X4がモデル中期のマイナーチェンジ
執筆:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
【画像】マイナーチェンジ BMW X4 Mコンペティション 競合するSUVモデルと比較 全136枚
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)
BMWがアルファ・ロメオ・ステルヴィオ・クアドリフォリオやポルシェ・マカンGTS、メルセデスAMG GLC 63クーペなどの対抗馬として、X4 Mコンペティションを投入してから2年が経過する。高性能SUVに、小さくない影響を与えたモデルだ。
そんな豪腕のBMWが、モデル中期に当たるマイナーチェンジを受けた。クラス内での強さを誇示するために。
実用性で勝るボディスタイルのX3 Mコンペティションと同様に、2022年仕様のX4 Mコンペティションの見た目で特徴となるのが、フロントバンパー両サイドに切られた、縦長のエアインテーク。左右がつながったキドニーグリルは、僅かに大きくなっている。
アダプティブLEDとなる、ヘッドライトの造形も改められた。全体的に、しっかり見た目のイメージチェンジが図られている。
新しいフロントバンパーは、高速域でのリフト量の軽減と、エンジンやフロントブレーキの冷却効率を高めるとBMWは機能面を主張する。だが、同時期にアップデートされた標準のX4との一層の差別化も、狙っているはずだ。
フロントまわりのお化粧直しに感心しながらリア側へ回り込んでみると、変化は限定的だった。より造形が複雑になった、LEDテールライトが目立った違い。テールリッドに載る黒いリップスポイラーも新しいという。
リアバンパーは、下側を中心にデザインに手が加えられた。太い4本出しのマフラーカッターの間に、ディフューザー風の処理が与えられている。
510psと66.1kg-mの3.0L直6ツインターボ
選べるアルミホイールにも、新デザインが登場。1本あたり2kgもの軽量化が得られるという、21インチのMコンペティション・ホイールが選択肢として加わった。
シャープな峰が走るボンネットの内側には、マイナーチェンジで改良を受けたBMW MのS58エンジンを搭載。3.0Lのツインターボ直列6気筒で、新設計の鍛造クランクシャフトと制御ソフトウェアが与えられている。
最高出力は以前と変わらず510psだが、最大トルクは5.1kg-mも増強。2750rpmから5500rpmの回転数で、M3と同値の66.1kg-mを発揮するようになった。
トランスミッションは、トルクコンバーター式の8速AT。こちらも改良が施されている。ステアリングホイールには、シフトパドルが付く。可変式四輪駆動システム、M xドライブを搭載するが、こちらはM3やM4、M5などと共有するという。
ドライブロジックとBMWが呼ぶ、ドライブモードの数と幅は非常に大きい。エンジンにトランスミッション、M xドライブ、サスペンション、ステアリング、DSC(ダイナミック・スタビリティコントロール)の特性を、個別にドライバーが調整できる。
試乗車が装備していたホイールは、前後ともに20インチ。フロントが245/45、リアが275/40というサイズの、ピレリPゼロ・タイヤが組まれていた。英国では一番選ばれるセットになるだろう。
見た目以上に新しくなった印象のインテリア
サスペンションは、フロントがダブルウイッシュボーン式で、リアがマルチリンク式。従来のX4 Mコンペティションは乗り心地が硬すぎるという意見が多かったらしく、再調整を受け、マイルド方向に振られたようだ。
アダプティブMサスペンションに組まれるアダプティブダンパーは、コンフォート・モードとスポーツ・モードの両方で、よりしなやかさが高められている。
ドアを開けて車内に乗り込んでみると、ボディ以上に多くの改良部分を発見できる。特に目を引くのが、12.3インチという大画面で構成された、ライブ・コックピット・プロフェッショナルと呼ばれるモニター式のメータークラスター。
アナログメーターは姿を消し、M専用のグラフィックで、速度や回転数を教えてくれる。現代的な眺めだ。
ダッシュボード中央にも、12.3インチの大きなインフォテインメント用タッチモニターが鎮座。iドライブとBMWが呼ぶオペレーションシステムも最新版となり、メニュー構成などが一新されている。
欧州仕様で特長となるのが、クラウドシステムを利用したナビと、無線通信でアップデートできるソフトウエアになるだろう。試乗車には、X4 Mコンペティション専用グラフィックで投影される、ヘッドアップ・ディスプレイも装備されていた。
赤いM1とM2のボタンが付いた、マルチファンクション・スポーツステアリングホイールは従来からのキャリーオーバー。字光式のロゴが付いた、身体を包み込んでくれるスポーツシートも変わりはない。
この続きは後編にて。
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