現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【最新モデル試乗】話題はLBXだけではない! レクサスのもう1台のジャストサイズSUV、UXのグッと高まった完成度

ここから本文です

【最新モデル試乗】話題はLBXだけではない! レクサスのもう1台のジャストサイズSUV、UXのグッと高まった完成度

掲載 17
【最新モデル試乗】話題はLBXだけではない! レクサスのもう1台のジャストサイズSUV、UXのグッと高まった完成度

隠れた実力車が5年ぶりに大幅改良

 UXは2018年にデビュー。強豪ひしめくCセグメントのプレミアムクロスオーバーSUVとして開発された。登場以降、レクサスの「Always On」の精神で進化・熟成が行われてきたが、5年目にして初の大幅改良を実施。魅力を一段と鮮明にした。

レクサスUXがマイナーチェンジ。UX300hの新設定や走り味の深化、Lexus Safety System+の機能拡充、コクピット空間の進化などを実施

 ポイントはパワートレーンの進化だ。今回ガソリン車が廃止され、HEV(ハイブリッド)とBEVの2本立て、つまり電動車100%になった。ハイブリッドは2リッター直4+THSIIの基本構成はそのままに第5世代に刷新。エンジンの出力アップ(146ps/188Nm→152ps/188Nm)、高出力モーター(109ps/202Nm→113ps/206Nm)の採用、そしてリチウムイオンバッテリー(従来はニッケル水素)搭載が目を引く。制御システムも変更され、システム出力は従来比+15psの199psを発揮。実力アップを受け、車名はUX250hからUX300hに変更された。

 駆動方式はFFとAWD。後輪をモーターで駆動するE-FOURにも大きく手が入った。リアモーター出力を大幅に増強(7ps/55Nm→41ps/84Nm)。従来モデルは発進用アシストに割り切っていたが、新型は全車速でアシストを行うほか、コーナリング時に駆動力制御も行う。

 シャシー回りのリファインも忘れていない。すでに2022年の改良時にサイドドア/バックドア開口部を中心にスポット打点20点が追加されているが、今回は骨格自体の強靭化を実施した。ラジエターサポートへのブレース追加、リアロアバックパネル下端のガセット追加、サスペンション締め付けトルク強化が主要メニュー。これに伴い、サスペンションセッティングの見直しと制御系のアップデート(ライントレース制御/フラットボディ制御)が行われている。トヨタ下山テストコースで試乗してきたので報告しよう。試乗車はFFがLパッケージ、AWDがFスポーツだ。

ぐっと「電動車感」を増した走りが好印象。ハンドリングの進化も明確

 FF/AWD とも、走り始めから力強さを感じた。とくにAWDはぐんとたくましくなった。注目は電動車感。全域でモーターアシストを明確に実感するフィーリングになっている。具体的には、エンジンが苦手な領域をモーターがつねに先回りしてアシストする印象が強い。エンジン回転を上げることなくトルクを活かした加速が味わえる。スムーズで静か、実に気持ちがいい。ガソリン車でたとえるなら排気量がアップしたようなイメージである。

 アクセルをグッと踏み込むとエンジン音はそれなりに聞こえてくる。だが、あまり気にならない。ノイジーに感じなかった要因はダッシュパネルへの制振材追加や高減衰タイプに変更されたルーフライナー吸音材によって、音の伝わり方、聞こえ方が変わったからだろう。

 ハンドリングの進化も明確だった。新型は、走りの考え方はそのままに 「キレ」が増している。精度がより高まった。ステアリングを切り始めてからのクルマの動きのよさは印象的なほど。しかも従来よりも前輪への依存が少ない旋回姿勢なので、安心感が増した。リアの安定感も高い。そのうえでフラットライドを感じるバネ下の追従性を実現したのはさすが。UXのフットワークは、レクサスが目指す「すっきり(雑味を取り除き本質追求)」と「奥深い(人/路面/環境を問わない懐の深さ)」を見事に融合、より濃厚になっている。

