現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ロータスのスポーツカーが生産終了、26年間の歴史に幕……「エリーゼ、エキシージ、エヴォーラの功績を称える」

ここから本文です

ロータスのスポーツカーが生産終了、26年間の歴史に幕……「エリーゼ、エキシージ、エヴォーラの功績を称える」

掲載 更新 19
ロータスのスポーツカーが生産終了、26年間の歴史に幕……「エリーゼ、エキシージ、エヴォーラの功績を称える」

 2021年、イギリスを拠点とするスポーツカーメーカー・ロータスが、エリーゼ、エキシージ、エヴォーラ、3車種の生産終了を発表した。

 最後のガソリンエンジンモデル「エミーラ」と、初のフル電動ハイパーカー「エヴァイヤ」の発売の準備が整ったからだとしているが、生産終了の発表以降3車種の販売台数は急増、過去最高を次々と更新するなど、その人気のほどを見せつけている。

2022年型 F1マシン続々発表! 前半5車の検証から、今シーズンのF1グランプリはますます予想がつかない!

 今回はそんなエリーゼ、エキシージ、エヴォーラ、3車種の歴史を踏まえながら、日本のメーカーとも縁深いロータス26年の歴史を振り返る。

文/石川真禧照、写真/ロータス

■ロータス誕生から現在までを振り返る

 昨年末、英国のスポーツカーメーカー、ロータスが自社製スポーツカー、3車種の生産を打ち切った。

 理由はロータスが2022年以降に発売する新型車の準備が整ったからだが、生産を終了した3車種への人気はまだまだ高く、ロータスが生産中止を発表した2020年から、販売台数は急増。過去最高を次々と更新するほどだった。

 その3車種とは、エリーゼ、エキシージ、エヴォーラ。日本でも人気がある車種たちだ。ちなみに、ロータスにとって日本市場はアメリカに次ぐ、2番目に大きい市場だ。

 ロータスカーズ自体も日本とは関係が深かった。ロータス誕生から最新モデルまでを振り返りながら、改めてその魅力を探ってみた。

■レースで実力を認められ公道を走るスポーツカーを生産

 ロータスは英国の天才技術者であり、商売人でもあったコーリン・チャップマンが1949年に第1号車を作ったことから始まった。

 当時は既存のファミリーカーを改造し、レーシングカーに作りかえ、レースに出場していた。やがてその実力が認められ、ロータスの名が知られることとなった。

 公道を走るスポーツカーを生産しはじめたのは1957年のこと。1955年に正式に英国の自動車製造社として認められ、本格的に市販スポーツカーの販売に乗り出した。

 この時に開発したのが、ロータスセブンとエリートだった。セブンはオープンホイールで、組み立てキットとしても販売された。

 このスポーツカーはロータスが生産を中止したのちも、その生産設備を受け継いだケータハムやドンカーブートなどがレプリカモデルを作り続けている。

 もう一車種のエリートは、FRPでボディ一体構造にしたクーペだった。

 この2車種はスポーツカーファンの間では評判になったが、生産性がよくないことで、商売としては成功しなかった。

■成功、創業者急死による迷走 日本との関係

商売として初めて成功したロータスエランは日本車にも大きな影響を与えた。エランは年間1万2000台売れるほどの人気であったが創業者の死後、迷走して経営母体が次々に変わった

 商売として成功したのは、1962年に発表されたエランだった。2シーター、リトラクタブルヘッドライトのクーペ/コンバーチブルは、のちの日本製スポーツカーにも影響を与えた。

 トヨタ2000GTはエランが開発したX字型のバックボーンフレームシャシーを参考にした。マツダロードスターは、ライトウェイトスポーツコンセプトを採り入れている。

 エランはレースでも活躍し、1973年までに年間に1万2000台以上が販売された。

 しかし、1980年代に創業者のC・チャプマンが急死したことで、ロータスは迷走する。

 この頃に日本との関係が生まれる。チャプマンが死去する10年ほど前に、ロータスはトヨタと資本関係を結んだのだ。セリカXXの開発にはロータスからの技術提供も行われ、CMにはチャプマン自らも出演している。

 トヨタとの関係はこの時から続いている。生産車ではエクラ、エクセルという高級志向のスポーツカー路線に進出した時、そのパワーユニットは、トヨタ製ZGR-FE型のV6、3.5Lエンジンを搭載していた。

