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旧車愛好家の「聖地」で眠る珍しい廃車 40選(前編) ジャンクヤード探訪記

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旧車愛好家の「聖地」で眠る珍しい廃車 40選(前編) ジャンクヤード探訪記

世界から愛好家が集まる

1956年の創業以来、フレンチレイク・オートパーツ(通称:ジャンクタウンUSA)は、世界中のクラシックカー愛好家にとって巡礼の地となっている。

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ここはミネソタ州ミネアポリスから北西に約100kmの郊外に位置する広大なジャンクヤードで、1920年代から現代に至るまでの膨大な数の車両が保管されている。来訪者は、1台1台が地面にしっかりと置かれ、製造年が明確に表示されたクルマが整然と並ぶこの部品置き場を探索し、入手困難な部品を見つけ出すことができる。

ヤードの紹介

フレンチレイク・オートパーツでは部品の配送も行っているが、実際に足を運ぶ体験に勝るものはない。筆者のように、歴史あるクルマの列を数時間かけて歩き回り、隠れた一品を発掘する旅を計画してほしい。クルマ好きなら誰もが一度は訪れるべき場所である。

スチュードベーカー・ホーク(1960年)

このホークが初めて空を飛んだ1960年には、すでにスチュードベーカーの売り上げは急降下していた。製品ラインナップは縮小され、かつてはゴールドやシルバーのバリエーションモデルがあったにもかかわらず、ホークだけが残された。経営の合理化が図られたが、売り上げは下降を続け、同年に販売されたホークはわずか4280台だった。

残念ながら、この写真のホークは腐食により翼が折れてしまい、最終的にフレンチレイク・オートパーツに不時着せざるを得なかった。

シボレー・モンテカルロ(1970年)

時の流れと部品取りによってみすぼらしい姿となったこのシボレー・モンテカルロは、ヤードの片隅で寂しく朽ち果てている。この個体は1970年に製造されたものだが、これはシボレーの人気2ドア・クーペだったモンテカルロのデビューイヤーであり、初年度に15万9341台が販売された。

しかし、ミシガン州フリントの組み立て工場での労働争議が主な原因となり、販売台数は当初の予測18万5000台を下回った。

キャデラック・エルドラド(1980年)

1952年に発売されたキャデラック・エルドラドは、12世代50年間にわたる驚異的な歴史を誇る。最も販売台数が多かったのは、1979年から1985年まで製造された10代目モデルで、ビュイック・リビエラやオールズモビル・トロネードとプラットフォームを共有している。

このシリーズは非常に人気があった。ここに掲載されている高級クーペは1980年に製造されたもので、同年に販売された5万2685台のうちの1台である。

シボレー・コルベア(1964年)

この1964年型の個体が生産ラインから送り出されたとき、シボレー・コルベアは生産開始から5年目に入っていた。物議を醸したリアサスペンションの改良や、より大型でパワフルなエンジンの追加など、大幅な機械的改良が施されたにもかかわらず、同年の販売台数は7万台以上も減少した。

この人気低下は、1964年4月に発売されたフォード・マスタングがコンパクトカー市場に参入し、販売記録をすべて塗り替えたことと大いに関係があると思われる。

ビュイック・シリーズ20(1927年)

1920年代のビュイック・シリーズ20の部品を求めて、あてもなく電話で解体業者に問い合わせるという絶望的な作業を想像してみてほしい。フレンチレイク・オートパーツでは、1927年モデルと1928年モデルの2種類を用意していることに驚くだろう。

この時代のクルマは1940年代から1950年代にかけてはジャンクヤードでよく見かけたが、今日、木製ホイール(!)を見つけるのは非常に稀である。

デソート・ファイアフライト・スポーツマン(1955年)

こちらは、1955年型のデソート・ファイアフライト・スポーツマンという希少な2ドア・ハードトップのようだ。1955年に発売されたファイアフライトは、デソートの最高級グレードであり、ファイアドームよりも全長、全幅、価格が上回っていた。4.8L V8エンジンを搭載し、最高出力200psを発生する。ファイアフライトは人気を博し、デソートは10年で最高の売り上げを達成した。

グラハム・ペイジ(1938年)

今日、ジャンクヤードでグラハム・ペイジを見つけること自体がすでに稀だが、2台同時に見られるなんてほとんどありえない。カメラに最も近い個体は1938年モデルで、その少し新しいバージョンの隣にある個体と同様、独特の「シャークノーズ」フロントエンドを備えていたはずである。このデザインは高い評価を得たが、売り上げには結びつかなかった。

1940年にグラハム・ペイジの生産は終了し、その後、同社の資産はカイザー・フレイザー社が取得した。

オールズモビル・カトラス(1967年)

米海軍の艦上戦闘機ヴォートF7Uカットラスにちなんで名付けられたオールズモビル・カトラスは、1961年から1999年まで同社の主力車種であった。この1967年型ホリデー・クーペは、2代目モデルの最後を飾るものだ。多少の腐食が見られるものの、頑丈なボディパネルを多数残している。

ジャガーXJ(1984年)

