もくじ
どんなクルマ?
ー すべてが一新
どんな感じ?
ー 見事なスタリング
ー 印象的な動力性能
ー SKYACTIV-X
「買い」か?
ー 素晴らしい新型ハッチバック
スペック
ー マツダ3 2.0 SKYACTIV-Gのスペック
英ルノー、トゥインゴの販売を打ち切り 製品構成の簡略化へ 小型車クラス不振
どんなクルマ?
すべてが一新
新型マツダ3の営業担当者に任命されたとしたら、顧客にどんな風にこのクルマを売り込むだろうか? まさに、マツダはその答えをこの4代目となるモデルで示そうとしている。
クラスでは陰に隠れている恥かしがり屋の子供のように、これまで長く日陰の存在だったこのファミリーハッチバックだが、ようやくその殻を破って、マツダの成功に貢献するときが来たようだ。
新型3はますます競争が激しさを増すハッチバック市場へと投入されることになる。フォルクスワーゲン・ゴルフは上級志向を感じさせる万能ハッチバックであり、最近ではその強力なブランド力で販売も好調に推移している一方で、フォード・フォーカスは、どんなドライバーも無視することのできない戦略的な価格で、クラス随一のドライビング性能を誇る。
さらには、かつて323と呼ばれたマツダ3の市場には、アウディやBMW、メルセデス・ベンツからも高いリセールバリューを保ち、そのブランド力でひとびとを魅了する高級ファミリーハッチバックが登場しており、SUV市場のように、彼らの台頭を指をくわえて見ている訳にはいかないはずだ。
では、この新型3では何が変わったというのだろう? 新型モデルの開発主査を務めた別府耕太氏によれば、このクルマの魅力は「自由なスピリット」だと言う。
MX-5や、かつてのRX-7といったモデルを求めるドライバーであれば当然だろうが、ファミリーハッチを選ぶひとびとが、クルマで強く自己を主張しようとしているかどうかについては議論の余地があり、ジュリエッタで同じ問題に直面したアルファ・ロメオにも答えを聞いてみるべきだろう。
オプションで四輪駆動も選択可能な新プラットフォームと、SKYACTIV-Xと名付けられた圧縮着火技術を採用した新ガソリンエンジンに魅力的なデザインを組み合わせたモデルであり、単なるモデルチェンジには留まらない。
どんな感じ?
見事なスタリング
新型3で注目すべきはそのスタイリングだろう。マツダが誇る魂動デザインの進化形であり、低く構えたフロントと優美な面が特徴であり、緩やかに弧を描くルーフラインはそのままリアウインドウへと続いている。
フォルクスワーゲングループのハッチバックが持つ彫刻的なライン構成とは明らかに異なるデザインであり、BMW 1シリーズやメルセデス・ベンツのAクラスと比べてもその違いは際立っている。
さらに、これまで日本車オーナーが悩まされた、退屈なインテリアともまったく無縁のモデルであり、明確な個性を備えたこのクルマでマツダは新たな一歩を踏み出している。そのインテリアの組付け品質は、このクラスのベンチマークとも言えるゴルフと同じレベルに到達している。
ドアまで連続するラインがほっそりとしたダッシュボードをふたつに分けているこのクルマのインテリアデザインは、優美なミニマリズムとでも呼ぶべきものであり、使われているマテリアルも高級さを感じさせるとともに、インフォテインメントやステレオ、エアコンといったものの操作方法もよく考えられている。
ダッシュボード上に運転席側を向いて配置された新しい8.8インチサイズのインフォテインメントディスプレーにタッチ操作機能はないが、マツダの調査によれば、タッチスクリーン操作ではドライバーの運転姿勢が崩れ、ステアリング操作に余計な力が加わることで、進路の乱れに繋がるという。
同じ調査では、スクリーンを遠くに配置することで、焦点が合いやすくなるとの結果が得られたことから、独自の道を行くマツダでは、スクリーン位置を後退させているが、主な操作は直感的に使うことができるロータリー式コントローラーとボイスコントロールが担当する。
インテリアではその質感の高さに加え、ドライビングポジションも素晴らしく、最高の出来栄えを誇るシートに組み合わされるのは、重さが一定のペダルとステアリングだ。ただ、残念ながら後方視界は幅広のCピラーと天地方向に狭いリアウインドウの影響を受けている。
印象的な動力性能
大型ハッチバックではないものの、キャビンスペースはクラストップの広さを誇るが、後席に180cm級の大人が座ると、傾斜したルーフの影響から頭上に余裕はなく、ハイバック式チャイルドシートの場合、その取付けには苦労するだろう。同じく、トランクスペースも若干犠牲となっており、その容量は295ℓとなる。
