2019年5月に鳴り物入りで復活デビューを果たしたスープラ。あれから2年が経過する。デビュー当初はトップグレードのRZが納期遅延になるなど話題を集めたが、現在はその人気もずいぶんと落ち着いて、ちょっと目立たなくなっている印象がある。
そんな現行型スープラはデビューから2年が経った今、成功しているといえるのか? モータージャーナリストの岡本幸一郎氏は次のように評価しているという。
5バルブやスーパーチャージャー搭載!! FF化後も3世代で進化したレビン/トレノの最強モデルは?
文/岡本幸一郎
写真/ベストカー編集部、岡本幸一郎
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■日本市場において、スープラはまずまずな健闘をしている
2002年8月にR34スカイラインGT-RやFD3S型RX-7らとともに生産終了となってから17年もの長きにわたって途絶えていたスープラの復活に業界は大いに色めき立ち、当初は納期がかなり遅れることも話題となったのも記憶に新しい。
それから2年。これまでの国内販売台数は下記のとおりで、この価格帯のスポーツカーとしてはまずまず健闘しているといえそうだ。
2019年:880台
2020年:2650台
2021年1~4月:520台
また、直近3カ月のグレード別の販売比率は下記のとおり。
RZ(含む特別仕様車)[3L 直6]:60%
SZ-R[2L 直4:258ps]:25%
SZ[2L 直4:197ps]:15%
唯一の直6エンジンを搭載するRZの販売比率が圧倒的に高いあたりからは、スープラに期待されるものが何であるかがうかがい知れる。逆に、ほとんど売れないのではと思っていたSZがかろうじて2ケタ台に乗っているのは意外だった。
現行型スープラSZは最高出力こそ145kW(197PS)と165kWだった先代の80型に劣るが、最大トルクは320Nm(32.7kgfm)と先代の284Nmを上回る。車重はどちらも同じくらいだから、スペック的にも捨てたものではない
現在の納期の目安は約4カ月程度とのことで、ご存知のとおりスープラはオーストリアのマグナシュタイアで生産されており、さらに国内で陸揚げしてから元町工場で最終調整したうえでデリバリーされるので、一般的な国内生産車よりも長くなる傾向にあり、4カ月というのはそれほど長いわけではない。
発売から約1年後の2020年4月にはRZのエンジンの出力向上などの改良が発表され、10月に発売された。
この際、すでにオーダーを入れて納車待ちだった人から、「それはないよ」という声が噴出したのだが、10月の発売以降は新型が届けられており、その時点ではバックオーダーはなかったとのこと。また、すでにオーダーしていて発表後に新型を希望した人には販売店で別途対応したという。
一方、海外の販売状況に目を向けてみると、
2019年:北米3,200台、欧州900台
2020年:北米6,300台、欧州1,000台
2021年1~4月:北米2,600台、欧州400台
となっており、コロナ禍で本来の状態ではないことには違いないが、やや欧州では伸び悩んでいるのに対し、北米はなかなか好調で、コロナ禍のなかでも勢いを維持している様子がうかがえる。
2020年については、価格帯の近い姉妹車であるBMW Z4や日産フェアレディZをはじめ、ポルシェのボクスターとケイマンの2台を足しても、スープラが圧倒的に上回っている。
写真は現行型のSZ-R。最も走りのバランスがいいと言われているのは先代の80型と同じ
■「スープラ祭り」が起こるほどの北米市場
ところで、北米にはもともと「JDM」と呼ばれる日本車をカスタマイズする文化があるが、そのなかでもスープラは別格的に人気がある。
それには2001年にスタートした大ヒット映画「ワイルドスピード」シリーズの存在が大きい。主人公の愛車として登場する80スープラが多くのファンの心を掴んだのだ。
せっかく人気に火がついたところで、ほどなく絶版車となってしまったわけだが、のちの作品にも回想シーンなどで継続的に露出があったことでスープラの名前と姿は広く浸透し、人気は定着した。
それゆえスープラが再び出てくることを多くのファンがずっと待ち望んでいた。復活をとげたのはアメリカのファンの声に応えるためというのがもっとも大きな理由といって過言ではない。
そう考えるとスープラが他社とのコラボで生まれたのも実は合点がいく。日本人の気質からすると中身がほぼBMWと共通であることがとやかく言われるのはトヨタとしてもわかりきっていたはずだが、それより優先すべきは北米市場。
アメリカ人にとっては、あまりそのあたりの事情が気になることもなく、とにかくスープラでありさえすればウェルカムだ。むろん見込まれる市場規模がそれなりに大きいことも重視する理由となる。
2019年にワールドプレミアされたスープラ(岡本氏撮影)。北米市場は「スープラ祭り」になるほどの大盛況だったという
実はスープラがワールドプレミアされた2019年のデトロイトショーには筆者も取材に行っていたのだが、まさしく「スープラ祭り」といえる現地の状況を目の当たりにした次第。
異様なまでの盛り上がりに驚き、いかにスープラが愛されているか、そして本当に多くのファンが復活を心から喜んでいる様子がヒシヒシと伝わってきた。最初のロットで1500台が販売された「ローンチエディション」が即座に完売となったのも納得だ。
■多田氏が去り、スープラの今後が不安だ
そんな現行スープラも、そう遠くないうちにマイナーチェンジを迎えてもおかしくない時期にさしかかってきたが、ドライバビリティの高さは定評があり、またRZのエンジン出力もすでに引き上げられていることから、今後なにか大きく変えて欲しいという点は特にない。
ややナーバスな操縦性については、もう少し寛容でもよい気もしなくないが、その針の糸を通すかのような鋭い切れ味もまたスープラの持ち味のひとつだ。
ただし、MT仕様を求める声は依然として少なくなく、ATの好まれる北米でもスポーツカーについてはMTの人気が高いので、あったほうがより販売面でも有利になるのはいうまでもないが、どうやらいまのところそれはなさそうだ。
気がかりなのは、スープラひいてはトヨタのスポーツカーの顔であった多田哲哉氏がトヨタを去ったことだ。
2020年になり性能向上したスープラRZ。写真中央に見える銀色のブレースバーが2本追加され、オーバーハング部分の応答性が上がっている
例えば日産GT-Rは開発者の水野和敏氏が日産を離れても田村宏志氏という強力な個性が巧く引き継いだが、かたやZ34のフェアレディZは湯川伸次郎氏がいなくなったとたん急速に存在感が薄れた。
こうしたキャラの立ったスポーツカーであればあるほど、作り手の顔が見えたほうがよい。特に日本では。スープラにはZ34と同じ轍を踏まないよう願いたい。
ところで、今年の夏にアメリカで公開されるワイルドスピードの新作には、新しいスープラが登場する予定というから楽しみ。好調な販売にさらにはずみがつきそうだ。
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みんなのコメント
走る姿はカッコいい悪い別にしてべちゃっと低くワイドで他の車とは違うぞという感じは漂っている
思うにZ4よりは存在感があるのかなと