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じつは凄い「のっぺり顔」! EVの「グリルレス」「フラットボトム」が生む多大なるメリットとは

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じつは凄い「のっぺり顔」! EVの「グリルレス」「フラットボトム」が生む多大なるメリットとは

EVには従来型のグリルが不要

<エンジン冷却不要で実現するクリーンなフロントフェイス>

EVで電費を上げるコツはまず「モーターの種類」を知ること! 「滑空」と「回生」のどちらが効率的かはクルマによって異なる!!

電気自動車(EV)の普及が進むなか、その特徴的なデザインに気付いた読者も多いだろう。とくにフロントマスクに注目すると、従来のガソリン車などの内燃機関車(ICE)で当たり前だった大きなラジエーターグリルが存在しないケースが多い。これは単なるデザイン上の選択ではなく、EVの構造特性がもたらす空力性能の向上だ。

ICE車では、エンジンを冷却するためのラジエター、冷却風を導くためのインテーク、そしてそれを排出するためのアウトレットが必要不可欠である。そのため、フロントグリルは車両にとって必須のものだった。一方、EVは電動モーターと電池システムの冷却方法が根本的に異なるため、従来型のグリルが不要となる。この変化は単なる外観の問題ではなく、空気抵抗を劇的に低減する重要なイノベーションだ。

代表的な例として、テスラ・モデルYやフォルクスワーゲンID.4などの最新EVモデルでは、従来の大型グリルを完全に排除、または大幅に縮小している。これにより、空気の流れを妨げる障害物が減少し、車両前面の空力特性が大きく改善される。

<フラットアンダーボディがもたらす空力革命>

EVのもうひとつの特徴は、車体下面の構造にある。ICE車では、エンジン、トランスミッション、排気系統など、多くの部品が車体下部に配置されている。これらは不規則な形状となり、空気の流れを乱す要因となっていた。

対してEVでは、バッテリーパックを床下に平面的に配置できる。この特性を活かし、多くのEVは車体下面を可能な限りフラット化されている。下面を流れる空気の乱れを抑制し、揚力の低減と空気抵抗の軽減を実現し、はるかに空力学的に洗練されたボディデザインを可能にした。

とくに高速走行時には、このフラットアンダーボディの効果が顕著に表れ、航続距離の向上にも貢献。また、車体底面を流れる空気の速度が増すことで、ダウンフォースと呼ばれる“車体を地面に押し付ける力”が働き、走行安定性も向上する。

車高を抑えたデザインも可能に

<重量配分の最適化がもたらす新たな可能性>

EVならではの特徴として、重量物であるバッテリーの配置自由度の高さも挙げられる。ICE車では、エンジンとトランスミッションの位置が車両設計の制約となっていたが、EVではバッテリーを床下に分散配置することで、理想的な重量配分を実現できる。

この特性は、車両の空力設計にも大きな影響を与えている。重心を低く抑えることで、車高を抑えたデザインが可能となり、結果として車両の前面投影面積が減少し、空力性能が向上する。また、重量配分の最適化により、リヤスポイラーなどの空力デバイスの効果も高められている。

この構造的な違いを活かし、最新のEVは驚異的な空気抵抗係数(Cd値)を達成している。一部の先進的なEVでは“0.2”台という極めて低いCd値を実現している。たとえばテスラ・モデルSは、グリルレスのデザインをいち早く採用し、その滑らかなフロントノーズは、現状モデルでCd値0.208という驚異的な空気抵抗係数を達成するのに大きく貢献している。

メルセデス・ベンツEQSは0.20、ポルシェ・タイカンも0.22という数値を実現。これは、従来の最高峰とされていたICE車であるメルセデス・ベンツSクラスの0.22を上まわる成果である。

このように、EVは構造的な特徴を活かした空力性能の向上が可能であり、それが航続距離の延長に大きく貢献している。今後も新たな技術開発により、さらなる空力性能の向上が期待される。

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みんなのコメント

2件
  • 藍流頓瀬奈
    けどしめ飾り着けるとこないのよね(笑)
    JAFバッジも(笑)
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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