大型ネコ科動物の群れはいかがだろうか。中央に陣取っているのは1984年型ジャガーXJシリーズ3で、その隣は1988年型XJ40だ。前には1983年のXJSと2002年のXタイプが並んでいる。これらはすべて部品取り車だが、フレンチレイク・オートパーツでは本稿執筆時点で、レストア可能なXJSを数台、ウェブサイトに掲載している。いずれもV12エンジン搭載で、価格は1台5500ドルだ。

フォード・ランチェロ(1959年)

「More than a car! More than a truck!(乗用車以上!トラック以上!)」と、1957年のフォード・ランチェロの広告キャンペーンでは宣言されていた。このクーペタイプの多目的車は、実に23年間にわたって生産され、その総生産台数は50万8355台に上る。この使い込まれたカスタム・ランチェロは、1959年に販売された1万4196台のうちの1台である。

リンカーン・セダン(1948年)

1948年型リンカーン・セダンの最高出力125psの4.8リッターエンジンは、アクセルをしっかりと踏み込むと、0-97km/h加速タイム18秒弱を達成でき、最高速度は137km/hに達した。重量4190ポンド(1904kg)のクルマとしては悪くない。もちろん、この個体はドア、アクスル、エンジン、そして内装のほとんどを失っているため、かなり軽くなっている。

マーキュリー・パークレーン(1958年)

1958年型のマーキュリー・パークレーンの巨大なトランクリッドを見てほしい。同ブランドのフラッグシップモデルにふさわしい特徴である。標準モデルよりも7インチ(約18cm)長いトランクを備えているのだ。

1958年に発表されたパークレーンは、1958年から60年、そして1964年から68年の2世代にわたって生産された。この個体は比較的良好な状態にあるが、それは2016年まで現役で走っていたからだろう。

トヨタ・セリカ(1973年)

フォードがファルコンをマスタングに変身させた成功例を見て、トヨタも同じ戦略を適用することを決めた。彼らはカリーナをスポーティーな2ドアボディに作り変え、セリカを誕生させた。こちらは1973年型で、大ヒットを飛ばしたが、同時代のセリカのほとんどと同様に急速に劣化してしまった。

マーキュリー・モントレー(1955年)

1955年型マーキュリー・モントレーワゴンのフロントタイヤを見てほしい。すり減ってトレッドの跡形もない。この美しいクルマを自宅に持ち帰るために2845ドルを支払った購入者はわずか1万1968人だったため、非常に珍しい個体だ。さらに驚くべきことは、この個体には入手困難なスペアパーツがまだたくさん残っていることだ。テールゲートが落ちてしまう前に、誰かが回収してくれることを祈ろう。

ナッシュ・スーパー(1948年)

このナッシュ・スーパーの屋根には、何か巨大なものが落下したに違いない。今屋根の上に載っているバンパーよりもはるかに大きく、重い何かが直撃したのだ。衝撃はあまりにもひどかったため、ドアはきちんと閉まらなくなり、車内は風雨にさらされるようになった。

この個体は、1948年にナッシュが生産した11万台のうちの1台である。同年、ナッシュは米国で11番目に人気のあるブランドとなった。

エドセル・コルセア(1959年)

エドセルは、1959年に米国でわずか4万4891台しか販売されなかった、自動車史上最も悪名高い失敗の1つかもしれないが、ご覧の通り、かなりの台数がフレンチレイク・オートパーツに集まっている。カメラに最も近いのは、1959年型のコルセアの2ドア・ハードトップだ。生産台数は2500台以下であり、こうしたクルマが解体場で見つかることはまずない。

ポンティアック・グランプリ(1978年)

こちらの1978年型ポンティアック・グランプリは、特に希少なわけでもなく、また特に人気があるわけでもないかもしれないが、エンジンがないことを除けば、ほぼ完全な状態である。大幅な小型化が図られた5代目(1978~1987年)の初期モデルだ。デビュー年には22万8444台を売り上げて好調な滑り出しを見せたものの、1987年には販売台数はわずか1万6542台にまで落ち込んだ。

サーブ99(1977年)

サーブ99(1968~1984年)は世界的にそれなりの成功を収め、50万台以上を販売したが、米国市場ではあまりヒットしなかった。米国ではニッチな車種と見なされ、安全性、耐久性、性能を重視する特定の購買層にのみ人気があった。

これは1977年型の個体は、ルーフにダメージがあるものの、驚くほどきれいで、ほとんど錆びていない。しかし、ご覧の通り、すぐに買って乗れるわけではない。

プリムス・フューリー・ステーションワゴン(1965年)

窓に書かれた日付から判断すると、この1965年型プリムス・フューリーIIIステーションワゴンは、筆者が訪れるちょうど1か月前の2023年8月にフレンチレイク・オートパーツに入庫したようだ。部品目当ての収集家たちが、ボンネット、フェンダー、ヘッドライトを外すのに時間はかからなかった。6人乗りと9人乗りのモデルが混在し、販売台数はわずか1万8477台だったため、部品の需要が高いのも頷ける。

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みんなのコメント

2件
  • ***************
    ライト類がいつまで経ってもきれいなのがいいよね
    ガラスだからできる
  • fee********
    北米ミネソタ州は日本と比べ乾燥して冷涼な気候で、しかも内陸で海から離れていることも関係してか、年数経っている割に錆が少ない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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