レンジとディフェンダーのギャップを埋める
35年ほど前、初代レンジローバーは高級志向へシフトする一方で、ディフェンダー 90と110は質実剛健な働くクルマというポジションを変えていなかった。それを横目に、三菱やいすゞは両車の中間に位置するようなSUVを販売していた。
【画像】極めて高耐久のTdi ランドローバー・ディスカバリー(初代) 現行モデルと写真で比較 全124枚
ランドローバーは、モデルのギャップを埋める必要があった。そこで進められたのがプロジェクト・ジェイ。サスペンションを簡略化したレンジローバーのシャシーを流用し、特徴的なデザインのボディを載せた、7シーターのSUVが誕生することになる。
ルーフラインは後部が一段高く、サイドの上部にはアルパイン・ウインドウと呼ばれる天窓が開けられた。大きなフロントガラスとフロントドアの骨格も、レンジローバー譲り。荷室側には折りたたみ式の簡易シートが2脚、横向きに搭載されていた。
ボディサイズは初代レンジローバーより長く高く、剛性を確保するため、スチール製のインナー・ボディシェルにルーフ構造を溶接。そこへ、シャープにプレスされたアルミニウム製ボディパネルがボルトで固定された。
インテリアを手掛けたのは、コンラン・デザイン・グループ。巧妙に小物入れなどがレイアウトされ、高評価を得た。当初の内装色はライトブルーのみの設定だったが、発表の翌年にはベージュも選べるようになっている。
スタイリングは、社内デザイナーによる共同で仕上げられた。結果として、レンジローバーやディフェンダーとは異なる位置づけのSUVとして、ディスカバリーは大きな成功を掴んでいる。
好燃費で信頼性も高いディーゼルターボ
ディスカバリーの人気を高めた要因の1つが、ランドローバーが開発を進めていた、Tdiと呼ばれるターボ付きのディーゼルエンジン。好燃費でトルクフルで、信頼性にも優れ、V8ガソリンの有力な代替ユニットになった。
シフトレバーの動きは重かったものの、試乗評価も概ね好評といえた。「ディスカバリーはお値打ちの1台。秀でたセンスと実用性、英国車らしさが完璧に近い形で融合しています」。と、V8エンジン版を当時のモーター誌はまとめている。
1998年、スタイリングはキープコンセプトながら、大幅なメカニズムの改良が加えられたディスカバリー・シリーズ2が登場。デフロックできる本格的な四輪駆動システムは継承しつつ、ライバルモデルとの競争力を向上させていた。
新開発の5気筒ディーゼル・ターボエンジンが加わり、セミアクティブ・アンチロール機能を上級グレードに採用。リアにはエアサスペンションがおごられ、電子制御のトラクション・コントロールとヒルディセント・コントロールも獲得している。
ボディサイズを拡大しつつ、剛性は向上。フロントライトのデザインが一新され、テールライトの位置が高くなったほか、ドアハンドルなど細部もアップデートされていた。
多彩なオプションで差別化を図れる、パーソナライゼーションも英国では人気だった。車両価格の50%の追加費用を支払うことすら可能で、アンチロールバーにワイドなタイヤを組み合わせられる、ハンドリング・パッケージも用意されていた。
オーナーの意見を聞いてみる
マーク・ハローは氏は、ランドローバー・ディフェンダーとレンジローバーを所有する父親のもとで育った。生まれた町も、ランドローバーの本社があるバーミンガムの南、ソリハルだ。
「最初の職場に選んだのもランドローバーでした。4年間ほど勤務し、ディスカバリーの車両開発にも関わりましたが、両親の引っ越しで自分も南部のデボンへ移住しています」
「現在もディスカバリーは複数所有しており、1台は普段の足。別にレストア待ちの車体もあります。もう1台は、息子へ譲る予定です」
「このブルーのディスカバリーは、ジャガー・ランドローバー社の上層部で働く、ジョン・チェスター氏のためにレストアしました。過去にはボウラー・モータースポーツ社にもいた人物です」
「以前にレストアされていた個体ですが、内容が悪く、全面的に作業し直しています。G-WACと呼ばれる初期型は、124か所の違いがモデルによって存在し、正確にオリジナル状態を把握することが難しいんです」
「V8エンジンの質感も良いとは思いますが、個人的にはTdiの方が好きですね。永遠に動き続けそうなエンジンですよ」
英国で掘り出し物を発見
ランドローバー・ディスカバリー・シリーズ2 TD5 XS(英国仕様)
登録:2001年 走行:23万8100km 価格:2890ポンド(約46万円)
見た目が良いディスカバリー2。エアコンにサイドステップ、CDチェンジャー付きのステレオ、ハーフレザーシートなど装備も充実。牽引バーも付いている。車検に通すためサビも補修済みとのことだが、仕上がりは直接確かめたいところ。
リアピラーの塗装には、水ぶくれのようなか所がある。塗装の状態自体は悪くない。走行距離は長いものの、ディーゼルターボは極めて堅牢。価格価値に優れる1台だと思う。
ランドローバー・ディスカバリーV8i GS(英国仕様)
登録:1998年 走行:14万9700km 価格:6000ポンド(約96万円)
複雑なシステムを搭載しない、ディスカバリー1の最終型。故障の心配は少ないだろう。シートの調整は手動。サンルーフが備わるが、ABSとエアコンは装備されていない。
V8エンジンにオートマティックが組まれている。ボディのオックスフォード・ブルーもきれいに見える。ここ3年は車庫に保管され、余り乗られておらず、ボディは溶接による補修を受けていない。シャシーは防錆加工済み。タイヤも新品に近いという。
中古車購入時の注意点などは後編にて。
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