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日産ジュークのアグレッシブさは見た目だけじゃなかった【10年ひと昔の新車】

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日産ジュークのアグレッシブさは見た目だけじゃなかった【10年ひと昔の新車】

2010年6月、日産から個性派クロスオーバー「ジューク」が登場した。当時、SUVとコンパクトスポーツカーの要素を組み合わせたエキセントリックなルックスが大きな話題を呼んだが、その走りも驚くほどアグレッシブだった。ここではデビュー間もなく行われた国内試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2010年9月号より)

最大のアピールポイントは斬新なスタイリング
ジューク開発の発端は、ティーダ級のコンパクトスポーツカーだったとか。紆余曲折を経て、SUVとのクロスオーバー車として生を受けることになったが、初志はデザインとその走りにしっかりと受け継がれている。

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日産の2010年新車攻勢の第一弾、ジューク。その最大のアピールポイントは斬新なスタイリングだ。2009年のジュネーブショーでプレミアされたコンセプトカー「カザーナ」をそっくり95%縮小コピーしたかのようなアグレッシブなエクステリアは、「縮小した」とはいえ抑揚が強調されたフェンダーのおかげで存在感十分。大型フォグランプ風に見えるヘッドライトからエアインテーク一体のアンダーガードまで、ボディの下半分はSUVテイストが満載だ。

一方、ヘッドライトに見えて実はターン&ポジショニングのコンビランプから、フロントガラス、ルーフ、バックドアにかけての車体上部のスタイルは、リアドアハンドルをピラーにビルトインさせていることもあって2ドアスポーツクーペの趣き。室内に目を移しても、コクピットのタイト感、バイクをイメージしたというセンターコンソールやホールド性の高いフロントシートなどにスポーツのDNAが漲る。

スポーツ志向をより強く訴えてくるハンドリング
走らせてみると、日産の開発陣の意図はさらに鮮明になった。

パワートレーンは、1.5LのHR15DEユニット(114ps)+エクストロニックCVT。もはや最新とは言えないコンビネーションだが、このジュークからの新技術として、エンジンにはデュアルインジェクターを新採用、CVTも副変速機を加えて大幅にアップデートされており、1.5Lのクルマとは思えない上質な発進加速を見せる。

とはいえ、これらはどちらかと言えばパフォーマンスより、燃費向上を狙ったアイテム。スポーツ志向をより強く訴えてくるのは、ハンドリングだ。

ステアリング操作にリニアに反応し、狙ったラインをピタリとトレースする動きは、SUVとのクロスオーバーの域をはるかに超えるもの。高いアイポイントから想像しがちな腰高でもっさりとした挙動は皆無といっていい。試乗車はオプションの215/55R17タイヤを履いていた(標準は205/60R16)が、コンパクトなボディからすれば大径のワイドタイヤからの入力を、サスペンションは軽々といなしていく。

先代マーチ、ノートなどと同じBプラットフォームを使うジュークだが、軽量化とともにトレッドをワイド化。フロントサスペンションには井桁型サブフレームを追加し、リアサスペンションにもひとクラス上のCプラットフォームと同形式のトーションビームを奢っている。ボディと足まわりにコストをかけたことで、驚くほど俊敏なシャシを手に入れたのだ。

本命は秋に追加される新開発の1.6L直噴ターボ!?
ボディの良さがわかると気になってくるのが、パワートレーンとのバランスだ。

ジュークは「ノーマル」「スポーツ」「エコ」の3つのドライブモードを持ち、それぞれでエンジン、CVT、エアコンの制御を変えているが、もっとも気持ちよく走れるはずのスポーツでも、「ここでもうひと伸び欲しい」「パドルでシフトしたい」と感じることがしばしば。だが、残念ながら今回用意された15RXにはオプションでもパドルシフトはもちろん、マニュアルモードシフトはなし。これにはそれなりの理由がある。

6月19日に発売された15RXと15RSは、そのデザインと走りだけでなく、燃費(19km/L)と低価格(1,790,250円と1,690,500円)が大きなセールスポイント。魅力的な価格と燃費を武器にして、エコカー補助金があるうちに前出しして売ろうという戦略グレードなのだ。

秋には、新開発の1.6L直噴ターボを搭載したグレードが追加される予定。こちらには4WD仕様とともに、6速マニュアルモード付CVTの仕様も用意される。クルマ本来のコンセプトからすれば、本命は明らかにこちら。「楽しい走りができる」(日産関係者談)という直噴ターボの気になる出来映えも含め、ジュークへの真の評価(走り好きの人は購入も)は、もう少し待ったほうがよさそうだ。(文:Motor Magazine編集部/写真:玉井 充)

日産ジューク 15RX 主要諸元
●全長×全幅×全高:4135×1765×1565mm 
●ホイールベース:2530mm
●車両重量:1170kg
●エンジン:直4DOHC
●排気量:1498cc
●最高出力:84kW(114ps)/6000rpm
●最大トルク:150Nm(15.3kgm)/4000rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:FF
●車両価格:179万0250円(2010年当時)

[ アルバム : 日産ジューク はオリジナルサイトでご覧ください ]

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