2024年4月11日、日産自動車(以下、日産)は、2023年度(2023年4月-2024年3月累計)の国内販売で、「サクラ」の販売が3万4083台となり、2022年度に引き続き2年連続で電気自動車(EV)販売台数No.1を獲得した(2024年4月:日産調べ、以下同じ)と発表した。
日本で売れているEVの5台に2台はサクラ、半分以上が日産車
三菱 eKクロスEVと共同開発されて2022年6月にデビューしたサクラ。2022年度に続き、2年連続で「日本でいちばん売れているEV」の座を獲得した。この、3万4083台という販売台数は、2023年度の国内EV販売台数において、約41%にあたる。つまり、日本で売れているEVの5台に2台はサクラということになる。
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なお、2023年度の国内EV販売台数で第2位はリーフ、第3位はアリア。リーフとアリアで全体の16%にあたり、サクラと合わせた日産のEV3台で57%を占めている。サクラが日本市場におけるEV普及を牽引し、販売台数No.1につながっただけでなく、日産が日本のEV市場をリードしているといっても過言ではないだろう。
ちなみに、サクラでは30%以上のユーザーが装備が充実した最上位グレードの「G」を選んでいる。ボディカラーでは、ホワイトパールが一番人気で、ついでホワイトパール/チタニウムグレーの2トーンが好評だという。
もう少しデータを見ていこう。サクラが登場した2022年度から、軽自動車の販売全需に占めるEV比率は0.6%から1.8%へと、3倍に拡大した。日産ではEV販売構成比は10%になる。この傾向は今も続いている。また2023年度、軽ハイトワゴンは約50万台が販売された。サクラは、そのうち約6.9%にあたる。国内のEV普及には、軽自動車が大きなファクターを占めているのだ。
地域別の販売特性では、軽自動車全需(2WD)とサクラでは販売傾向は変わらず、都市部や地方など偏ったエリアではなく、軽需要のある全地域でサクラは売れていることになる。
サクラは、新しい軽自動車の市場を開拓した
サクラを選んだ理由としては、(1)国や地方からの補助金(現在でも満額の55万円)、(2)自宅で充電できる(ガソリンスタンドに行かずに済む)、(3)燃料費(電気代)が安く済む、(4)静粛性、(5)運転のしやすさ、などが挙げられている。
また、充電環境などの問題もあり、戸建てに住んでいるユーザーは軽自動車の平均より2割ほど高い。それゆえ、年齢層も高めで経済的にも余裕のある人が多いようだ。それでも、男女比率はほぼ半々だという。サクラのデビュー当初は2台持ち(セカンドカーとしてサクラを購入する)人が多かったが、最近ではファーストカーとして購入する人も増えている。「EVのサクラ」ではなく、「軽自動車のサクラ」として購入する人も少なくないようだ。
個人だけでなく法人や自治体での導入も進んでいる。営業車や商品配送をはじめ、JALグループでは5台のサクラを購入し、空港内での荷物輸送の牽引車として380kgのボンベを運ぶなど、さまざまな場で活躍している。
新しい軽自動車の市場を開拓してきた日産 サクラ。今後は他メーカーからも軽自動車のEVが登場予定だが、今のところは商用車が中心で乗用車に関する情報は少ない。となれば、2024年度もサクラが「日本でいちばん売れているEV」の座を堅持していくことになるのだろうか。(文:篠原 政明)
日産 サクラ G 主要諸元
●全長×全幅×全高:3395×1475×1655mm
●ホイールベース:2495mm
●車両重量:1080kg
●モーター:交流同期電動機
●最高出力:47kW/2302-10455rpm
●最大トルク:195Nm/0−2302rpm
●バッテリー総電力量:20kWh
●WLTCモード航続距離:180km
●駆動方式:FWD
●タイヤサイズ:155/65R14
●車両価格(税込):304万0400円
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