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今では失われつつあるスポーツモデル? ちょっと前の1.6リッター車3選

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今では失われつつあるスポーツモデル? ちょっと前の1.6リッター車3選

■今では激減したテンロク自然吸気エンジンのスポーツモデルを振り返る

 1980年代から1990年代にかけて隆盛を極めていたのが、1.6リッターエンジンのスポーツモデルです。高性能なエンジンを搭載し、比較的手頃な価格とあって走り好きの若いユーザーから絶大な人気を誇りました。

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 1.6リッターエンジンは、主にモータースポーツのレギュレーションに端を発した排気量ということもあり、小型軽量でスポーティなモデルにこぞって採用されましたが、次第に需要が低迷したことから2000年代に減少。今ではわずかな車種だけになってしまいました。

 しかし、ちょっと前まではまだまだ魅力的なモデルが存在。そこで、1.6リッター自然吸気エンジンのスポーツモデルを3車種ピックアップして紹介します。

●日産「ノート NISMO S」

 2020年12月に、日産のベストセラーコンパクトカー「ノート」が3代目にフルモデルチェンジしました。デザインや車格はキープコンセプトとしながら、パワーユニットが全車e-POWERとなったことから大いに話題となります。

 3代目ノートは環境性能と経済性を重視し、正常進化を果たしたといえるモデルですが、その一方で失われてしまったのが、スポーティモデル「ノート NISMO S」です。

 2012年にデビューした2代目ノートに、ホットモデルのNISMO Sが2014年に追加ラインナップされました。

 NISMO Sの開発と生産はオーテックジャパンが担当し、搭載されたエンジンは専用の1.6リッター直列4気筒自然吸気で、高圧縮比化してハイリフトカムシャフトが組み込まれるなどのメカチューンによって最高出力140馬力を発揮。組み合わされるトランスミッションは5速MTのみと硬派です。

 外装では専用のエアロパーツやカラーリングが奢られ、内装もスポーツシートと専用のハンドルの採用、インパネまわりは赤い差し色でコーディネートされるなどスポーティに演出されています。

 シャシもNISMOシリーズにふさわしく、強化サスペンション、専用ブレーキシステム、補強によるシャシ剛性アップ、ハイグリップタイヤを装着するなどチューニングされ、高いコーナリング性能を実現。

 ノート NISMO Sは日常的な使い勝手の良さはそのままに、本格的なスポーツ走行もこなす理想的なスポーツコンパクトといえますが、前述のとおり2020年12月に消滅してしまいました。

 現在、NISMO Sの中古車は物件数も多く高年式かつ低走行の個体は200万円台前半と高めですが、2016年12月のマイナーチェンジ前のモデルならば150万円前後で狙えます。

●ミニ「ミニクーパー」

 2001年にBMWのプレミアムコンパクトカーとして誕生した「ミニ」は、BMC(ブリティッシュ・モーター・コーポレーション)時代のオールドミニをオマージュしたデザインと、FFながらBMWらしいスポーティな走りから、世界中でヒットを記録しました。

 グレードは主にエンジンのチューニングによって分けられ、ベーシックな「ワン」、スポーティな「クーパー」、スーパーチャージャーを装着した最高峰の「クーパーS」をラインナップ。

 そして、2006年には初代のデザインやパッケージングからキープコンセプトとした第2世代のミニが登場(日本での販売は2007年から)します。

 ボディサイズを若干拡大し、ワンとクーパーにはPSAと共同開発した1.6リッター直列4気筒自然吸気エンジン、クーパーSには最高出力175馬力の1.6リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載。

 クーパーに搭載された120馬力(後に122馬力にアップ)の1.6リッター自然吸気エンジンは、絶対的なパワーではクーパーSには及びませんが、アンダーパワーを使い切るような走りはまさにオールドミニを彷彿とさせました。

 足まわりはフロントにストラット、リアがマルチリンクの4輪独立懸架で、ブレーキも4輪ディスクが与えられ、クイックなギアレシオのステアリングなど、コンパクトカーながらBMW流のコーナリング性能を実現。

 その後、2014年に現行モデルの第3世代へとフルモデルチェンジ。全車ターボエンジンとなってしまい、1.6リッター車は第2世代をもって消滅してしまいました。

■実は日本でも正規輸入されていた魅力的なホットハッチとは?

●プロトン「サトリアネオ」

 日本ではあまり馴染みがないメーカーのひとつに、マレーシアのプロトンがあげられます。

 1985年に誕生したプロトンは、当初、三菱と提携してOEM車を含む車両の生産・販売を開始。その後1996年に名門スポーツカーメーカーのロータスを傘下に収め、独自のモデルを展開するようになりました。

 そのなかの1台が2006年に発売されたFF3ドアハッチバックの「サトリアネオ」です。

 初代「サトリア」はもともと三菱4代目「ミラージュ」がベースのモデルで、2代目となるサトリアネオも基本的なレイアウトは同じくミラージュをベースとしながら、シャシやエンジンなど多くの主要部品は自社開発されました。

 そして、サトリアネオには1.3リッターのエントリーグレードのほか、113馬力を発揮する1.6リッター直列4気筒エンジンを搭載したホットモデルが存在。

 足まわりはフロントにストラット、リアにマルチリンクを採用し、1.6リッターモデルはロータスによりチューニングされており優れたハンドリングを実現。それを証明するように、リアには「ハンドリング・バイ・ロータス」のエンブレムが装着されました。

 この1.6リッターのサトリアネオは、日本でも株式会社キャロッセから正規輸入され、比較的安価な価格で販売されました。

 その基本性能の高さからラリーやダートトライアルのベース車という位置付けでしたが、現在は販売を終了。わずかな台数ですが中古車なら入手可能です。

※ ※ ※

 前述のとおりモータースポーツでの使用を前提に普及した1.6リッターエンジンは、現在は世界的にも数が少なくなってしまいました。

 日本では自動車税の関係から1.6リッターという排気量は中途半端なため、ある意味減少は仕方ない面もあります。

 現在の技術で高性能な1.5リッター自然吸気エンジンを開発すれば、かつての1.6リッター車の再来となるかもしれませんが、すでに市場にはそうしたクルマのニーズはほとんどなく、実現は難しいでしょう。

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