現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > フランス的トヨタ・クラウン──新型シトロエンC5 X ヒプノス プラグイン ハイブリッド試乗記

ここから本文です

フランス的トヨタ・クラウン──新型シトロエンC5 X ヒプノス プラグイン ハイブリッド試乗記

掲載 2
フランス的トヨタ・クラウン──新型シトロエンC5 X ヒプノス プラグイン ハイブリッド試乗記

シトロエンの最上級モデル「C5 Xプラグイン ハイブリッド」に設定された特別仕様車「ヒプノス」に、小川フミオが試乗した。独創的な乗り味に注目!

素晴らしい乗り味!

俳優・押田岳の「あの“絶版旧車”に乗りたい!」──Vol.8 カワサキ900 スーパー4 Z1ウエマツ30周年モデル

シトロエンの旗艦、C5 Xをベースに、もっとも装備レベルをあげた限定モデルがC5 X ヒプノス プラグイン ハイブリッドだ。遠出が多いクルマ好きに勧めたい豪華なモデルだ。日本では今年1月に発売されていて、ようやく5月に試乗がかなった。

「かつてのハイドロニューマチックサスペンションを持ったシトロエン車が好きなひとがとりわけ興味を持ってくれています」

シトロエンを日本で扱うステランティスジャパンの広報担当者の言葉だが、たしかに、私も、その言葉を聞く前から、かつて「すごいな」と、思ったシトロエン「CX」のようなモデルを連想したのだった。

C5 Xは、2785mmのホイールベースを持つ前輪駆動のシャシーに、全長4805mmのボディを載せている。ボディは(シトロエン的で)簡単に定義できないスタイル。ファストバックスタイルのセダンでありつつ、前後タイヤの存在感を強調したSUV的な雰囲気もけっこう強く感じさせる。トヨタの新型「クラウン クロスオーバー」を一瞬思い出したが、あちらは独立したトランクルームを持つ4ドアセダンだ。似ているようで似ていない。フランス人が考える日本のクラウン的なモデルがC5 Xなのかも。

“ヒプノス”は、シトロエンがこだわってきたサブネームで、最初にコンセプトカーに使われたのが2008年。ギリシア神話に登場する眠りの神、ヒュプノスから命名されたとのことで、理由は「すばらしい車内の快適性にある」と、シトロエンでは海外のホームページでうたっている。

試乗車も素晴らしく快適だった。たとえば「アドバンストコンフォートシート」は、ゆったりした座面幅をもち、中心部には低反発の高密度フォームを積めている。表層部にはパッド構造を持つ15mm厚のソフトフォームを採用。「ロングドライブにおいても疲労を軽減し、繭に包み込まれているかのような心地よいドライブを常に味わうことができます」(ホームページより)と、される。

さらにヒプノスでは、専用のシート表皮のカラーコンビネーションを採用。通常グレーの部分にベージュを使い、ドアトリムおよびセンターコンソール部分にも同色を配することで、見た目にもいい雰囲気を醸し出している。

このシートと、それにサスペンションシステムが、ほかに類のない乗り味を提供。C5 Xには「プログレッシブ・ハイドローリック・クッション」なる、ダンパーの中にもう1本ダンパーを入れたような構造を採用した独自のサスペンションを採用する。

今回のC5 X ヒプノス プラグイン ハイブリッドは、このシステムをさらに“進化”させた「アドバンストコンフォート アクティブサスペンション」を搭載。前後左右のダンピングを個別に制御する機構だ。

はたしてこれがたいへんよい。とくに段差を超えるときにほとんどショックを感じさせない。トヨタは新型「クラウン」で金属バネでもってかなり高い水準の乗り心地を実現しているけれど、シトロエンはさらに振り切っている印象だ。

速度が上がっていくとフラット感が強く安定感が増すいっぽう、意図的にほんの少し車体が上下に動く感覚がある。いや、昔のシトロエンを思い出して、自分が勝手にそう感じているだけかもしれないけれど。

なにしろ、かつてのシトロエンは“エンジンをかけたら地の果てまでも”なんていうのが、製品づくりのポリシーだったとか。C5 X ヒプノス プラグイン ハイブリッドでもそこは似ている。どこまでも走っていきたくなる、素晴らしい乗り味なのだ。

