システム・アップデートで公道最強ボルボへ
執筆:Mike Duff(マイク・ダフ)
<span>【画像】ボルボXC60 リチャージ ライバルのPHEV SUVモデルと比べる 全107枚</span>
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)
自ら掲げる電動化計画に則って、ボルボは純EVモデルの開発を進めているが、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)へも積極的に取り組んでいる。まだ登場から1年も経たないXC60のPHEV版にも、早速アップデートが図られた。
変更内容の目玉の1つとなるのが、新しいセル構造を採用した大容量の駆動用バッテリーの獲得。従来のXC60のPHEV版が搭載していたバッテリー容量は11.6kWhだったが、変更後は18.8kWhと、50%以上も大きい。
その結果、EVモードでの航続距離も伸延。駆動用モーターだけで最長75kmを、フル充電なら走れるようになった。さらに、そのリアタイヤを駆動する電気モーターも145psへ最高出力が高められている。
実に、従来から56psもの出力向上となっている。大幅なアップグレードといっていいだろう。
内燃エンジンは、穏やかな方のXC60 T6に積まれるのは4気筒ターボで、システム合計での最高出力は398ps。ターボとスーパーチャージャーが組み合わされた4気筒エンジンを搭載するT8の場合は、システム合計で454psを達成した。
その結果、T8は公道用モデルとして最もパワフルなボルボとなっている。ただし、このパワートレインは他のボルボにも搭載されるから、XC60が最強というわけではない。
今回試乗したのは、そのハイパワーなXC60 T8。確かに内燃エンジンと電気モーターの力が組み合わされると、驚くほどに速かった。
猛進するようにスピードを高める
SUVのボルボXC60は鋭く発進し、猛進するようにスピードを高めていく。ボルボの自主規制、180km/hという最高速度が低すぎると感じてしまう勢いだ。もしクルマの制限を解除すれば、かつてボルボが規制していた249km/hも軽く超えてしまうだろう。
2.0Lのガソリンエンジンは、負荷が高まるとサウンドが明らかに聞こえてくるものの、普通に走っている時の車内は極めて静か。ボルボがピュアと名付けるEVモードを選択すれば、動力性能は下がるとはいえ、パワートレインはほぼ無音の状態になる。
EVモードのままでも、駆動用モーターの力は日常的な走行にはまったく不足を感じない。そこからさらにアクセルペダルを強く踏むと、内燃エンジンが目を覚ます。
ピュア・モードではワンペダル・ドライブも可能で、とても自然に発進から停止までまかなえる。純EVのC40リチャージと同様に、乗員を前後に揺らすことなく、アクセルペダルの操作だけで滑らかにXC60 T8を止めることができる。
アップデートに伴い、グーグル・ベースとなる最新のインフォテインメント・システムも実装された。ユーザー・インターフェイスのグラフィックは美しく、ナビやエンターテインメント機能も操作しやすいうえ、反応も良好だ。
モード変更は少々手間な新システム
クルマの各設定も、そのシステム内で管理できる。だが、サブメニューのなかに埋もれ、変更は簡単とはいえないと思う。ドライブモードを切り替えるだけでも、メニューを3段階掘り下げる必要がある。
最初にセッティングを、次にダイナミクスをタップすると、モード一覧が表示される。ハイブリッド、パワー、ピュア、オフロード、AEDという項目から選べるようになる。
従来まではスクロール・コントローラーがあり、場所を覚えれば運転中に視線をそらさず変更も可能だったが、新しいシステムでは不可能なはず。運転環境としての使いやすさは、向上したとはいえないだろう。
他にも、AUTOCARの読者なら興味を持ちそうなメニューが存在する。だが、それらはさらに深い場所にある。
T8のRデザイン・プロというグレードの場合、ワンペダル・ドライブとクリープ走行との切り替えが可能なだけでなく、エアサスペンションとアダプティブダンパーの特性も変更できる。隠しコマンドというわけではないが、スポーツ・モードが存在するのだ。
スポーツ・モードを選択すると、ハイペースでの運転体験が感心するほど爽快になる。乗り心地は多少犠牲になるけれど。
ボルボXC60は、動的能力に特に長けたモデルというわけではない。だが、T8は適度にホットなドライバーの気持ちを、充分に受け止めてくれるだけのシャシーを備えている。
能力は高められたものの、お値段も張る
以前からハンサムなルックスを備え、快適なオールラウンド・モデルといえたボルボXC60。アップデートを受けたPHEV版はその能力を一層高めているが、英国価格はそれなりに張ってしまう。
最も安価なXC60 T6でも、5万3075ポンド(822万円)から。今回試乗したXC60 T8 Rデザイン・プロの場合、6万400ポンド(936万円)に膨らみ、トップグレードのT8ポールスター・エンジニアードでは6万5475ポンド(1014万円)に達する。
なお、この能力を高めたPHEVのパワートレインは、ボルボのXC90のほか、S60とV60、S90とV90にも搭載される。お好みのボディサイズやスタイルで、検討することも可能だ。
ボルボXC60 T8 Rデザイン・プロ(欧州仕様)のスペック
価格:6万400ポンド(936万円)
全長:4708mm
全幅:1909mm
全高:1653mm
最高速度:180km/h(リミッター)
0-100km/h加速:4.9秒
燃費:35.7-90.8km/L
CO2排出量:25-64g/km
車両重量:−
パワートレイン:直列4気筒1969ccターボチャージャー+スイーパーチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
バッテリー:18.8kWh
最高出力:454ps(システム総合/エンジン:309ps/電気モーター:145ps)
最大トルク:−
ギアボックス:8速オートマティック
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みんなのコメント
航続距離も延びてきたし残る課題は充電時間の長さとインフラ整備かな
それにしても、PHEVって電気でもガソリンでも両方使っても走れるなんて贅沢なクルマですね。
もしBEVの世の中になったら、未来ではかなり貴重なクルマになりそうな気がします。