■MTのワゴンは超希少種となった!?
現在、日本市場で販売されるクルマのなかで、MT車の割合は2%にも満たないといわれています。ATはイージドライブが可能なだけでなく、性能の向上もあり、MT車のラインナップは減少してしまいました。
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また近年、同じく数を減らしているのがステーションワゴンです。1990年代にはスバル「レガシィ ツーリングワゴン」のヒットを皮切りにステーションワゴンはブームとなり、各メーカーから続々と登場しましたが、ブームの終焉とともに減少してしまいました。
そこで、現在日本で販売しているワゴンモデルのなかから、MT車を3車種ピックアップして紹介します。
●ルノー「カングー ゼン 6MT」
ルノー「カングー」は、2002年から日本に導入され、現行モデルは2009年に発売された2代目にあたります。
欧州ではショート、ミドル、ロングの3タイプのボディが設定され、商用バンとワゴンをラインナップしており、日本にはミドルのワゴンが輸入されています。
ボディサイズは全長4280mm×全幅1830mm×全高1810mmと、全幅が大きめですがその分広い室内空間を実現。
また、リアドアは両側スライドドアで後席のアクセスはミニバンと変わりませんが、手動となっています。
搭載されるエンジンは当初1.6リッターの自然吸気でしたが、現行モデルは1.2リッター直列4気筒ターボとなり、出力は115馬力を発揮。トランスミッションは6速MTと6速ATが設定されています。
現在、MTが設定されているグレードは「カングー ゼン 6MT」のみですが、これまでに一旦販売が終了し、後に復活するという珍しいケースでした。
カングーは日本におけるルノー車のなかで一番売れているモデルで、価格(消費税込、以下同様)は254万6000円です。
なお、欧州ではEV仕様も販売されています。
●マツダ「マツダ6」
現在、マツダのラインナップでステーションワゴンは、フラッグシップモデルの「マツダ6」のみに設定されています。
現行モデルのデビューは2012年で、2019年に「アテンザ」から、グローバルで統一するマツダ6に車名が変更されました。
ステーションワゴンのボディサイズは全長4805mm×全幅1840mm×全高1480mmと、フラッグシップにふさわしい堂々としたサイズです
外観は伸びやかなサイズを生かして、流麗で美しいフォルムを実現。塗装についても「匠塗 TAKUMINURI」と呼ばれるマツダ独自の塗装技術により、高い質感が評価されています。
市場規模が小さくなったステーションワゴンでは珍しく、エンジンのバリエーションが豊富なのも特徴で、2リッター自然吸気と2.5リッター自然吸気および2.5リッターターボのガソリンエンジンに、2.2リッターのクリーンディーゼルを加えた全4種から選べます。
そして、ディーゼル車のみですが、6速MTが設定されています。
マツダ6 ステーションワゴンのMT車の価格は356万4000円からです。
■最新モデルのスポーティなMTワゴンとは!?
●トヨタ「カローラツーリング」
2019年9月に発売されたトヨタ「カローラ」とワゴンの「カローラツーリング」は、シリーズとしては7年ぶりに刷新された通算12代目のモデルです。
シャシが一新され、カローラツーリングのボディサイズは全長4495mm×全幅1745mm×全高1460mmと、シリーズ初の3ナンバーサイズになりましたが、外装部品を国内専用とすることで、グローバルモデルに比べ全長は-155mm、全幅は-45mm小型化されています。
パワーユニットは1.2リッター直列4気筒ターボエンジンと、1.8リッター直列4気筒の自然吸気、1.8リッター直列4気筒エンジン+モーターのハイブリッドの3種類を設定。
1.2リッターターボエンジン車は6速MT専用となっており、ATは設定されていません。
また、サスペンションはフロントがマクファーソンストラットでリアがダブルウイッシュボーンと、4輪独立懸架に変更されたことで、乗り心地の向上と高い路面追従性の両立が図られました。
なお、いまも従来型の「カローラフィールダー」もグレードを限定して併売されており、5速MT車も設定されています。
※ ※ ※
現行モデルのMT車はほかにもありますが、高額なクルマほどMT車の減少が顕著です。
これは世界的にも同様な傾向で、高額なクルマでは高性能なDCTや多段ATを採用しているため、開発段階からMTは考慮されていません。
国産車で高額なMT車は日産「フェアレディZ」くらいで、次期型モデルの噂もありますが、今後は電動化も必須になることからMTが設定されるかは微妙な状況です。
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