C5 X ヒプノス プラグイン ハイブリッドで印象的だったのは“速さ”もある。モーターによって、アクセルペダルを踏んだ次の瞬間の出足が、かなり鋭いのだ。

そして、ハンドルも印象的だった。ステアリングスピードが速い。ここも、昔のシトロエンと似ているポイントだと思った。小さな「GS」というモデルでも、ちょっと切るとさっと曲がった。C5 X ヒプノス プラグイン ハイブリッドは、この速さがたいへん気持ちよい。

各部の設定がここまで書いてきたように、かなり独自なのだけれど、全体としては、うまく統合している。力をなるべく必要としない。しなやかで、かつしっかりした乗り心地を提供する。広くて快適な空間を実現する。疲れず長距離移動ができる。……これがすべて、C5 X ヒプノス プラグイン ハイブリッドにはある。

もし……と、私は思った。今のシトロエンは(これまでと同様)ちょっと変わったコンセプトのクルマづくりととらえられているフシがあるけれど、たとえばメルセデス・ベンツがC5 X ヒプノス プラグイン ハイブリッドを作ったら、衝撃的な“事件”と受け止められるだろう。そしてかなり称賛されるのではないか。

C5 X ヒプノス プラグイン ハイブリッドはパッケージと、いまの輸入車の相場を考えると、意外と“いい買い物”になるのではないだろうか。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
AUTOSPORT web
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
AUTOSPORT web
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
AUTOCAR JAPAN
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
乗りものニュース
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
motorsport.com 日本版
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
AUTOSPORT web
TCD、モータースポーツ事業を承継する新会社『TGR-D』を2024年12月に設立へ
TCD、モータースポーツ事業を承継する新会社『TGR-D』を2024年12月に設立へ
AUTOSPORT web
ウイリアムズとアメリカの電池メーカー『デュラセル』がパートナーシップを複数年延長
ウイリアムズとアメリカの電池メーカー『デュラセル』がパートナーシップを複数年延長
AUTOSPORT web
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
くるまのニュース
フェラーリ育成のシュワルツマンが陣営を離脱。2025年はプレマからインディカーに挑戦
フェラーリ育成のシュワルツマンが陣営を離脱。2025年はプレマからインディカーに挑戦
AUTOSPORT web
スバルBRZに新たな命を吹き込む 退役軍人のセカンドキャリアを支援する英国慈善団体
スバルBRZに新たな命を吹き込む 退役軍人のセカンドキャリアを支援する英国慈善団体
AUTOCAR JAPAN
オープンカー世界最速はブガッティ!「ヴェイロン」より45キロも速い「453.91km/h」を樹立した「W16ミストラル ワールドレコードカー」とは?
オープンカー世界最速はブガッティ!「ヴェイロン」より45キロも速い「453.91km/h」を樹立した「W16ミストラル ワールドレコードカー」とは?
Auto Messe Web
『ローラT92/10(1992年)』“賃貸住宅ニュース”で強いインパクトを残した新規定グループCカー【忘れがたき銘車たち】
『ローラT92/10(1992年)』“賃貸住宅ニュース”で強いインパクトを残した新規定グループCカー【忘れがたき銘車たち】
AUTOSPORT web
リバティ・メディアCEOマッフェイの退任、背景にあるのはアンドレッティとのトラブルか
リバティ・メディアCEOマッフェイの退任、背景にあるのはアンドレッティとのトラブルか
AUTOSPORT web
約10年ぶりに“メイド・イン・イングランド”に!? 新型「ミニ・コンバーチブル」が“ミニの聖地”で生産開始
約10年ぶりに“メイド・イン・イングランド”に!? 新型「ミニ・コンバーチブル」が“ミニの聖地”で生産開始
VAGUE
【クルマら部】「ポルシェ911」クルマ愛クイズ!全4問・解答編
【クルマら部】「ポルシェ911」クルマ愛クイズ!全4問・解答編
レスポンス
昭和の香り残す街に130台のクラシックカー…青梅宿懐古自動車同窓会2024
昭和の香り残す街に130台のクラシックカー…青梅宿懐古自動車同窓会2024
レスポンス

みんなのコメント

2件
  • NAS********
    例え話だらけで何も伝わらない試乗記
  • お前はアホか
    小川フミオさん、クラウンごときと一緒にしないでくれたまえ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

561.8569.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

428.0630.0万円

中古車を検索
C5 Xの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

561.8569.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

428.0630.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村