 しかし、この高級路線は成功しなかった。ロータスは次々に経営母体が変わった。

■エリーゼの登場

ロータス・エリーゼ。2004年製のモデルからトヨタ製の2ZZ-GE型1.8L、直4エンジンを載せ、生産。コンパクトで乗車はひと苦労、パワステなしとまさに走るためのクルマだった

 そのなかで登場したのがエリーゼだった。1995年にデビューしたエリーゼは初期モデルこそローバー製エンジンを搭載していたが、2004年にトヨタ製の2ZZ-GE型1.8L、直4エンジンに積みかえ、生産を継続してきた。

 2006年からは1.6Lに1ZZ-FE型、2011年からは1ZR-FAE型のいずれも1.6Lが搭載されている。

 エリーゼは全長3.8m、全幅1.72m、ホイールベース2.3mというコンパクトな2ドアオープンのボディで、アルミ合金の部材を接着剤で組み立てたフレームとFRP製の外板で軽量に作られていた。

 実際に試乗してみると、バスタブフレームはサイドシルが高く、幅広いので乗降にはコツが必要だった。室内は6MTのシフトはゲートからムキ出し、クラッチペダルの反発力も強く、低いドライビングポジションのフルバケットシートが標準だった。

 もちろんロック・トゥ・ロック2.7回転のハンドルはノンパワーだ。スパルタンだが、クルマとの一体感はまさにライトウェイトスポーツだった。

 エリーゼは数多くのバリエーションが生産された。1.8Lスーパーチャージャーモデルは最高速242km/h、0 -100km加速4.6秒というスーパーモデルもあった。

■さらに過激なモデル「エキシージ」の登場

2000年に登場したエリーゼのチューニングレースモデル「エキシージ」。2011年に大きな進化を遂げ、トヨタ製V6、3.5Lの2GR-FE型+スーパーチャージャーエンジンを搭載する

 エリーゼの成功で資金的にも余裕ができたことで、エリーゼのチューニングレースモデルとしてエキシージがデビューした。

 2000年の発売当初はレース専用モデルだったが、2004年に1.8Lスーパーチャージャーのトヨタ2ZZ-GEエンジンを搭載し、市販を開始。

 2011年からはトヨタ製V6、3.5Lの2GR-FE型+スーパーチャージャーエンジンのエキシージが誕生。このモデルもフルチェンジなしに2021年まで生産、販売された。

 エリーゼのシャシーをベースにV6エンジンをミドシップにするためにボディは全長250mm、全幅50mm、ホイールベースは70mm拡大された。リアのサブフレームは新設計。

 サイドシルの高いボディは、乗降性はよくなかったが、一度バケットシートに座れば、意外に視界はよく、前方フェンダーが見えるので車幅感覚もつかみやすかった。

 動力性能は、エリーゼよりもさらに凄く、最高速は230km/hをオーバーした。クーペとルーフ部分が脱着できるロードスターが選べたほか、ミッションも6速MTとATが用意されたこともあった。

 エキシージもデビュー以来、2021年までフルチェンジを受けずに生産された。

■2+2シーターの上級モデル エヴォーラ登場

2009年にロータスとしては久々の2+2シーターという上級モデル「エヴォーラ」が登場。エリーゼ/エキシージに比べ、乗降性は格段に向上

 3車種目は2009年に登場したエヴォーラだ。

 ロータスとしては久々の2+2シーターという上級モデルだが、過去のモデルのように、いたずらに大きく、豪華にすることは避け、新設計されたフレームはわずかに大きい程度に収められた。

 ミドシップの2+2ボディは、ホイールベース2575mm、全長は4370~4380mm、全幅1850mm。パワーユニットはV6、3.5L+スーパーチャージャーなので、エキシージと基本スペックは同じ。もちろんエンジンはトヨタ製を用いている。

 車体はアルミ押し出し材を接着剤で組み合わせている。これはエリーゼたちと同じ手法だ。

 パワーユニットはV6、3.5Lスーパーチャージャーだが、チューニングは何種類か用意されていた。パワーもエヴォーラ400は400ps、410Nm、エヴォーラ410は416ps、420Nmなどで、最高速も300km/h(400)、305km/h(410)となっていた。

