スバルは新型WRXの米国仕様車を2021年9月10日日本時間22時に世界初公開した。米国での発売は2022年初頭からとなる。
今回発表された新型WRXは、2014年にデビューした先代VAG型から約7年ぶりのフルモデルチェンジとなる。
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はたして新型WRXはどんなモデルに仕上がっているのか? 公開された概要を詳細にわたって解説していこう。
さらに日本仕様の新型WRX S4はどうなるのか? いつ発売されるのか? 販売店から得た、いまわかっているすべての情報をお届けしていこう。
文/ベストカーweb編集部
写真/SUBARU
【画像ギャラリー】樹脂製フェンダーやリア回りの過激なデザインに賛否両論!? 新型WRX詳細写真でチェック!
■コンセプトカーVIZIVパフォーマンスコンセプトを思わせるアグレッシブなスタイル
世界初公開となった新型WRX! エアアウトレット付きの樹脂製大型フェンダーに注目。前輪開口部の後端にあるエアアウトレットにより、空気が車輪付近から排出され、前輪タイヤの揚力が減少し、操縦安定性が向上。リアバンパーに追加されたエアアウトレットは、バンパーの後ろに閉じ込められた空気を排出し、車体の揺れを軽減
新型WRX GT。ボディカラーはマジタイトグレーメタリック。マットグレーの18インチアロイホイールを装備
リア回りはアグレッシブ! 大型ディフューザーも迫力満点!
ついにこの時がやってきた。スバリストならずとも日本のスポーツカーファンが待ち望んできた新型WRXが世界初公開となったのだ。
今回発表されたのは米国仕様の新型WRXだが、日本仕様はWRX S4となる(後半ページで詳細情報お伝えします)。
まず見てほしいのはエクステリアデザイン。ヘキサゴングリルとヘッドライトで構成されるフロントマスクこそ、レヴォーグを踏襲しているが、コンセプトカーのVIZIVパフォーマンスコンセプトを思わせる大きく張り出したフロント&リアフェンダーが迫力満点。
さらにそのフロント&リアフェンダーのスポーツサイドガーニッシュやサイドシルスポイラーなどに、整流効果のあるヘキサゴンパターンの空力テクスチャーを採用し、前後フェンダー後部にはコーナリング時や高速走行時の操縦安定性に寄与するエアアウトレットが設けられた点も注目に値する。
そして、新型WRXのデザインで最も斬新といえるのはリア回りだろう。リアスポイラーこそ控えめながら、テールランプはコの字型のこれまでなかった斬新な造形だ。さらに4本出しマフラーの上にはいかにも空力特性のよさそうな大型のディフューザーと、歴代STIモデルのなかでも一番攻めているデザインではないだろうか。
発表された米国仕様WRXのボディサイズ(インチをcm換算)は全長4669mm×全幅1827mm×全高1468mm、ホイールベースは2673mm。
■新型WRXはどれほど進化したのか?
やはりスバル・グローバル・プラットフォーム採用による進化が大きい
全体的にねじり剛性が28%、サスペンションの取り付け剛性が75%向上したという
やはり新型WRX最大のトピックスは、WRXとして初めてスバル・グローバル・プラットフォーム(SGP)を採用し、ボディやシャシーが高剛性化したことで走りと動的質感を進化させたことだろう。
SGPの採用により、シャシーの剛性を高め、重心高を低くすることで、乗り心地とハンドリング性能を大幅に向上。
さらに構造用接着剤を増加したことにより、全体的なねじり剛性が28%、サスペンションの取り付け剛性が75%向上。
またボディに直接取り付けられたリアスタビライザーバー(サブフレームと比較して)により、効率的に動くようになり、コーナリング時のロールが低減したという。
すでにSGPによるボディやシャシーの進化はレヴォーグで実証されているが、新型WRXではステアリング操作への応答性や不快な振動や揺れも低減。
またボディ剛性の高さを生かして路面からの 入力に対する足回りのしなやかな動きを実現するため、サスペンションジオメトリーを最適化 。
先代モデルに対し、サスペンションの実用ストロークを伸ばし、接地性や安定感を向上したという。つまり、走りの性能と乗り心地を両立させたということだ。
さらにモーターアシスト軸とドライバーの操作軸を別とした、デュアルピニオン式の電動パワーステアリングを採用することで、滑らかで応答遅れのないスポーティなステアフィールを実現したという。
■275ps/35.7kgmを発生するFA24型ターボを搭載!
