現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > スライドドア付きの「軽自動車」なぜ一番人気? 子育てママの「みんなと同じ」安心感も背景に!? 売れるクルマの“条件”とは

ここから本文です

スライドドア付きの「軽自動車」なぜ一番人気? 子育てママの「みんなと同じ」安心感も背景に!? 売れるクルマの“条件”とは

掲載 21
スライドドア付きの「軽自動車」なぜ一番人気? 子育てママの「みんなと同じ」安心感も背景に!? 売れるクルマの“条件”とは

■スライドドアを備えた背が高い「軽」が売れまくる事情とは

 日本車の売れ方をカテゴリー別に見ると、国内で最も販売台数が多いのは相変わらず「軽自動車」で、新車として売られるクルマの38%前後を占めています。
 
 軽自動車は基本的に日本独自のカテゴリーですから、デザイン、機能、使い勝手は、すべて日本のユーザーに合わせて開発。

【画像】カッコいい! これが一番売れてる「スライドドア軽」です!

 コンパクトカーよりも小さいボディは混雑した街中でも運転しやすく、しかも軽自動車には天井が高くて車内の広い車種が多いため、ファミリーカーとしても使いやすいです。

 そして最近は安全装備や運転支援機能の充実、原材料費の高騰などにより、クルマの価格が高まっています。

 15年前の2009年なら、ミニバンの人気車であるホンダ「ステップワゴン」のベーシックなGが208万8000円で用意されていました。それが今は、ステップワゴンの最も安価なグレードが316万9100円です。

 装備が充実した代わりに100万円以上値上げされ、比率に換算すれば1.5倍に達しました。

 その一方で天井の高い軽自動車であるホンダ「N-BOX」などは、ボディサイズの割に車内が広く、スライドドアも装着しながら売れ筋価格帯は180万円から200万円です。

 平均所得は過去20年ほどの間、ほとんど上がっていないため、15年前のステップワゴンの予算で購入できる背の高いスライドドア装着車は、今はN-BOXなのです。

 このような事情により、2024年度上半期(2024年4月~9月)の国内販売ランキングは、1位がN-BOXで2位はスズキ「スペーシア」となり、いずれも全高が1700mmを超えるスライドドアを装着した背の高い軽自動車、いわゆる「軽スーパーハイトワゴン」でした。

 そして全高が1700mmを下まわる少し背の低い軽自動車(軽ハイトワゴン)は、販売が全般的に低迷しています。

 なぜ今の軽自動車は、N-BOXのような全高が1700mmを超えるスライドドア装着車が人気なのでしょうか。ホンダの販売店に聞いてみました。

「(軽ハイトワゴンの)N-WGNの価格は、同じ位置付けのN-BOXに比べて15万円から20万円は安いです。価格を重視するお客様にはN-WGNをすすめますが、大半のお客様はN-BOXを購入します。

 N-BOXが選ばれている理由はスライドドアです。今の軽自動車は、価格や税金の安さではなく、スライドドアが付いているために選ばれ、N-BOXを購入するお客様が増えました」

 なぜそこまでスライドドアが人気なのでしょうか。メーカーの商品企画担当者は次のように言います。

「今のクルマ選びでは、スライドドアの装着が基本です。

 スライドドアを備えたミニバンは、1990年代の前半に、急速な普及を開始しました。

 そのために40歳以下には、スライドドアと天井の高いボディに親しんだお客様が多く、2列シートの軽自動車やコンパクトカーにも同様の機能を求めます。

 特に子育て世代のお客様には、絶大な人気があります」

 販売店からは観点の違う話も聞かれました。

「今は子供を幼稚園や保育園に送り迎えする時、背の高いスライドドアを備えた軽自動車を使うことが多いです。

 スライドドアは開閉時にドアパネルが外側へ張り出さず、狭い場所での乗り降りに便利ですが、ほかの理由もあります。

 ユーザーのお母さん達によると、ほかのママ友もスライドドアの付いた軽自動車を使っているから、と言います」

 つまり「みんなが使っているN-BOXやスペーシアなどを選んだ方が、何となく安心できる」という事情があるようです。

 日常生活に根ざした軽自動車はこのように選ばれる側面もあり、N-BOXやスペーシアの好調な売れ行きに結び付いています。

※ ※ ※

 このほか販売戦略やローンの金利、残価設計ローンの残価なども影響を与えています。

 例えば残価設定ローンを利用する場合、3年後の残価はN-BOXカスタムが新車価格の55%、N-WGNカスタムLは49%です。

 残価設定ローンでは残価を除いた金額を分割返済するため、残価の高いN-BOXの方が、月々の返済額が抑えられて販売促進の優れた効果を発揮します。

 この背景には、N-BOXがN-WGNよりも中古車として高値で売りやすい事情があります。

 しかも2024年10月中旬時点で、東京地区の販売店では、N-BOXに関して残価設定ローンなどを使うとカーナビを10万円安く装着できるキャンペーンを実施しています。

