2018年に登場したアウディの電動SUV、eトロン/eトロン スポーツバックがフェイスリフトを行い、併せて車名が「Q8 eトロン/Q8 eトロン スポーツバック」に変更された。このカテゴリーの先駆者として、さらに完成度を高めた改良版Q8 eトロンに試乗した。(Motor Magazine 2023年3月号より)
フェイスリフトを機にバッテリー容量をアップ
アウディは、2026年からのニューモデルのオールBEV化に向けて名称の再編成を行っている。その結果、18年に誕生し、これまでに15万台の販売実績を持つアウディeトロンが今回のフェイスリフトから新しいネーミング、Q8 eトロンとQ8 eトロンスポーツバックへと変更される。
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ただしプラットフォームはICE搭載モデルと共通のMLB evoを継続採用している。アウディはBEV専用のプラットフォームとしてPPE(プレミアム プラットフォーム エレクトリック)の準備をしているが、こちらは2024年の登場を予定されているQ6に採用されることになる。
改名されたQ8 eトロンにはQ8 50 eトロンとQ8 55 eトロン、そしてトップモデルのSQ8 eトロンの3機種で、それぞれにSUVとスポーツバックの2種類のボディが用意されている。
今回のフェイスリフトの主眼は近年登場したBMW iXやメルセデス・ベンツEQS SUVなどのライバルに対しての競争力アップで、まず基本となる搭載電池の容量をアップ、ベースモデルの50は89kWh、55とSQ8は106kWhへと増加している。
その結果、主にテストしたベースモデルのQ8 50eトロン クワトロとスポーツバックでは、前後2基の電気モーターによるシステム出力は340psへ、最大トルクは664Nmへと増大し、0→100km/hを6秒フラット、最高速度は190km/hから200km/hへと向上した。また最大航続距離は、491km(WLTP)と発表されている。
旧モデルと比べると距離が伸びているのは、バッテリー容量の増加だけでなく、取り出しエネルギーレベルが90~93%へと広げられたこと、グリル内の自動シャッター、そして新しいデザインのホイールやディフューザーの改良などによってCd値は従来よりも0.1改善され、0.27となったことなどにも起因している。
フルサイズSUVとは思えない軽快なハンドリングを発揮
もちろん、エクステリアデザインもタッチアップされ、シングルフレームグリルにある4リングはプラスティック製のフラットな形状に、そしてハニカム構造のダミーグリルが採用された。またドイツメーカーがなぜか嫌っているスマートなリアビューカメラが古典的なバックミラーに代わってようやく採用された。
一方リアエンドはeトロンロゴのエンボス加工されたバンパーそしてディフューザーを含めリアフィニッシャーがまったく新しいデザインになった。また小さな部分だがBピラーに新たにモデル名がプリントされている。
アクセルペダルを踏み込んですぐに感じたのはやはりパワーの増加である。空車重量2.6トンにもかかわらずBEV独特の身体をおいて置かれるような加速感が襲ってくる。
山間部のワインディングロードに入るとセンター付近から、ダイレクトで切れの良いステアフィールに気づく。さらにフロント足まわりのコントロールアームブッシュの硬度をおよそ50%上げた結果、切り込むとスパッとノーズを向けるさまは全長4.9mのフルサイズSUVとは思えないほどに軽快である。
さらに路面からのフィードバックも確かでコーナーでは正確なライントレースが可能だった。加えて2m近い車幅にもかかわらず見切りの良い視界を持つボディにより狭い峠道も苦にならい身軽さ、スポーティなハンドリングを発揮する。またオプションの22インチ扁平タイヤにもかかわらず、標準装備のエアサスペンションはフラットで快適な乗り心地を提供していた。
フェイスリフトを受け名前も変わったアウディQ8 eトロンシリーズはこのカテゴリーの先駆者らしい完成度の高いフルサイズ電動SUVであった。ニューQ8 eトロンの価格は50eトロンSUVのベースモデルが7万4400ユーロ(約1057万円)で、まもなくヨーロッパで発売が開始されるが、日本市場への発売時期や価格はまだ発表されていない。(文:木村好宏/写真:アウディAG)
アウディ Q8 50 eトロン クワトロ主要諸元
●全長×全幅×全高:4915×1937×1633mm
●ホイールベース:2928mm
●車両重量:2510kg
●モーター:永久磁石同期電動機×2
●モーター最高出力:250kW(340ps)
●モーター最大トルク:654Nm
●バッテリー総電力量:95kWh
●WLTPモード航続距離:4910km
●駆動方式:4WD
●タイヤサイズ:255/55R19
*EU準拠
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