新型WRXには271hp/35.68kgmのFA20型2.4L水平対向4気筒ターボを搭載
発表された米国仕様のエンジンは2.4L、FA24型水平対向4気筒ターボで、271hp(274.8ps)/5600rpm、258Ib-ft(35.68kgm)/2000~5200rpm。ちなみに米国仕様のWRXは日本仕様ではS4となり、当然WRX STIも今後用意されることになる。
今回発表された米国仕様のグレードはGTとリミテッドの2種類だが、リミテッド(オレンジ)には6速MT、GT(ガンメタ)には8速のマニュアルモード、パドルシフトを備えたスバル・パフォーマンス・トランスミッションと呼ばれるCVTが搭載されていた。
このスバル・パフォーマンス・トランスミッションはスポーツ変速制御を備えており、Dレンジでの走行中もドライバーの加減速操作に応じて変速をレスポンスよく行えるようになったという。具体的には、最大30%速いアップシフト(2nd→3rd)と50%速いダウンシフト(3rd→2nd)が実現。
AWDシステムは、6速MT車がビスカスLSD付きセンターデファレンシャル方式AWD、スバル・パフォーマンス・トランスミッション搭載車がVTD(不等&可変トルク配分電子制御式AWD)を採用。
スバル・パフォーマンス・トランスミッション搭載のAWDシステムはAWDならではの安定性とスポーティな回頭性を両立。さらにドライブモードセレクト機能を備えたグレードではLSDトルクを制御することでさらに回頭性を高めるAWDスポーツモードも設定している。
18インチアルミホイール+245/40R18タイヤ(ダンロップSP SPORT MAXX GT)。フェンダーのエアアウトレットが目立つ
また足回りには、ドライブモードセレクト機能を備えたGTグレードにスポーティさと上質さを両立する電子制御ダンパーを採用(日本仕様のSTIスポーツに相当)。路面や車両の状況に合わせてリアルタイムにダンパー減衰力を可変制御し て、揺れの少ないフラットな乗り心地を実現。
気になるアイサイトについては画角を拡大した新世代アイサイト(アイサイトX)スバル・パフォーマンス・トランスミッション搭載車に標準装備。電動ブレーキブースターを組み合わせることで、プリクラッシュブレーキの作動領域をさらに拡大し、交差点での衝突回避をサポート。
6速MTを搭載するリミテッドのコクピット。Dシェイプのステアリングは13.5:1レシオのデュアル
ピニオン式となり、応答遅れのない滑らかなステアフィールを実現。センターコンソールには11.6インチのタッチスクリーン式ディスプレイを備える
6速MTが用意されるが日本仕様はなし
リミテッドのフロントシート。フロント、リアシートともにショルダールームを拡大
ホイールベースが拡大されたぶん、後席空間が広くなった。座面長、レッグルームの拡大によって後席乗員が寛げるような空間を確保
リアシートは6対4の分割可倒式。トランクスペースは先代モデル同様にベビーカーやゴルフバッグが入る容量を確保
GTのコクピット。アイサイトが用意される
GTグレードにはRECARO製スポーツシートを採用。シートバックレスト中央のY字型デザインは、乗員の側面と肩甲骨をしっかりと支え、正しい運転姿勢を維持するというデザインコンセプト。赤いステッチやエンボス加工されたウルトラスウェード製のシートバックを備え、運転席は8ウェイパワーシート
■日本仕様のWRX S4はCVTのみ、日本発表は2021年10月下旬
米国仕様のWRX GT。米国仕様のボディサイズは全長4669mm×全幅1827mm×全高1468mm、ホイールベースは2670mm。日本の販売店から得た日本仕様のS4のサイズは全長4670mm×全幅1805×全高1465mm、ホイールベース2675mm。日本仕様は米国仕様よりも全幅が22mmも狭い
米国仕様のWRXリミテッド。このソーラーオレンジパールが日本仕様S4のイメージカラーとなる
続いて、新型WRXの日本仕様となるWRX S4はどうなるのか? スバルディーラーから入手した、今わかっていることすべてをお伝えしていこう。
まず、日本での発表時期は、2021年10月下旬、2022年初頭からデリバリーが始まる予定。ちなみに印象的なこのボディカラーはソーラーオレンジパールで、新型WRX S4のイメージカラーとなる。