 N-WGNやN-ONEは対象外なので、売れ行きはますますN-BOXに偏るでしょう。

 ホンダでは「N-WGNの販売テコ入れが今後の課題」としていますが、これらの販売促進を見ると、人気のN-BOXと軽ハイトワゴンのN-WGN・N-ONEとの販売格差は一層広がるのかもしれません。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

なぜ「“背の低い”ミニバン」不人気になった? 「ウィッシュ」「ストリーム」はめちゃ売れたのに… 今では「超苦戦中」! スタイリッシュな「低高ミニバン」消えた理由は
なぜ「“背の低い”ミニバン」不人気になった? 「ウィッシュ」「ストリーム」はめちゃ売れたのに… 今では「超苦戦中」! スタイリッシュな「低高ミニバン」消えた理由は
くるまのニュース
2人乗りのみ! ダイハツに斬新「スライドドア付き軽バン」あった! 新車140万円以下で「リアシート」なし! 超割り切ったシンプルバン「キャディー」とは
2人乗りのみ! ダイハツに斬新「スライドドア付き軽バン」あった! 新車140万円以下で「リアシート」なし! 超割り切ったシンプルバン「キャディー」とは
くるまのニュース
マツダ「3列シートミニバン」復活する!? スライドドアの新型「ビアンテ」「プレマシー」はあり得る? 待たれる「“魂動”ミニバン」登場の可能性とは
マツダ「3列シートミニバン」復活する!? スライドドアの新型「ビアンテ」「プレマシー」はあり得る? 待たれる「“魂動”ミニバン」登場の可能性とは
くるまのニュース
トヨタの「全長5m超え王道セダン」登場で反響は? 大型縦グリル×王冠マーク採用で注目!? 街中でレア仕様目撃談も! 発売1年の「クラウン」とは
トヨタの「全長5m超え王道セダン」登場で反響は? 大型縦グリル×王冠マーク採用で注目!? 街中でレア仕様目撃談も! 発売1年の「クラウン」とは
くるまのニュース
100万円以下で「クラウン」に乗りたい! めちゃ安い“高級セダン”は買っても大丈夫? 古くても「やっぱりクラウン」だけど格安中古はやめたほうがいい?
100万円以下で「クラウン」に乗りたい! めちゃ安い“高級セダン”は買っても大丈夫? 古くても「やっぱりクラウン」だけど格安中古はやめたほうがいい?
くるまのニュース
ファミリーカーが欲しい! 新米パパママのクルマ選びに密着してわかった、トヨタ新型「シエンタ」人気の秘密。
ファミリーカーが欲しい! 新米パパママのクルマ選びに密着してわかった、トヨタ新型「シエンタ」人気の秘密。
くるくら
ダイハツ斬新「“4列9人乗り”ミニバン」に大反響! 全長4m&“対面シート”に「ギチギチやん」「小さな護送車」の声も! “5速MT”で操る「グランマックス」尼国仕様に熱視線!
ダイハツ斬新「“4列9人乗り”ミニバン」に大反響! 全長4m&“対面シート”に「ギチギチやん」「小さな護送車」の声も! “5速MT”で操る「グランマックス」尼国仕様に熱視線!
くるまのニュース
ホンダの「高級ミニバン、復活」に反響多数!? 2年ぶりの登場で話題に! 再投入の理由は? 発売から約1年 「オデッセイ」の現状いかに
ホンダの「高級ミニバン、復活」に反響多数!? 2年ぶりの登場で話題に! 再投入の理由は? 発売から約1年 「オデッセイ」の現状いかに
くるまのニュース
299万円!? トヨタ「ランクル250」が手に届きやすい価格に? 「VX(新車545万円)」を月々抑えて買う方法とは
299万円!? トヨタ「ランクル250」が手に届きやすい価格に? 「VX(新車545万円)」を月々抑えて買う方法とは
くるまのニュース
なぜ「SUV風ハイトワゴン」人気になった? たった“6年”で「超売れ筋」へと変化… 「N-BOX」「タント」までも設定 「アウトドア仕立て」支持される理由とは
なぜ「SUV風ハイトワゴン」人気になった? たった“6年”で「超売れ筋」へと変化… 「N-BOX」「タント」までも設定 「アウトドア仕立て」支持される理由とは
くるまのニュース
新車135万! スズキのコスパ最強「“7人乗り”ミニバン」が凄い! ほぼ「軽自動車」の全長3.7mに“3列シート”搭載! 画期的レイアウト採用した「ランディ」とは!
