地上最速記録を打ち立てたゴールデンアロー
イングランドのハンプシャー州ビューリーにある「ナショナル モーター ミュージアム」は、イングランド芸術評議会(Arts Council England:ACE)より7万4527ポンド(約1068万円)の助成金を獲得した。1929年の速度記録車「ゴールデンアロー」号の展示のリニューアルに充てられる。
速度記録車「ゴールデンアロー」がARで蘇る! 英国のミュージアムが挑む2年間の大プロジェクト
「ゴールデンアロー」号は、イギリス人レーサーのヘンリー・シーグレーブが1929年3月にデイトナビーチで地上最速記録を打ち立てた伝説のモデル。その速度は、前年の1928年にアメリカ人のレイ・キーチが「トリプレックス スペシャル」で叩き出した記録を24mphも上回る231.446mph(約372.476km/h)に達していた。
AR(拡張現実)で蘇るレコードブレーカー
現在その個体は、ナショナル モーター ミュージアムに常設展示されている。同ミュージアムは、1920年の「サンビーム 350hp」、1927年の「サンビーム 1000hp」、1960年の「ブルーバード プロテウス CN7」といった速度記録車も所蔵する。
今回のプロジェクトは「The Golden Arrow – Shot from the Past, Aimed at the Future(ゴールデンアロー 過去から矢のように現れ、未来を目指す」と呼ばれ、拡張現実を活用したインタラクティブな展示を目指すもの。ミュージアムの誇る膨大なコレクションを調査して得た情報をデジタルメディア化し、ゴールデンアローの知られざる物語を詳らかにする。2020年1月より着手し、2022年3月の完成を目指す。
学生たちの学びの機会としても
ゴールデンアローを再調査するプロジェクトは、高校や大学のSTEAM教育(Science=科学、Technology=技術、Engineering=工学、Art=芸術、Mathematics=数学)としても活用される。さらにアール・デコ調の美しいデザイン要素に着眼して、ものづくり教室も行う予定という。
ナショナル モーター ミュージアムでコレクションズ&エンゲージメント ディレクターを務めるアンドレア・ビショップは説明する。
「今回のプロジェクトをACEが支援してくれたことを嬉しく思っています。調査は若い世代の方にとっての学びの機会であり、ものづくり教室は大人にとってクリエイティブな体験となります。同時に、朽ちやすい箇所の保護作業も行う予定です。90歳を迎えたこのマシンは、教育の機会をサポートすることで新たな人々とつながるチャンスを得たのです」
ACEの南西地区担当ディレクターであるフィル・ギビーも語る。
「ナショナル モーター ミュージアム トラストをご支援できるのは大変喜ばしいことです。このプロジェクトは、独創的なクルマを集めた素晴らしいコレクションを誇るミュージアムを末長く存続させる力添えとなることでしょう。今回の支援を通して、ゴールデンアローの知られざる物語が紐解かれ、文化的活動がもたらす恩恵を多くの人に共有していただけることを非常に嬉しく思っています」
ナショナル モーター ミュージアムの所蔵車は280台を超える。自動車にまつわる写真や専門書籍、映像、文献など膨大な資料も有し、教育プログラムや地域活動なども積極的に行なっている。
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