就任?「彼らは僕にかなり興味を示している」
motorsport.com 日本版
最強ディフェンダー「オクタ」初展示! 驚愕スペックとプロトタイプの全貌とは
最強ディフェンダー「オクタ」初展示! 驚愕スペックとプロトタイプの全貌とは
レスポンス
F1、カタール航空のSAF(持続可能航空燃料)プログラムに参画。”空のネットゼロ”実現にも貢献へ
F1、カタール航空のSAF(持続可能航空燃料)プログラムに参画。”空のネットゼロ”実現にも貢献へ
motorsport.com 日本版
【MotoGP】現役引退のアレイシ・エスパルガロ「才能では劣っていると感じていたけど、努力で勝った!」
【MotoGP】現役引退のアレイシ・エスパルガロ「才能では劣っていると感じていたけど、努力で勝った!」
motorsport.com 日本版
“不死鳥”ウィケンス、IMSAのGTDクラスに参戦! インディカーでのクラッシュで下半身不随もレースへの情熱は燃え続ける
“不死鳥”ウィケンス、IMSAのGTDクラスに参戦! インディカーでのクラッシュで下半身不随もレースへの情熱は燃え続ける
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

8件
  • 買った人、どんな作文書いたんだろ。
  • まぁ現存するバイクの中でもっとも美しいベスト5に入るバイクですね。
    乗る人を選ぶからね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村