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極上のリヤシート──新型レクサスLM試乗記(後編)

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極上のリヤシート──新型レクサスLM試乗記(後編)

レクサスの新型「LM」のリヤシートは素晴らしかった! 極上の移動空間を小川フミオがリポートする。

自分だけの空間

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ラグジュアリームーバーこそ近年のラグジュアリーマーケットのありかた、と、レクサスが2023年10月に発表した新型LM。ここで乗ったのは、LM500h“EXECUTIVE”なるショーファードリブン仕様だ。このクルマの後席はヤバい!

トヨタ/レクサスは、以前から後席重視のラグジュアリーカーは、“オフィスではなく忙しいビジネスマンが移動中にくつろげる空間であるべき”と、してきた。

LM500h“EXECUTIVE”は、現時点での集大成ともいうべきコンセプトで出来上がっている。なにしろ、運転席と2座の後席はパーティションで仕切られ、後席はまるで移動するプライベートルームだ。

3000mmのロングホイールベースと、1955mmの全高による室内高を活かしたパッケージングで、後席は相当な広さが確保されている。身長175cmの私は、そう脚が短いほうではないのだけれど、延ばしても前席とのパーティションに爪先が届かないぐらい。

パーティションには48インチもの大型ディスプレイがはめこまれていて、移動中のオンライン会議はもとより、テレビやビデオも楽しめる。

なによりも特筆すべきは、ふたつ並んだ後席シートの機能だ。ほぼフルフラット状態(実際は角度が付いているけど)にすることができる。そして移動中はすやすやと休んでいける。

後席用ドアのウインドウと、その後ろのリアクオーターパネルのウインドウには電動シェイドがそなわる。実際はどんなものかな? と、私は思っていたが、ためしに首都高で後席をフルフラットにしてみたら、いきなり眠気が襲ってきたのにはびっくりした。

シートは脚部、座面、背面と3つのパーツに分かれての電動調節式。いちどにフルフラットにするボタンはない。「安全上お勧めしたくはないから」と、レクサスインターナショナルの開発担当者は、かつてプロトタイプに試乗した際に教えてくれたのを、私は思い出した。

後席左右のシートの間には、センターコンソールが設けられていて、そこにスマートフォン型のコントローラーが2基そなわる。シート調節、モニター、温度などを自分好みにここでコントロールする。

幅広のセンターコンソールのおかげで、左右席はけっこう独立感があった。多少親しい関係の相手となら、自分だけフルリクライニングで就寝し、同乗者はモニターを付けて仕事とかビデオとか……と、各人なりの過ごしかたも自然に出来る。

出張先でも仕事のあとホテルに戻ってきたときがホント落ち着く時間、と、思っているひとには、自分だけの空間が移動していくのはかなり快適だろう。

電子制御のAVS(アダプティブバリアブルサスペンション)を装着し、かつ「リアコンフォートモード」など走行モードが設けられているのも、ショファードリブン第一に開発されたこのクルマならでは。ノーマルやスポーツといったドライブモードも設定されているが、たしかにリアコンフォートモードを選ぶと、一段と後席の乗り心地がよくなるようにも感じられた。

基本的には乗り心地はソフトというか、ダンパーの設定が上手で、路面に関係なく大きく車体が揺れるようなことはない。細かい凹凸は広いがちという印象もあったが、フルリクラインして寝てしまうとまったく気にならなかった。

ひとつ気になったのだ、パーティションのガラスを上げてしまうと、前席と後席は完全に隔絶された空間になる点。おたがいの席からの声が届かない。戦前のリムジンには伝声管があったけれど、そういうものがあっても便利かもしれない。

もちろん、愛しいパートナーと一緒のときのことも考えられている。たとえば、ワインクーラー。格納式サイドテーブルも使いやすい。とはいえ、グラスでなくてポリカーボネートのシャンパーニュフルートを使ったほうがいいけれど。

従来のリムジンとも新幹線のグランクラスなどとも大きく一線を画したプライベート性は、このクルマの最大の武器であり、このために乗るべき特徴なのだ、と、改めて認識した。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)

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