新車135万! スズキのコスパ最強「“7人乗り”ミニバン」が凄い! ほぼ「軽自動車」の全長3.7mに“3列シート”搭載! 画期的レイアウト採用した「ランディ」とは!
くるまのニュース
ホンダ新型「フリード」の「キャンピングカー仕様」公開! 専用「ベッド」と“断熱”&“電装”を搭載! 斬新「車中泊仕様」ロッキー2「マウンテンビレッジ」お台場で実車を展示
ホンダ新型「フリード」の「キャンピングカー仕様」公開! 専用「ベッド」と“断熱”&“電装”を搭載! 斬新「車中泊仕様」ロッキー2「マウンテンビレッジ」お台場で実車を展示
くるまのニュース
日産のコンパクト「“スライドドア”ワゴン」に反響多数! 「ちょうどイイサイズ」「いや大きすぎる」と反応分かれる「タウンスター“エヴァリア”」! 欧州向けモデル「日本導入」の可能性に賛否両論!?
日産のコンパクト「“スライドドア”ワゴン」に反響多数! 「ちょうどイイサイズ」「いや大きすぎる」と反応分かれる「タウンスター“エヴァリア”」! 欧州向けモデル「日本導入」の可能性に賛否両論!?
くるまのニュース
ホンダ「人気軽バン」発売に反響多数!? 「日本イチ売れているクルマ」に新モデルも登場! N-BOXが人気な理由は?
ホンダ「人気軽バン」発売に反響多数!? 「日本イチ売れているクルマ」に新モデルも登場! N-BOXが人気な理由は?
くるまのニュース
全長3.8mで「160万円台」から! 「ヤリス」より小さなトヨタ「最小・最安級コンパクトカー」とは? “GRモデル”やMT仕様もある「アギア」尼国仕様がスゴイ!
全長3.8mで「160万円台」から! 「ヤリス」より小さなトヨタ「最小・最安級コンパクトカー」とは? “GRモデル”やMT仕様もある「アギア」尼国仕様がスゴイ!
くるまのニュース
ダイハツ新「タント」発売! 改良で何が変わった? 意外な反響アリ! 柱が無い個性ワゴン、145万円から
ダイハツ新「タント」発売! 改良で何が変わった? 意外な反響アリ! 柱が無い個性ワゴン、145万円から
くるまのニュース
トヨタ「“4人乗り”軽トラ!?」登場! 格納「2階建て構造」で”広すぎ空間“実現!? 「対面座席」&テラス席もあるMYSミスティック「ミニポップビー」お台場で実車展示
トヨタ「“4人乗り”軽トラ!?」登場! 格納「2階建て構造」で”広すぎ空間“実現!? 「対面座席」&テラス席もあるMYSミスティック「ミニポップビー」お台場で実車展示
くるまのニュース
新型「“3人乗り”トライク」がスゴイ! パワフルな“250ccエンジン”搭載に反響多数! 約70万円で「めちゃ楽しそう!」と評判集まる「APトライク250」とは
新型「“3人乗り”トライク」がスゴイ! パワフルな“250ccエンジン”搭載に反響多数! 約70万円で「めちゃ楽しそう!」と評判集まる「APトライク250」とは
くるまのニュース

みんなのコメント

21件
  • tma********
    スライドドアは割高だけど、子供がドアパンチをやらかした時の修理費を考えたら安いものだ。
  • z20********
    子育てを経験した方なら誰しもわかると思うが、
    乳児を抱っこしたままドアは開けにくい→スライドドアはボタンひとつで楽ちん
    ベビーカーなど大きめな荷物を入れる時ドアだと全開にしないと乗せにくい→駐車場などではスペースが取りにくい
    子供が一人で乗り降りするようになると隣にドアパンチしそうで怖い→ボタンひとつで開閉なので心配ない
    運転席からボタンで開閉できる
    などなど、スライドドアは実用的過ぎるんだよなぁ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

169.0192.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.0288.4万円

中古車を検索
N-BOXの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

169.0192.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.0288.4万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村