<注目はFFを設定したこと>
スバルの新型クロスオーバーSUV「クロストレック」のプロトタイプに試乗しました。
クロストレックというモデル名は「スバル XV」の海外名です。クロストレックは、グローバルではスバルの稼ぎ頭ともいえる人気モデルで、フルモデルチェンジを機に世界統一ネームにしたというわけです。
>>スバル、クロストレックの国内仕様を発表。全車マイルドハイブリッド化、FFモデルも登場、価格は約266万円から
そんな新生クロストレックのハードウェアを大まかに整理すると、基本的なアーキテクチャーは従来のXVを踏襲しつつ、全体にブラッシュアップをしたものとなっています。
プラットフォームは、ハンドリングのよさで好評の「SGP(スバルグローバルプラットフォーム)」を継続採用しつつ、レヴォーグなどでも実績あるインナーフレーム構造へと進化させています。ハンドリングの肝となる操舵システムを2ピニオン電動パワーステアリングとしているのも、上級モデルに準じた進化です。
パワートレインは、スバルが「e-BOXER」と呼ぶマイルドハイブリッド仕様の2.0L 4気筒水平対向ガソリン直噴エンジンとCVTを組み合わせたもの。そして、注目は定評あるシンメトリカルAWD(四輪駆動)に加えて、FF(前輪駆動)を設定したことです。
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<“スバルのSUVでFF”は走りが気になる>”
水平対向エンジンを積んだスバル車のルーツといえる「スバル1000」はエンジン縦置きのFFレイアウトで、その基本は最新モデルでも変わっていません。ですからFF車というのはスバルにとって正統的ともいえるのですが、スバルのSUVでFFというのは走り味の部分で気になるのではないでしょうか。
XVのグレードと価格
・ツーリング|266万2000円(FF)|16.4km/L
・ツーリング|288万2000円(4WD)|15.8km/L
・リミテッド|306万9000円(FF)|16.4km/L
・リミテッド|328万9000円(4WD)|15.8km/L
冒頭でも記したように、クロストレックのプロトタイプにワインディングを模したクローズドコースで乗ることができました。FFとAWDのそれぞれに試乗した印象をお伝えしようと思います。
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<FFの長所はコスパと軽快感>
結論からいえば、FFは軽快で、AWDはよく曲がるという違いがありました。
クロストレックにFFを用意した理由に「都市型SUVとしてスバル車を検討しているお客様(とくに若い方)からAWDは不要なのでコスパが悪く感じるという声があった」といいます。
悪路走破性や滑りやすい積雪路では、AWDに対して不利なFFですが、一般論として軽く作れ、フリクションも減らせます。つまり燃費や車両価格の面ではアドバンテージがあるといえます。また、それぞれのグレードでFFは22万円ほど手頃で、燃費面でも多少は有利です。
ただし、FFはAWDの廉価版というわけでもありません。都市部での利用を考えると、素早いダッシュ力などは重要ですが、クロストレックのFFとAWDを乗り比べルと、明らかにFFのほうが軽快に感じます。※ちなみに、エンジンの最高出力145ps/最大トルク188Nm、モーターの最高出力13.6ps/65Nmは共通。
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<FFのハンドリングはキビキビしている>
プロトタイプ試乗で確認したところ、上級グレードのリミテッドに採用される18インチ(225/55R18)のタイヤサイズや銘柄は駆動方式にかかわらず共通となっていますが、サスペンションを構成するスプリングやダンパーといったメカニズムはFFとAWDで別の味つけにしているということです。※ツーリングは225/60R17を標準装着。
FFのほうが軽量だからダッシュ力で優位という単純な話だけではない、ハンドリングの味つけとして軽快に仕上がっているといえそうです。キビキビと動かすことができるといえば、その味つけが伝わるでしょうか。
<AWDのメリットはコーナリング性能の高さ>
では、AWDは鈍重なのかといえば、そういうわけではありません。今回のようなワインディング路でAWDのメリットを感じるのは、コーナリング性能の高さです。AWDの駆動配分制御として、アクセルで曲がっていけるように味つけされているようで、旋回の後半ではやめにアクセルを踏んでいったときに自然にコーナーをトレースしてくれる感覚があります。
FFの場合は、はやめにアクセルを入れるとフロントタイヤが限界を迎えてアンダーステアが顔を出してしまいますから、この部分での味つけは大きく異なっていると感じました。その意味では、AWDはよりスバル・テイストを濃くしているといえるかもしれません。
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文:山本 晋也
写真:SUBARU
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