■過去に販売されたスーパーステーションワゴンとは
現在はSUVやミニバン人気に押され、ステーションワゴンの販売は低迷していますが、かつては国内メーカーも数多くラインナップしていました。
いま復活すれば人気出る!? カッコ良すぎるステーションワゴン5選
一方、欧州では現在もステーションワゴンの人気が高く、車種も豊富に用意されています。
そこで、過去に販売された国内外のステーションワゴンのなかから、超高性能な特別なモデルを3車種ピックアップして紹介します。
●日産「ステージア260RS」
昔はひとつの車種に複数のボディタイプが設定されているのが一般的で、日産「スカイライン」にもステーションワゴンが設定されていましたが、1989年に登場した8代目で廃止されました。
そこで、日産は新たなステーションワゴン専用車として、1996年に初代「ステージア」を発売。
シャシなどの基本的なコンポーネントは9代目スカイラインと共有し、エンジンも同じく直列6気筒の「RB型」が搭載されました。
ステージアには元々「RS」というスポーティグレードがラインナップされていましたが、1997年、さらに高性能なコンプリートカー「ステージア260RS」が、オーテックジャパンから登場します。
そんなステージア260RSは「R33型 スカイラインGT-R」のエンジン、ドライブトレイン、ブレーキ、サスペンションなどが移植されたモデルで、通称「GT-Rワゴン」とも呼ばれました。
搭載されたエンジンは280馬力を発揮する2.6リッター直列6気筒ツインターボの「RB26DETT型」で、トランスミッションは5速MTのみ。GT-R譲りの4WDシステム「アテーサE-TS」も組み込まれ、車体剛性も向上しています。
なお、ステージア260RSは、期間、台数限定などではなく、2001年まで継続して販売されていましたが、中古車市場では数が少なく、いまでは希少なクルマです。
●BMW「M5ツーリング」
BMWの「Mモデル」はBMW M社によって開発された高性能車で、2003年に発売された5代目「5シリーズ」にも「M5」がラインナップされました。
この第4世代にあたるM5には、日本で導入されなかったステーションワゴンの「M5ツーリング」が存在。
セダンと同等の性能やドライビングプレジャーを誇り、ステーションワゴンならではの利便性を実現した、まさにスーパーワゴンです。
M5には、当時、BMWがF1用エンジンを供給していたことから、そのテクノロジーがフィードバックされた、最高出力507馬力を発揮する5リッターV型10気筒エンジンを搭載。大排気量ながら最高回転数は8000rpmに達します。
なお、常に507馬力を発揮できる状態にあるわけではなく、エンジン始動時は最高出力400馬力に設定された快適性重視の「P400パフォーマンスプログラム」が自動的に作動。507馬力を発揮させるには、ドライバーが「P500プログラム」を作動させる必要がありました。
トランスミッションは7速SMG(AMT)が搭載され、駆動方式は2WDのFRです。
外観は前後ワイドフェンダーとされ、専用の19インチホイールや4本出しマフラーなどにより、高性能モデルにふさわしいオーラを放っています。
4代目M5は約2万台生産されましたが、M5ツーリングはわずか1000台ほどの生産台数で、いまでは大変希少なモデルです。
■ポルシェが仕立てたハイパーワゴンとは!?
●アウディ「RS2アバント」
フォルクスワーゲングループのなかで、プレミアムブランドとして発展したアウディは、1994年にポルシェとコラボレートしてステーションワゴンの「RS2アバント」を発売。
開発の多くをポルシェが担当し、生産もポルシェの工場でおこなわれました。
RSシリーズは現在もアウディのラインナップのなかで、高性能なモデルとして展開されていますが、第1弾がこのRS2アバントです。
ベースになったのは「A4」の前身にあたる「80アバント」で、最高出力315馬力を誇る2.2リッター直列5気筒ターボエンジンを搭載し、トランスミッションは6速MTのみでフルタイム4WDシステムが組み合わされました。
また、0-100km/h加速4.8秒と俊足ながらも扱いやすく、乗り心地はマイルドで高級感もあったようです。
外観は一見すると派手なエアロパーツも無い普通のステーションワゴンですが、当時のポルシェ「911」と同じデザインのドアミラーやホイールと、フロントバンパーにあるターンシグナル、フォグランプも911を模した形状となっています。
さらに「PORSCHE」の文字が刻まれたブレンボ製ブレーキキャリパーを装備するなど、RS2アバントが只者ではないことをアピール。
日本に正規輸入されることはありませんでしたが、わずかな台数が並行輸入で上陸しているので、稀に中古車が販売されることがあります。
※ ※ ※
冒頭にあるとおり欧州ではステーションワゴンの人気が比較的高く、ミドルクラス以上のモデルが多数存在するため、ニーズに合わせた選択が可能です。
さらに、いまも超高性能なモデルが設定されており、たとえばメルセデス・AMGの「C63S ステーションワゴン」には、510馬力を誇る4リッターV型8気筒ツインターボエンジンが搭載されています。
国内メーカーでは飛び抜けて高性能なステーションワゴンは無くなってしまいましたが、欧州車ではいまも健在です。
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