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500万円で究極のアウトドア車両! 公道も走行可能な水陸両用車「DUKW」とは

掲載 更新 47
500万円で究極のアウトドア車両! 公道も走行可能な水陸両用車「DUKW」とは

■第二次世界大戦でも活躍した水陸両用車とは

クルマはある程度以上の水深の水に浸かると、使用不能となる。大雨のとき、水が溜まったアンダーパスなどに突っ込んで、壊れてしまったクルマをニュース映像などで見たことがあるだろう。

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ひとたび水没してしまったクルマを再生するのは、非常に大変である。エンジン内部に水が入った場合、ウォーターハンマー現象でエンジンが壊れてしまう。また、電装系が水に浸かるとリークを起こしてしまう恐れがある。さらに内装材などが水に浸かれば、カビの発生や異臭の原因となり、当然、駆動系にもダメージは及ぶ。

●1943 GMC「DUKW 353」

しかし、こうした水没によるトラブルは、対策をすることである程度解決できるものでもある。

たとえば、ランドローバーディフェンダー」などでは、エンジンの吸気口をシュノーケル化し、マフラー出口も上部に持ち上げるなどの対策が施され、900mmの水深までなら走行可能だ。

では、さらに深い水深を走行できるクルマはないか。この課題をクリアするために生まれたのが、いわゆる水陸両用車である。

もとはといえば、軍事下におけるあらゆるシーン(作戦)に対応するべく生まれたのが水陸両用車である。

タイヤが接地しないほど水深が深いところで、ボディを水密化して船のように浮くことができれば、スクリューで推進することが可能である。こうした発想で、第二次世界大戦のドイツ軍では、フォルクスワーゲンの「タイプ82」、つまり「キューベルワーゲン」をベースとした「シュビムワーゲン」が開発された。

そしてアメリカで開発されたのが、今回VAGUEで紹介する「DUKW」である。

このDUKWは、GM(ゼネラルモータース)が開発したものである。ベースとなっているのは、6輪駆動の2.5トン積載軍用トラックの「CCKW」である。

■水陸両用車は、予想を遥かに上回る価格で落札!

CCKWはアメリカ軍の主力輸送トラックであり、50万台以上が生産されたといわれている。

そのCCKWのボディを水密化し、推進時の抵抗を減らすためにノーズの形状を変更し、さらに後部にスクリューを装備したのがDUKWだ。

1942年に開発されたこの車両は、ノルマンディ上陸作戦などで沖合の艦艇から陸地まで、兵員を輸送するために使われることとなった。使用されていたのはアメリカ軍だけではなく、英国やソビエト連邦など、当時の同盟国にも供与されていて、生産台数は2万台以上といわれている。

●1943 GMC「DUKW 353」

さらに戦後、日本にもDUKWは供与されていた。近年では2007年から神戸ハーバーランドで観光車両に改造されたDUKWが2台アメリカから輸入され、「スプラッシュ神戸」として使われていた。

実際に乗った経験もあるが、日本でのナンバーも取得可能であることが証明されている。

スプラッシュ神戸は、車両の老朽化によるトラブルが続き、2012年8月以降運休となり2017年に事業自体が終了している。

こうしたことからも分かるように、DUKWの性能は80年近く前に設計されたクルマとしては優秀である。積載量はCCKWと同じ2.5トン。兵員でいえば25名乗ることができるが、海上のみであれば50名の兵員輸送も可能だった。

またタイヤの空気圧を車内から任意に変更できる機能が、DUKWには装備されている。水上から地上に上がったとき、路面のグリップが悪いとタイヤが空転してしまう。そのとき、タイヤの内圧を下げればグリップ力を回復させることが可能となる。反対に路面状況がよくなれば、内圧を上げて巡航速度を回復する。一刻を争う軍事において、この機能は非常に重要な意味を持っている。

今回紹介するDUKWは1943年に製造され、同年6月に英国に納入された個体である。第二次世界大戦時は、英国運輸省の第19水陸両用中隊に所属していたが、1970年代初頭に運輸省博物館へと移管され、その後レコンフィールドにあるロイヤルアーミー機械輸送学校のコレクションとなった。

当時、そのコレクションの多くは陸軍輸送博物館において動態保存状態で展示されていたのだが、2003年に博物館が閉鎖されることとなり、その後は静態保存状態でいまに至っている。

現役として使われていた期間が短いため、まれに出てくる払い下げ軍用車両と比べると、状態ははるかにいい。水陸両用車にありがちなボディの腐食もほとんどなく、タイヤの交換はさすがに必要だが、ベンダーの評価もグッドコンディションとなっている。

今回ボナムズでは、このDUKWの予想落札価格を、1万8000-2万ポンド(邦貨換算約270万-300万円)と評価。

修理ではなく、メンテナンスをすることで走行が可能な第二次世界大戦時の軍用車両であり、文化的な意味での展示だけではなく観光車両としても使用できるかもしれないと考えれば、妥当な価格といっていいだろう。

実際の落札価格は、予想落札価格を大きく上回る3万2625ポンド(邦貨換算約490万円)であった。

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