スタイリッシュなエクステリアデザインと高級感を感じさせるインテリア同様、新型3はまるで大型モデルになったかのような感じを抱かせる。そのカギはより強固になった新プラットフォームであり、ホイールベースが延長されるとともに、フロント/リアのトレッドとも拡大している。
フロントとリアのサスペンションには、それぞれマクファーソンストラットとトーションビームが採用されており、ラック&ピニオン式のステアリングとの見事な調和を見せる。
岩山に囲まれたロスアンゼルスの西に拡がる荒れた路面の試乗ルートで、新型3は印象的な走りを見せてくれたが、郊外を抜け道がコンクリート舗装のハイウェイになっても、抑えたロードノイズとスムースな乗り心地の印象は変わらなかった。
エンジェルス国立森林公園まで足を延ばしてみたが、このクルマの安定性とステアリングのレスポンス、さらにはハンドリングを犠牲にすることなく実現したそのしなやかな乗り心地は、より強い印象を残してくれた。
マツダのエンジニアたちはさまざまなタイヤを試した結果、最終的に衝撃吸収に優れたサイドウォールの軟らかいタイヤを選択し、それから、ドライバーの入力に正確な反応を返すべくサスペンションブッシュのチューニングを行っている。
柔らかなタイヤを選んだことのメリットは大きく、角の取れた乗り心地だけでなく、コーナリングやブレーキング時の優れた路面コンタクトをも実現している。
クラッチとアクセル、さらにギアシフトの動きも見事に調和しており、ステアリングのフィールとブレーキの踏み始めの感触には改善の余地があるものの、そうした指摘は重箱の隅をつつくようなものだろう。
SKYACTIV-X
日本版編集部追記:SKYACTIV-Xの最高出力/最大トルクを最新の発表値に更新いたしました。このクルマをワインディングでハードに走らせてみても、路面不整は滑らかに通過し、フロントとリアのバランスを失うようなこともなく、少なくとも、今回試乗した2.0ℓモデルではパワー不足を感じることはなかった。
英国ではマイルドハイブリッドの2.0ℓ4気筒ガソリンエンジンと、通常の1.8ℓディーゼル、さらには初登場となる期待のSKYACTIV-Xが選択可能となる。このスーパーチャージャーユニットはガソリンを燃料としているが、点火にはスパークプラグと圧縮着火のふたつの方式を組み合わせており、マツダによれば、ガソリンエンジンの魅力と、ディーゼル並みのトルクと燃費性能を併せ持っているとのことだ。
181psと22.6kg-mのパワーとトルクをもつこのエンジンでは、通常運転時には理想的とされる圧縮着火を行い、冷間始動時や高回転での最大出力を求められるようなシチュエーションでは、スパークプラグによる着火へと切り替わる。
いまだ燃費と排ガスの値は公表されていないものの、マツダの主張どおりだとすれば、まさに夢のエンジンとして、素晴らしい燃費性能と低CO2排出量、さらにはドライバーの求めに応じて見事なスポーティさを発揮することができるはずだ。
英国では四輪駆動と組み合わされ、マニュアルとオートマティックギアボックスが選択可能となるが、このエンジンのコストを考えれば、その価格は新型3でもっとも高価なものとなるだろう。
英国でもっとも売れ筋モデルになると予想される2.0ℓガソリンエンジンは、4500rpmまでは回転上昇も滑らかなものの、それ以上ではやや荒々しい様子を見せるが、気筒休止と電気の力を借りることで、15.9km/ℓの燃費と119g/kmのCO2排出量を達成している。
122psのパワーと1350kgのボディの組み合わせから想像するとおり、パフォーマンスに特筆すべきところはないが、それでも、新型3の落ち着きと磨き上げられたフィールには十分満足できるだろう。
「買い」か?
素晴らしい新型ハッチバック
ついにマツダ3はその存在価値を示すことに成功した。
単なる移動のためのクルマではなく、見事なルックスと日本車としては珍しいほどの素晴らしいキャビンを備えたモデルであり、その走りも印象的だ。
マツダディーラーのセールス担当者も、これで少しは仕事が楽になるだろう。
マツダ3 2.0 SKYACTIV-Gのスペック
■予想価格 2万1100ポンド(304万円)
■全長×全幅×全高
■最高速度 未公表
0-100km/h加速 未公表
■燃費 15.9km/ℓ
■CO2排出量 119g/km
■乾燥重量 1350kg (推定)
■パワートレイン 1998cc 4気筒
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 120ps/6000rpm
■最大トルク 21.7kg-m/4000rpm
■ギアボックス 6速マニュアル
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