また、ボディカラーは全8色が用意され、BRZで初出のイグニッションレッドも設定される。このほか、スバルお決まりのWRブルーなども設定され、2020年5月に500台限定で即完売した初代「WRX S4 STI Sport ♯」に設定されていたセラミックホワイトが通常のパールホワイト系に代わって設定されているのも特色だ。
日本仕様の新型WRX S4のボディサイズは全長4670×全幅1805×全高1465mm、ホイールベース2675mm。全幅と全高は米国仕様と日本仕様では異なる。米国仕様の全幅は1827mmだから22mmも狭くなっている。
新型WRXのボディサイズは、全長4595×全幅1795×全高1475mmの初代WRX S4に比べ、全長が75mm長く、全幅が10mmワイド、全高が10mm高い。ホイールベースは2650mmから25mm拡大した。車重も初代の1540kgから1600kgに増加している。
パワートレーンは初代のFA20ターボに代わり、米国仕様と同じFA24ターボが搭載される。日本仕様のスペックは最高出力275ps/5600rpm、最大トルク38.2kgm/2000~4000rpmとなる。
一見、初代WRX S4のFA20ターボが発揮する300ps/40.8kgmに比べて見劣りするスペック数値になっているのだが、そこはスバルも既存ユーザーからの突っ込みに対して万全の対策ずみ。
初代のFA20ターボはピークパワーの300psが持続できるのは一瞬であり、トルクフルな特性ながらピーキーな部分もあった。それが新型では排気量アップという恩恵もあり、全速域で新型は先代モデルよりもタイムアップを果たしているのだという。
トランスミッションは残念ながら日本仕様には6速MTは用意されず、改良型となるスポーツリニアトロニックCVT(スバル・パフォーマンス・トランスミッション)が採用される。WLTCモード燃費は11.0km/Lをマーク。
前後のブリスターフェンダーとブラック(樹脂製)のエアベント付きフェンダーが特徴
量産モデルでもVIZIVパフォーマンスコンセプトの特徴的なクラッティングをほぼ忠実に再現し、リアディフューザーが後方に大きく突き出たスタイルは実にインパクトがある。
これは北米ユーザーの要望を色濃く反映しているとのことで、「WRXシリーズの原点とは何か」を突き詰めたうえで、このスタイリングを採用したのだが、その半面、初代WRX S4のスタイルは「おとなしすぎる」との声が北米市場を中心に出ていたそうで、今回の新型WRX S4のアクの強いスタイルを日本のユーザーがどう受け止めるかについては注目したいところだ。
新型WRX S4のグレードは4グレード展開となり、「GT-S」、「GT-S EX」、「STI Sport」「STI Sport EX」。各々にアイサイトXが約35万円でプラスされる。
STI Sportの2グレードにはZF製電子制御ダンパーが採用されるのは現行型レヴォーグ同様だ。レヴォーグの電子制御ダンパー採用車はドライブモードセレクタを標準装備化していたが、新型WRX S4のSTI Sportグレードでは、その味の変化をより走りの方向に振った変更を施しているというのもWRXシリーズらしい。
気になる価格は現時点ではまだ判明していないが、初代モデルの後期型が340万~416万円だったことから、新型は360万~450万円の設定となる模様。期待して待ちたい!!
なお、今回の新型WRX S4発表と同時にレヴォーグにもこの2.4Lターボ車が追加設定される。初代レヴォーグの2Lターボ車オーナーは「待ってました‼」と言わんばかりのハイパフォーマンスモデルワゴンになりそうだ。
ソーラーオレンジパールのボディカラーにブラック(樹脂製)のエアアウトレット付きのフェンダーやディフューザーが映える
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みんなのコメント
テールもBRZだからまだ許されるのかもしれないけど、WRXって感じはしないわ...。
先代はほんとかっこよかったなぁ。これは樹脂パーツみたいなの多すぎて変なSUVみたい。