一充電航続距離で比較すればリーフe+の圧勝
ホンダeは、ホンダがクルマの未来を見据えて提案する都市型コミューターとして開発されたピュアEV。ボディサイズは全長3895×全幅1750×全高1510mm、ホイールベース2530mmと、まさにコミューターとしてのコンパクトさが売り。搭載リチウムイオンバッテリーの容量を、走行距離重視ではなく、都市型コミューターとして適切な35.5kWh、1充電走行距離をWLTCモードで最高283km(JC08モードでは308km/いずれも標準グレード)としている割り切りも大きな特徴だ。
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一方、日本が誇るピュアEVの代表格が、日産リーフ。2017年に登場した現行モデルは、駆動用バッテリーを先代の24kWhから40kWhに拡大したことで、WLTCモードで322kmの航続距離を達成。さらに2019年には62kWhのバッテリーを搭載するe+をリリース。WLTCモードで458kmと、ガソリン車に遜色ない航続距離を実現している。ボディサイズは全長4480×全幅1790×全高1560mm、ホイールベース2700mmと、ファミリーカーとしても十分なサイズ、室内空間を備えている。
ここで両車の性能を比較してみると、ホンダeは標準車がモーター出力136馬力、32.1kg-m、アドバンスグレードが154馬力、32.1kg-m。車重はそれぞれ1510kg、1540kg。すでに説明したように、WLTCモードでの一充電航続距離はそれぞれ283km、259kmとなる。ちなみに乗車定員はコミューターゆえ4名となり、最小回転半径は4.3mと軽自動車並みに小回りが利く。
リーフはと言えば、標準車のモーター出力150馬力、32・6kg-m、e+になると218馬力、34.7kg-m。車重はそれぞれ1520kg(X/Gグレード)、1670-1680kgとなる。WLTCモードでの一充電航続距離はリーフが322km、e+が458kmとなる。定員はもちろん5名。最小回転半径は5.2~5.4mである。
忘れてはいけないのは価格。ホンダeは451万円~。リーフは装備的に満足できるXグレードで381.92万円~。e+で441・1万円というプライスだ(別途補助金あり)。つまり、ホンダeを軸に価格的にリーフを比較する場合は、62kWh版のe+がライバルということになる。
一充電航続距離で比較すれば、リーフe+の圧勝である。何しろWLTCモードで458km。実質320kmぐらいは無充電で走れるのだから、ガソリンスタンドに行かずに済む、フツーの自動車のように使うことができるのだ。
ただし、そもそもホンダeは都市型コミューターとして割り切られ、最大でも289km。実質200kmちょっとだから遠出には不向きだが、本来の使い方として、毎日の生活でコミューターとして使う分にはまったく問題ない航続距離と言っていい(自宅の充電設備は不可欠)。また、急速充電による充電時間はリーフe+は約60分、ホンダeは約30分で80%まで急速充電できる。充電スポットでの現実的な使い方、充電環境からすれば、ホンダeのほうが充電に費やすロスタイムが少なく、たとえ遠出しても充電回数が少なくて済むかもしれない。
EVならではの「未来感」はホンダeが勝る!
では、加速性能はどうだろう。ホンダeのアドバンスグレードとリーフのe+を比較すれば、その最高出力、最大トルクの値を見ても、車重が大きく変わらないこともあって、リーフのe+が優位なのは当然。が、モータ―パワーのクルマを甘く見てはいけない。ホンダeでもアクセルペダルを踏み込めば、それこそ血の気が引くほどのシームレスかつ強烈な加速力を披露してくれるのだ。実際、都会では、アクセルを深々と踏み込むのがためらわれるほど速い。
ここで注目すべきは、ホンダeの場合、標準車とアドバンスグレードの最大トルク32.1kg-mはまったく同じということ。どちらのグレードを選んでも、モーター駆動ならではのトルキーさを存分に味わえるというわけだ。ここだけの話、乗り心地に優れるのは、いや、よりピュアEVらしいスムースかつしっとりマイルドな乗り味を示してくれるのは、16インチのヨコハマブルーアースAE50を履く標準グレードのほうである。
ちなみに、ブレーキを踏まずに減速から停止まで持っていけるリーフにあるワンペダル=e-PEDAL機能は、ホンダeでも、アクセルペダルを緩めると、自動的に回生ブレーキが作動して、しっかりと減速が可能。最初は慣れが必要だが、慣れれば自在にスピードコントロールできるようになり、都会はもちろん、山道での走りやすさに直結するのは両車に共通する美点だ。
ただ、ピュアEVに未来感を求めるなら、ホンダeが圧倒する。スマホをかざしてドアロックを解除でき、世界初の5つものスクリーンをダッシュボード左右いっぱいに水平配置するワイドビジョンインストルメントパネルの超先進感ある見映え、さらにはダッシュボード上のNFCマークにスマートフォンをかざせば、ホンダeに電源が入り、起動するのがホンダeなのである。
また、ワイドビジョンインストルメントパネル左右端に配置されるサイドカメラミラーシステムのディスプレイも新鮮だ。アウトサイドミラーがなく、斜め前方の視界に死角がまったくと言っていいほどなく、見やすさも問題なし(ボクも始めて運転してすぐに慣れた)。つまり、未来感とともに、すっきりとした前方視界が得られるのもホンダeの大きな魅力と言っていい。
その点、リーフのメーター、ナビゲーション周り、というか、内外装全体の”未来感”は意外なほど、あるようで、ない。HVカーに近い、新型ノートと大きく変わらない!? ごくフツーのクルマっぽいのである。ホンダeに乗り換えれば、誰もがその内外装デザイン、装備に感動し、驚くはずだが(そこが高価な理由でもある)、リーフではそうはなりにくいのである。
結論としては、もちろん、ピュアEVにガソリン車のような航続距離を求め、充電をあまり心配せずにロングドライブを楽しみたいなら、実質約320kmは無充電で走れるリーフe+の選択になる。つまり、ファーストカーとしても使えるピュアEVの実力の持ち主だ。
ホンダeは、繰り返すけれど、都市型コミューターとして割り切られたミニマムサイズのピュアEVだ。自宅に充電設備があり、近所の買い物などに使う分にはまったく問題なく楽しいが、一般的にはガソリン車やHVがある家の、最大4人乗りのコミューター、セカンドカーとして使うのが正しい。
価格が接近する国産ピュアEVのホンダeと日産リーフe+は、一般的な走行シーンでの加速性能には優劣付けがたいものの、使い方、未来感が大きく異なる2台ということだ。
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