 しかもAWDは、これらの印象に加えて後輪の駆動を上手に使いながら旋回、アンダーステア最小限のオンザレールの走りを実現していた。DIRECT4ほどではないものの、ステアリングではなくアクセルで曲がる感覚は、RZに近い。抜群のコントロール性は、新時代のハイブリッドスポーツと呼べる。従来はFスポーツなら軽快な動きのFF推しだったが、新型は断然AWDがお勧めだ。

 ハイブリッドに加えて、BEVのUX300eにも試乗した。2023年3月にバッテリー容量を増加(54.4→72.8kWh)しているが、今回はバッテリー温度のコントロールにより急速充電の受け入れ性能向上(従来比で25%短縮)が図られた(航続距離は512kmと変更なし)。シャシー系の変更はハイブリッドモデルに準ずる。従来モデルの走りは、ハイブリッドに対してよくいえば重厚、悪くいえばちょっぴりダルだった。新型は「クルマが軽くなった?」と錯覚するくらい、軽快さと機敏さをプラス。ハイブリッドと共通の「UXの味」になっている。

 UXは走りに関しては鮮度をグッと引き上げた。とはいえ見た目の変更がわずかな点は残念。最近のレクサスは、走りの進化・熟成には積極的な半面、見た目の部分になると急にトーンが下がってしまう。ユーザーは「走り」だけでクルマを選ぶわけではない。内面の充実にふさわしい「見た目」の演出も大切な気がする。とはいえ、「5年熟成」ならではの味わいをかもし出すUXは魅力的だ。ヤンチャな末っ子のLBXに対して、堅実だけど骨太なUXを好むユーザーは多いだろう。

レクサスUX主要諸元

グレード=UX300h・Fスポーツ(AWD)
価格=THS  550万6000円
全長×全幅×全高=4495×1840×1540mm
ホイールベース=2640mm
トレッド=フロント:1550/リア:1550mm
車重=1600kg
エンジン=1986cc直4DOHC16V(レギュラー仕様)
最高出力=112kW(152ps)/6000rpm
最大トルク=188Nm(19.2kgm)/4400~5200rpm
モーター最高出力=フロント:83(113)/リア:30(41ps)
モーター最大トルク=フロント:206Nm(21.0kgm)/リア:84Nm(8.6kgm)
WLTCモード燃費=23.4km/リッター(燃料タンク容量43リッター)
(WLTC市街地/郊外/高速道路:21.6/25.6/23.0 km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:ダブルウィッシュボーン
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=225/50RF18+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.2m

【キャンペーン】マイカー・車検月の登録でガソリン・軽油7円/L引きクーポンが全員貰える!