 ミッションは6速MTとATが最終モデルまでラインナップしていた。ATのシフトはセンターコンソール上にN/R/D/Pが菱型形状にプッシュボタンで配置されていた。

 室内は、セミバケットシートは着座が低かったが、サイドシルが低く、幅が狭くなったので、乗降性はエリーゼ/エキシージにくらべて格段に向上していた。ただし、後方視界はリアウィンドウが小さく、ドアミラーが頼り。

 リアシートはクッションこそ厚めだが、レッグ、ヘッドスペースともに身長140cmが限界。しかもエンジンからの熱がリアウィンドウごしに伝わってきた。のちにリアスペースを取り去り、ラゲッジスペースとした2シーターモデルも販売された。

 エヴォーラも発売から2021年までフルチェンジすることなく生産された。

■エリーゼ・エキシージ・エヴォーラからエミーラ・エヴァイヤへ 新時代に突入するロータス

人気3車種の生産終了をしたロータス。すでに次期型モデル「エミーラ」「エヴァイヤ」が日本での発売を待っている状態だ(写真はエヴァイヤ)

 こうしてロータスの3台のスポーツカーは各車、一度もフルチェンジすることもなく26年間(エリーゼ)、21年間(エキシージ)、12年間(エヴォーラ)で、合計5万1738台が生産された。

 新しいロータスは、すでに発表されているように最後のガソリンエンジン(V6、3.5Lスーパーチャージに加え、AMGから供給される直4、2Lターボ)のミドシップ2シーター、「エミーラ」と、ロータス初のフル電動ハイパーカー「エヴァイヤ」が、日本での発売を待っている状態だ。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

