軽スポーツカーとして愛されたホンダ「ビート」の実質的な後継車として、2015年4月に登場した、ホンダ「S660(エスロクロクマル)」。残念なことに、2022年4月に販売終了となってしまい、現在は中古車でしか入手できない。
しかし、軽スポーツカーとしての素性が素晴らしく、評判も高かったS660であるだけに、読者諸氏のなかには「いつかは乗ってみたかった…」と、いまも思っている方は多いのではないだろうか。S660の中古車事情をご紹介しながら、S660をお得に購入する方法、そして損をしない手放し方についてもご紹介しよう。
平成の名車「S660」中古戦線は落ち着いてきたか? 買い時到来か? 売り時は…??
文:吉川賢一
写真:HONDA
リセールを踏まえるならば、後期型の「アルファ」を選ぶべし!!
S660は、スポーツカーの醍醐味である「曲がる楽しさ」を最大限に体感できるよう、高い旋回性能にこだわったモデルだ。ミッドシップエンジンリアドライブ(MR)レイアウトを採用しているため、(エンジンが車両後方に配置されていることで)フロントの軽量化とボンネット高を低くでき、スポーツカーらしいノーズの低いプロポーションとなっている。
車両重量は830kg(CVTは850kg)、前軸荷重配分は45%、フロント軸重約373kgと、フロントセクションがありえないほど軽量。後輪タイヤのすぐ手前に来るほど後ろ寄りに配置されたドライバー席も、後輪荷重の増加に寄与している。
足回りは、ADVAN最強のストリート用タイヤ「ADVANネオバAD08R」を前後輪に装着。リアグリップ命のミッドシップ車らしく、リアには幅広タイヤを採用するという抜かりのなさで、さらには、前輪165/55R15、後輪195/45R16と、前後異幅かつ異サイズのタイヤを採用するという、タイヤローテーションよりも走りの気持ちよさを優先した、割り切った姿勢。そのおかげもあり、ハンドル操作に対するフロントノーズの応答性は、軽の領域はおろか、そこらのスポーツカーも真っ青なレベルだ。
主なグレード構成は、ベースのベータと、上級のアルファの2種類。加えて、サーキット走行も視野に入れた660台限定のコンプリートモデル「MUGEN RA」も用意されていた。2018年7月には、専用のカスタマイズパーツを量産過程で装着したコンプリートモデルの「S660 Modulo X」 も登場。専用サスや空力特性を活かしたパーツを装着したスペシャリティカーだ。2020年1月には、ヘッドランプやリアランプ、フロントグリルなどのエクステリアパーツを中心に変更したマイナーチェンジを行っている。
S660を購入するならば、前期型か、後期型か、Modulo Xか、はたまたMUGEN RAか(MUGENは極端に個体が少ない)を選ぶ必要があるが、リセールを踏まえるならば、後期型のアルファを選んでおくのがベターだ(理由は後述)。
Hondaらしい「走る喜び」の実現を目指して開発したという、2シーター・オープンスポーツ「S660」
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現在の相場は、2018年式で税込190~320万円、2020年式で210~350万円
現時点(2023年6月初旬)のS660の中古車相場は、2018年式で税込179~312万円、2019年式は164~285万円、2020年式は190~350万円、2021年式は230~490万円、2022年式は240~500万円、といったところ(検索条件は、「S660、走行距離3万キロ未満」)。5~6年落ちとなる2018年式でもS660の相場は異常に高いことがわかる。なかには500万円近い個体も複数あるが、全てModule Xの最上級グレード「バージョンZ」で、走行距離0~3000kmほどの極上車だ。
S660の流通に詳しい、中古車買い取り専門店によると、S660の中古車相場(業者向けの中古車オークション)は、ほかの多くのモデルと同様に、昨年9月ごろをピークに下落をしており、かつてほど高額ではなくなってきているという。そのため、市場に出回る中古車価格も、じきに落ち着いてくるのではないかとのこと。時間をかけて探せば、程度が良く、価格の安い個体を見つけることはできるようだ。
■ホンダ S660 2018年式 3万キロ未満
■ホンダ S660 2019年式 3万キロ未満
■ホンダ S660 2020年式 3万キロ未満
■ホンダ S660 2021年式 3万キロ未満
■ホンダ S660 2022年式 3万キロ未満
2018年12月に追加されたのがTrad Leather Edition。ライトタン×ブラックのトラッドレザーインテリアや、ブラウンロールトップなどの特別装備が備わった上質仕様もあった
「5年落ちの間に手放す」ことが賢い売り方
S660に限ったことではないが、中古車をリセールに出す際には、売却するタイミングが重要となる。中古車のリセール価格は、海外への輸出事情に大きく左右されるが、海外の国はそれぞれ、輸入に関して規制をかけており、クルマの場合、年式で規制されることが多い。S660の場合は、国内需要に加え、マレーシアや香港、シンガポール、イギリス、オーストラリア等に輸出されているが、もっとも多く輸出されていくマレーシアには、「初度登録から経過月数12か月~59か月まで」という輸入規制がある。
「経過月数59か月まで」ということは、2度目の車検のタイミング(2023年でいえば2018年に初度登録したクルマが車検を迎えるまで)が、マレーシアへ輸出できることなり、輸送期間も考慮して、車検の3~4カ月前には手放すと査定は高くなる可能性が高い。また、グレードは「アルファ」が輸出されすいそう。輸出されやすい仕様のほうが(需要が高いことから)リセールは高くなるため、リセールを考えるならば、グレードは「アルファ」を選び、輸出規制からはみ出ないうちに手放すと、賢く売ることができる。
S660をベースに、専用開発のサスペンションや空力特性を活かしたパーツを追加したコンプリートモデル「S660 Modulo X」
◆ ◆ ◆
ちなみに、ボディカラーは、パールホワイト+ブラック幌が高値を付けているようだ。S660は、ありえないほど軽量だからこそ楽しめるモデルであり、同じような姿かたちのモデルが今後登場したとしても、ハイブリッド化やバッテリーEV化されてしまえば、もうこの走りを味わうことはできず、乗るならいましかない。ぜひ本稿を参考に、お得にS660を楽しんでほしい。
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みんなのコメント
売り時もなにも、このクルマを好きでオーナーになった人は廃車になるまで乗りたいと思っています。