こんな記事も読まれています

ランドローバー「レンジローバー」2025年モデル受注開始 ディーゼルモデルが出力アップ!
ランドローバー「レンジローバー」2025年モデル受注開始 ディーゼルモデルが出力アップ!
グーネット
東出昌大、ゆるキャン声優らがステージ出演決定!東京アウトドアショー2024
東出昌大、ゆるキャン声優らがステージ出演決定!東京アウトドアショー2024
グーネット
ランドローバー「ディフェンダーオクタ」7月3日ワールドプレミア!220台を日本導入
ランドローバー「ディフェンダーオクタ」7月3日ワールドプレミア!220台を日本導入
グーネット
新車価格260万円が今……S15シルビアは15万キロ超えでも200万円!! 今後さらに価格上昇か
新車価格260万円が今……S15シルビアは15万キロ超えでも200万円!! 今後さらに価格上昇か
ベストカーWeb
グランドハイエースに初代インサイトも輸出解禁!? もう25年越えってマジかよ?? 陰に隠れて高騰の可能性があるクルマ9選
グランドハイエースに初代インサイトも輸出解禁!? もう25年越えってマジかよ?? 陰に隠れて高騰の可能性があるクルマ9選
ベストカーWeb
「タコ2」三兄弟をおぼえてる? トヨタ「ターセル/コルサ/カローラII」はホットハッチ男子を魅了した国民的人気車でした
「タコ2」三兄弟をおぼえてる? トヨタ「ターセル/コルサ/カローラII」はホットハッチ男子を魅了した国民的人気車でした
Auto Messe Web
SUBARUサンバーを快走仕様!「ワイパーモーター不動からの復活」4
SUBARUサンバーを快走仕様!「ワイパーモーター不動からの復活」4
グーネット
類まれな「威厳と満悦」 ベントレー・コンチネンタルGT Sへ試乗 伝統継承のグランドツアラーを再確認 
類まれな「威厳と満悦」 ベントレー・コンチネンタルGT Sへ試乗 伝統継承のグランドツアラーを再確認 
AUTOCAR JAPAN
「メルセデス・ベンツ」ドイツ国内のディーラー網が大混乱!? リコールへの対応もあり現場は騒然です【みどり独乙通信】
「メルセデス・ベンツ」ドイツ国内のディーラー網が大混乱!? リコールへの対応もあり現場は騒然です【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
SUBARUサンバーを快走仕様!「ワイパーモーター不動からの復活」3
SUBARUサンバーを快走仕様!「ワイパーモーター不動からの復活」3
グーネット
レッドブルF1はノリス&ピアストリへの関心を明かすも、2026年まで契約のあるふたりは「短期的には選択肢にならない」
レッドブルF1はノリス&ピアストリへの関心を明かすも、2026年まで契約のあるふたりは「短期的には選択肢にならない」
AUTOSPORT web
小型2ドア車が復活 新型スマート・フォーツー開発始まる デザイン責任者「ブランドにとって重要」
小型2ドア車が復活 新型スマート・フォーツー開発始まる デザイン責任者「ブランドにとって重要」
AUTOCAR JAPAN
レース観戦初心者でも大丈夫! 今さら人には聞けない「SUPER GT」の観戦術とは? 10倍サーキットを楽しむ方法をお教えします
レース観戦初心者でも大丈夫! 今さら人には聞けない「SUPER GT」の観戦術とは? 10倍サーキットを楽しむ方法をお教えします
Auto Messe Web
【独ニュルへご招待】 アイオニック5Nファーストエディションの購入特典 5Nの導入時期も発表
【独ニュルへご招待】 アイオニック5Nファーストエディションの購入特典 5Nの導入時期も発表
AUTOCAR JAPAN
ランドローバー「ディスカバリースポーツ」2025年モデル発表 エントリーグレードを新導入
ランドローバー「ディスカバリースポーツ」2025年モデル発表 エントリーグレードを新導入
グーネット
大型トラックの確実な休憩で「黄色いペットボトル」問題も解決! 全国11カ所のSAで実施中の「短時間限定駐車マス」とは?
大型トラックの確実な休憩で「黄色いペットボトル」問題も解決! 全国11カ所のSAで実施中の「短時間限定駐車マス」とは?
WEB CARTOP
アルファロメオ ジュリア&ステルヴィオ 82台限定「ヴェローチェ スペリオーレ」発売
アルファロメオ ジュリア&ステルヴィオ 82台限定「ヴェローチェ スペリオーレ」発売
グーネット
ホンダF1、2026年導入の新PU開発は”計画通り”に進行中。まずは重要度高まる電気部分に注力
ホンダF1、2026年導入の新PU開発は”計画通り”に進行中。まずは重要度高まる電気部分に注力
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

17件
  • dko********
    粗さが見えるけどデザインに新しさを感じるLBXか
    熟成されまくったイイ車だけどデザインに古さを感じるUXか
    購入検討している人は迷いそうな気がしますね。
  • mon********
    レクサスは毎年改良が施され好感が持てる。
    この調子で目標とする欧州車の性能に追いついて欲しい。あと10年もすれば欧州車に並べるはず。
    頑張れ、レクサス!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

400.3491.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

227.9559.8万円

中古車を検索
UXの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

400.3491.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

227.9559.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村