トヨタ「クラウンエステート」登場! “シリーズ第4”のモデルはなぜ「SUV×ワゴン」融合した? 伝統の「エステート」名称“復活”にかけた開発の想いとは【開発者インタビュー】
トヨタ「クラウンエステート」登場! “シリーズ第4”のモデルはなぜ「SUV×ワゴン」融合した? 伝統の「エステート」名称“復活”にかけた開発の想いとは【開発者インタビュー】
くるまのニュース
56年前の「ランボルギーニ」がオークションに登場 名スーパーカー「カウンタック」以前の“4人乗りランボ”とは
56年前の「ランボルギーニ」がオークションに登場 名スーパーカー「カウンタック」以前の“4人乗りランボ”とは
VAGUE
マルティン、MotoGP第3戦アメリカズGPも欠場へ。第4戦カタールでの復帰も不透明「思うように回復できず、本当に苦労している」
マルティン、MotoGP第3戦アメリカズGPも欠場へ。第4戦カタールでの復帰も不透明「思うように回復できず、本当に苦労している」
motorsport.com 日本版
レクサス [LS]2013年モデルが想像以上に良すぎる件!! マイナーチェンジってウソだろ!?
レクサス [LS]2013年モデルが想像以上に良すぎる件!! マイナーチェンジってウソだろ!?
ベストカーWeb
新車購入で後悔したくないなら徹底チェック! 購入前にディーラーの実車で穴が空くほどガン見して確認すべき項目とは
新車購入で後悔したくないなら徹底チェック! 購入前にディーラーの実車で穴が空くほどガン見して確認すべき項目とは
WEB CARTOP
トヨタ新型「クラウンエステート」発表! “ワゴン×SUV”を「よりメッキきらめくスタイル」に! スタイリッシュなモデリスタパーツを設定、KINTOでも取り扱い開始!
トヨタ新型「クラウンエステート」発表! “ワゴン×SUV”を「よりメッキきらめくスタイル」に! スタイリッシュなモデリスタパーツを設定、KINTOでも取り扱い開始!
くるまのニュース
レーシングブルズとエクソンモービルが燃料パートナー契約を締結。レッドブルファミリー全体との提携が強化
レーシングブルズとエクソンモービルが燃料パートナー契約を締結。レッドブルファミリー全体との提携が強化
AUTOSPORT web
動かす前に何をすべき!? 冬の間に乗らなかったバイクのメンテナンス
動かす前に何をすべき!? 冬の間に乗らなかったバイクのメンテナンス
バイクのニュース
ワゴン×SUV!? トヨタ新型「クラウンエステート」18年ぶりに復活! 完成された16代目クラウン独自の「乗り味」とは【試乗記】
ワゴン×SUV!? トヨタ新型「クラウンエステート」18年ぶりに復活! 完成された16代目クラウン独自の「乗り味」とは【試乗記】
くるまのニュース
高速道路に「人が運転していない」トラックが出現…なぜ? 一般車の自動運転と何が違うのか
高速道路に「人が運転していない」トラックが出現…なぜ? 一般車の自動運転と何が違うのか
乗りものニュース
トヨタ新型「クラウンエステート」正式発表! ワゴン×SUVとして18年ぶり復活の理由は? ブランド70周年で4モデル揃う!エステートが担う役割とは 635万円から設定
トヨタ新型「クラウンエステート」正式発表! ワゴン×SUVとして18年ぶり復活の理由は? ブランド70周年で4モデル揃う!エステートが担う役割とは 635万円から設定
くるまのニュース
スバル新「クロストレック」発表! 鮮烈な「オレンジ」ボディ採用した“サンブレイズ仕様”に大注目! 同時に「インプレッサ」と「レヴォーグ」特別仕様車も公開!
スバル新「クロストレック」発表! 鮮烈な「オレンジ」ボディ採用した“サンブレイズ仕様”に大注目! 同時に「インプレッサ」と「レヴォーグ」特別仕様車も公開!
くるまのニュース
「アントネッリ圧倒は必須とは思っていない」先輩ジョージ・ラッセル、”速いヤツは最初から速い”理論を提唱
「アントネッリ圧倒は必須とは思っていない」先輩ジョージ・ラッセル、”速いヤツは最初から速い”理論を提唱
motorsport.com 日本版
ホンダ『ZR-V』のゴツゴツ感を低減、スタビリティも向上させるテインの車高調「フレックスZ」発売
ホンダ『ZR-V』のゴツゴツ感を低減、スタビリティも向上させるテインの車高調「フレックスZ」発売
レスポンス
【タイ】全長4.6m! 三菱「“新”SUVミニバン」発表! 黒すぎ「ダイナミック顔」×画期的MIVECハイブリッド採用! タフ仕様もある7人乗り「エクスパンダーPLAY」特別仕様車登場
【タイ】全長4.6m! 三菱「“新”SUVミニバン」発表! 黒すぎ「ダイナミック顔」×画期的MIVECハイブリッド採用! タフ仕様もある7人乗り「エクスパンダーPLAY」特別仕様車登場
くるまのニュース
[70スープラ]がカッコよすぎてすぐ惚れちまうぜ! バブルを彩った[デートカー]たち
[70スープラ]がカッコよすぎてすぐ惚れちまうぜ! バブルを彩った[デートカー]たち
ベストカーWeb
テスラが嫌いならキャデラックを買えばいいじゃない! 初の電動SUV「リリック」が上陸【新車ニュース】
テスラが嫌いならキャデラックを買えばいいじゃない! 初の電動SUV「リリック」が上陸【新車ニュース】
くるくら
すべてが異次元な雰囲気なのに居心地がいい。 ル・ボラン編集部が選ぶ!「EVアワード」テスラ・モデル3
すべてが異次元な雰囲気なのに居心地がいい。 ル・ボラン編集部が選ぶ!「EVアワード」テスラ・モデル3
LE VOLANT CARSMEET WEB

みんなのコメント

19件
  • 日本でロータス車の名前を広く知らしめたのは、何と言っても「ヨーロッパ」だと思うのだが、何の記載も無い・・・また、007に出た「エスプリ」は子供心に“カッコいい!”と当時は憧れたものだったのを思い出す。
  • こんな間違いだらけの記事は読んだことない。
    ウソばっかりじゃん。
    エクラ、エクセルにトヨタエンジンは積んでないし
    エリーゼの1ZZ-FEは1.8Lだし
    エキシージは2000年からラインナップされてるし、3.5Lにエンジン換装した際にモデルチェンジと言えるくらい変化してるし
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

662 . 0万円 777 . 7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

318 . 0万円 960 . 0万円

中古車を検索
ロータス エリーゼの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

662 . 0万円 777 . 7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

318 . 0万円 960 . 0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村