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ポルシェ・タイカンへ挑む ポールスター5 プロトタイプへ同乗 最高出力886ps

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ポルシェ・タイカンへ挑む ポールスター5 プロトタイプへ同乗 最高出力886ps

ポールスター・ブランドの成熟度を高める

まったく新モデルの仕上がりを確かめるのに、通常は助手席へ座っただけではわからない。しかし、ずば抜けた完成度にある場合、運転席へ座らずとも能力の高さを実感できることがある。

【画像】ポルシェ・タイカンへ挑む ポールスター5 既存の1と2 同クラスの高性能BEVサルーンも 全157枚

グレートブリテン島にある自動車試験コース、MIRAのハンドリング・サーキットで同乗したポールスター5は、まさにそんな1台だった。ここは、英国でクルマの性能を評価する際の定番施設。筆者も定期的に訪れており、コースのことは理解しているつもりだ。

この開発プロジェクトでシャシー技術者を率いる、若干31歳のクリス・バグリー氏と、ポルシェタイカンについて雑談を交わす。「これはポールスター・ブランドの成熟度を高める機会です」。と口にする。

カモフラージュされた、低いボディをまとうポールスター5のステアリングホイールを握る彼は、コース途中のヘアピンカーブへ果敢に突っ込む。旋回させつつ、リアアクスルへトルクを一気に送る。タイヤのグリップ限界を破り、パワースライドしてみせた。

まったく知らない人が目撃したら、デザイナーのシド・ミードが描き出したBMW M5が、本域で攻め立てられているように見えるかも。プラグイン・ハイブリッドのグランドツアラー「1」や、小型クロスオーバーの「2」では、想像し得ない振る舞いといえる。

Mモデルのようなドリフト 感動の乗り心地

長いホイールベースのシャシーでも、巨大なトルクを与えれば、パワースライドは決して難しいことではない。それでも、助手席からでも、その繊細な操縦性には度肝を抜かされた。ポールスターは、新たな領域へ踏み出そうとしている。

この「5」は、スウェーデン・ヨーテボリに拠点を置くポールスターが、既存のボルボ製プラットフォームをベースに開発を進めているわけではない。ロータスマクラーレンなどで経験を積んだ有能な技術者によって、英国のMIRAでゼロから設計されている。

リアタイヤがタイトコーナーで緩やかに外へ流れて、元のラインへ戻る。その一連の挙動は、決まり文句ではあるが、バターの表面をなぞるように滑らか。

バグリーは深いドリフトアングルへ持ち込み、姿勢を徐々に立ち直していく。専用開発されたミシュラン・タイヤは、長いボディの進行方向を巧みに保持しながら、出口の接近とともに鋭い加速を受け入れる態勢を整える。

乗り心地は安定していて、落ち着いている。路面へしなやかに追従する。アンダーステアも想像以上に抑えられている。

まだ開発の真っ最中なだけに、5の技術的な情報は明らかになっていない。発売は2025年が予定されているが、直前まで公表されることはないだろう。

それでも、BMW Mモデルのように派手なドリフトと、感動してしまう乗り心地で、強い興味を抱かずにはいられない。5が備える能力の幅が極めて広いことを、間接的に示唆している。

広大といっていい車内空間

1つ知って唸らされたのは、一般的な固定式のコイルスプリング・サスペンションが組まれているという事実。エアサスではなく、可変式ダンパーのモード設定もないという。

英国価格10万ポンド(約1750万円)を超えるモデルとしては、少々ベーシックなシャシーに思える。しかし、平滑とはとてもいえないMIRAのハンドリング・サーキットで、先述の見事な乗り心地を披露してみせた。英国の一般道での制御が楽しみだ。

車内空間は広い。特にリアシート側は広大といっていい。ポルシェ・タイカンが、フォルクスワーゲンルポのように感じてしまう、というのはいい過ぎかもしれないが、5の車内には相当なゆとりがある。インテリアの質感も高い。

グラスエリアの大きいキャビンは開放的で、フロントガラスは大きく傾斜しているが、前方視界は優秀。このプロトタイプ水準の外界との隔離性が量産車へ落とし込まれるなら、新たなベンチマークになるかもしれない。

もっとも、内装は仕上げ途中で一部が省かれており、高速域では車外のノイズを大きく届かせていた。駆動用モーターのノイズも。

ダッシュボードの取り付け位置は、印象的に低い。スーパーカーに乗ったような印象を受ける。従来のポールスターと、一線を画すことは間違いないだろう。

最高出力886ps すべてが高次元で調和している

バッテリーEVの優等生、ポルシェ・タイカンに太刀打ちできるだろうか。助手席へ同乗しただけとはいえ、その可能性を強く感じた。

少なくとも886psの最高出力と、91.4kg-mの最大トルクを備える可能性を、ポールスターは認めている。電圧800Vの電動アーキテクチャを実装し、前後2基の駆動用モーターを搭載するという。

ポールスターのトーマス・インゲンラートCEOは、「会社を定義づけるプロジェクトです」。と述べ、今後の発表に向けて自信を伺わせる。

「先進的なデザインと高度な技術が、ポールスターの将来の方向性を指し示します。弊社には、象徴的なバッテリーEVを開発可能な、素晴らしい人材が揃っています」。と。

サスペンションだけでなく、同乗したプロトタイプのメカニズムはかなりシンプルだった。後輪操舵システムやアクティブ・アンチロールバーは装備されず、これは四輪駆動ではなく後輪駆動でもあった。だが、すべてが高次元で調和しているようだった。

若干オールドスクールなパッケージングともいえるが、その性格付けはまったく異なる。「わたしたちは、走りの面でもポルシェ・タイカンへ挑戦したいと考えています。痛快な走りが必ずしも悪いものではないと、証明したいのです」

バグリーが穏やかに話す。新しい期待の星として、想像は膨らむばかりだ。

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