■「卒FIT」で注目されるEV普及の施策とは
2009年に始まった住宅向け太陽光発電の固定買い取り制度(FIT)は、一度認可されると、以後10年間は同じ価格で買い取って貰える制度となります。
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そんななか、制度開始から10年が経過し契約が満了となる2019年現在、FITで電気を売っていた人達に電気自動車が注目されているといいますが、太陽光発電の買い取りと電気自動車ではなにが関係するのでしょうか。
2011年3月の東日本大震災以降、一般住宅の省エネ&防災設備などに注目が高まりました。再生可能な電力を生み出す太陽光発電機器は、基礎的な技術発展や導入住宅に対する補助金制度、発電による余剰電力の売電などの整備によって住宅への設置が急速に進んだのです。
総務省統計局の概算によると太陽光発電設備を有する住宅は、2008年度までの累計が52万戸でしたが、2016年度で累計218万7000万戸に達したといいます。また同時期の一戸建ての住宅総数は3000万戸前後であり、7%強の住宅が太陽光発電設置を導入していることになります。
しかし、最近では国内住宅用の太陽光設備導入の減少が顕著となっています。太陽光発電協会(JPEA)によると日本国内における太陽光発電導入は、2018年に500kW未満の非住宅向け小規模発電用は前年同期比で47%減と半減。国内における太陽電池の需要減少は、FITの価格、いわゆる売電価格が引き下げられたことが大きいといいます。
FITは、当初の価格が42円/1kWで、この高めの買い取り価格のおかげで家庭用太陽光発電は急速に普及しました。しかし、高い買い取り価格は、太陽光発電を導入していない家庭の電気代に転嫁されているため、政府は太陽光発電に対する行きすぎた優遇処置を是正する方針を打ち出し、経済産業省は太陽光で発電した電力の買い取り価格を2019年度までに段階的に引き下げています。
ここで問題となるのが、制度が開始した2009年から10年を経た2019年11月、買い取り期間の契約保証が終了するユーザーです。その数は、2019年度だけで50万件超といわれ、その後も毎年買い取り終了する「卒FIT」住宅が数十万軒単位で発生します。
当然、卒FITを迎えるユーザーは新たな売電先を探しますが、これまで42円/1kWで売電できた価格は、卒FIT住宅の場合8.5円/1kW(東京電力)程度と大幅に下がるのです。
これらを踏まえて、太陽光パネルを含めた発電設備メーカーでは、住宅向け太陽光パネルを電気自動車、HEMS、蓄電池などを組み合わせ、高い付加価値を訴求し始めました。
国内太陽光設備最大手のパナソニックは、「創蓄連携システム」と呼ぶ太陽光発電と蓄電池を組み合わせた設備の訴求に力を入れています。
このシステムのメリットは、太陽光で発電した電気を蓄電池に直流で直接充電することで、交流への変換ロスが少なく電気を有効に使えます。
また、太陽光発電住宅の多くはオール電化住宅で、一般的に夜は電力会社から電気を買っています。FITが有効な10年間は、昼間の余剰電力を売電して夜間の電気代と相殺していましたが、卒FIT後は、それもままなりません。
そこで勧められているのが、昼間充電して夜使う「創蓄連携システム」です。利点はほかにもあり、2019年9月に発生した台風15号による災害によって千葉県全域で大規模停電が発生しましたが、こんなときでも「創蓄連携システム」を備えていれば、電気を使った生活が可能です。
しかし、この蓄電池システムの価格が高いことが普及を妨げており、家庭向け容量の製品でも150万円ほどで、工事費などは別途必要です。
■電気自動車は「移動するだけじゃない!」
蓄電池設備の導入には高い費用が必要ななか、注目されているのは電気自動車(EV)です。プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCV)を含む電動車のバッテリーを「創蓄連携システム」に使うシステムで、「V2H」(Vehicle to HOME)と呼ばれ数年前から各社が訴求をしていました。このV2Hが昨今の自然災害による停電被害軽減の切り札として脚光を浴びてきたのです。
現行型「リーフ」がフル充電されていれば、リーフの電力だけで一般的な一戸建てなら4日程度の生活ができます。加えて、太陽光発電が使用可能な状態であれば、天候次第ではありますが、日中にリーフに充電して活用することで、さらに長期間電力会社に頼らず生活出来ます。
また、日産とフォーアールエナジー(4R)は、リーフとその使用済み中古バッテリーを活用した「定置型蓄電池」を組み合わせた新たなソリューションを確立し、神奈川県内のセブン・イレブン10店舗で「再生エネルギーによる電力調達の実証実験」を開始しています。
具体的には、リーフの中古バッテリーを活用した「定置型蓄電池」をコンビニ10店舗に設置し、発電効率を高めた太陽光パネルも設置して、自家発電による電力を効率的に活用するというもので、2019年11月からは発電分以外の電力の調達を「卒FIT」ユーザーの電力を買い取り調達するとしています。
つまり、クルマとしての利用が終了した後にEV用バッテリーを定置型蓄電池として活用しようというわけです。
日産は4Rなどと共に、EV用バッテリー個々の能力変化に応じて二次利用する手法を事業モデル化し、EVのライフサイクルを通じて有効活用する「カスケードリユース」を目指すとし、このバッテリー再利用の循環型システムは、そのソリューションのひとつと位置付けています。
電気自動車を「移動のための道具」だけに価値を見出すのではなく、クルマに蓄えた電気を住宅で使うという「V2H」というエネルギーの使い方が電動自動車全般の普及を後押しします。
なお、住宅用太陽光発電、V2Hの基準はJET(財団法人電気安全環境研究所)によって定められています。ここで太陽光発電システム保証は、「10年間の機器保証」が義務づけられており、ほとんどのメーカーがオプションとして自然災害に対する保証を用意しています。
※ ※ ※
電気のみで走行する電気自動車も、化石燃料で発電された電力を充電していては排出されるCO2がゼロになったとはいえません。
しかし、太陽光発電で自家発電した電力で走る電気自動車は、CO2の排出量を抑えた移動を実現します。環境負荷低減のためにも、卒FIT後は蓄電池用途も考慮のうえ、電気自動車の導入を検討するのも良いかも知れません。
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