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【試乗】スタイリングだけじゃない! 新型ホンダ・ヴェゼルの熟成したHVシステムの走りに納得

掲載 更新 43
【試乗】スタイリングだけじゃない! 新型ホンダ・ヴェゼルの熟成したHVシステムの走りに納得

 クーペ的なスタイリングはカッコいいが少々ルーフが低く……

 フルモデルチェンジを受けた新型ヴェゼルに試乗した。試乗車はホンダが進める電動化モデルの基幹技術となるe:HEV(イーエイチブイと読む)をパワートレインに搭載したFF(前輪駆動)モデルだ。シリーズにはFFガソリンモデルや、ガソリンAWDモデルと駆動メカニズムを共有するe:HEVのAWD仕様も用意されているが、今回は残念ながら試乗機会に恵まれなかった。

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 新型ヴェゼルの外観的な特徴は、完全にリデザインされて生まれ変わったスタイリングにある。流行のSUVクーペスタイルを取り入れ、水平基調のフロントデザインやサイドフォルムからスピード感に溢れる流麗なイメージとなった。

 最低地上高は10mm高められ195mmとなったが、ルーフ高さ(車高)は15mm低い1590mmとなったことでスマートかつスタイリッシュな印象に生まれ変わった。写真で見た当初は「どこかのクルマに似ている」ような印象を持ったが、実車を見ると個性的な外観であることがわかる。

 運転席に着座すると、クラスを超えた格上の質感とデザイン的な幅広さを感じさせられ、ミディアムサイズのSUVに匹敵するようなサイズ感を得られる。装備面も充実され、ホンダ・センシングの最新機能や、進化したホンダ・コネクトも搭載し、ユーティリティを充実させているのだ。

 気になるのはルーフが低くなったことでヘッドクリアランスが予想以上に余裕が無くなっていたこと。身長170cmの筆者にとっても、やや頭上に窮屈な印象を覚えた。従来のヴェゼルはコンパクトなボディサイズでありながら、予測を超える室内スペースやラゲッジスペースなどが美点だったが、新型はややスタイリングコンシャスに振られたかのようだ。

 一方、後席は足もとスペースが広まり、リヤシートバックの角度が27度に設定されるなど格段に居心地が良くなった。従来モデルは2段階のリクライニング機構を後席に備えていたが、新型はリクライニング機構こそ省かれたものの背もたれ角度は従来リクライニング使用時の25度より寝かせられ、27度となっていてゆったりと座れるのだ。

 モーターパワーとCVTの組み合わせが絶妙!

 運転席に戻って走り始めてみよう。e:HEVはエンジンで発電しモーターで駆動するシリーズモード、エンジンだけで走行するモードの2パターンで構成される。発進から巡航まで通常はモーターのみで走行するEVとして走るが、バッテリー容量はさほど大きくないので充電料が不足してくるとエンジンを始動させ、発電用ジュネレーターを回しモーターを駆動させるハイブリッドとなる。

 ここまではエンジンと駆動輪はクラッチで切り離されており、駆動力はすべて電動モーターから供給されるのだ。高速道路の巡航などエンジンで走行したほうが効率がよい場面ではエンジンと駆動輪がクラッチで繋がれ、電動モーターは逆に電気的に切り離される。ただ減速場面になるとエンジンと車輪間のクラッチは切られ、モーターが回生することで減速エネルギーを回生する仕組みだ。

 発進加速を強めにして確かめると、エンジンが高回転に吹き上がり、ある回転域になるとギアシフトアップしたように回転が落ち、また上昇していく変速ステップ比が刻まれているようなエンジン回転状態を示した。100km/hくらいまでは3段階に変速比が変わるようにエンジン回転が上下するが、じつはこれ、変速ステップを擬似的に演出しているものなのだ。

 e:HEVには電気式CVTと呼ばれる変速システムが備わっているが、電気式CVTは一般的なトランスミッションのCVTのようなメカニズムを持っていない。1万3300回転まで回るという強力な駆動モーターの回転数と供給電力により、無段階変速のような駆動力制御を可能としているもので、その制御を称して電気式CVTと呼んでいる。高速巡航でガソリンエンジンがクラッチで駆動輪と繋がったときは電気式CVTは機能せず、リダクションギヤが機械的にエンジンと駆動輪の回転数を決めているにすぎない。

 加速、減速、巡航など走行シーンに応じて、このようにパワートレインのなかで電気的に、あるいは機械的にさまざまな制御が行われていてe:HEVの走りを決定しているというわけだ。その複雑な制御を如何にドライバーに違和感を感じさせずにこなすのか、制御ロジックのキャリブレーションには多くの時間と労力が注ぎ込まれたことだろう。

 ノーマル、スポーツ、ECONと3つあるドライブモードそれぞれを明確にキャラクタライズし、走行シーンに応じて適合性を高めていることからもe:HEVの成熟度の高さを知る事ができた。ただシフトレバーのDからBモードやステアリングパドルによる減速強度選択など、システムを意のままに使いこなすには慣れる時間とシステムの仕組みを理解する必要がありそうだ。

 進化したホンダ・センシングの機能性や実用性を増したホンダ・コネクトなど装備面の充実度はクラスを超えるレベルで成熟され、商品価値を大きく高めている。すでに販売面も好調に推移しているようで、前評判以上に新型ヴェゼルの魅力を実車から見出だすことができたのだった。

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みんなのコメント

43件
  • 2ドアっぽく見せたいんだろうが、もはや今回のスタイリングを見てリアドアの取っ手を見せない手法をとる必然性はないと思うんだが
  • 不正票入りました~
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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