イタリアを拠点とするプレマは、今年4月上旬にインディカー参戦計画を発表。それ以来、チームの体制には大きな進展があったようだ。
ヨーロッパのジュニアフォーミュラの雄であり、WEC(世界耐久選手権)などにも参戦しているプレマは、インディアナ州に活動拠点を設けて、来シーズンからシボレーエンジンを搭載したマシン2台体制でインディカーに参戦する計画を明らかにした。
■来季インディカー参戦のプレマ、ローガン・サージェントとの交渉を認めるも「ドライバーの話をするにはまだ早すぎる」
創業者アンジェロの息子であるチーム代表のレネ・ロジンはmotorsport.comの独占取材に応じ、巨大な拠点がインディアナポリス・モーター・スピードウェイから20マイルほどの距離のインディアナ州フィッシャーズに置かれることを明らかにした。
「我々は、可能な限り最良の方法で自分自身を構築し、組織化するためのフルプロセスの中にある」
そうロジンは語った。
「フィッシャーズには10万平方フィートの施設がある。現時点では、内部のオフィスやすべてを構築中で、9月以降には完全に稼動できるようになると思う。その準備ができるまでは、ミーティングなどができる仮の場所が使える」
2023年に建設されたこの拠点は、プレマ拡大の機会にもなるだろう。
「現時点では、IMSAプログラムを手がけている姉妹会社のアイアンリンクスがデトロイトに拠点を置いている」
「来年、それらをインディアナポリスに持ち込むことを検討しているが、それについては来月に決定する予定だ」
「こうした運営をすべて行なうことができる施設であり、アメリカでの別プログラムを成長させていく上でも、新しい施設を探したり変更をすることを考えずに、それを可能にするだけのスペースがある」
「これらの施設は、数年間私をカバーしてくれるだろう」
プレマはすでにインディカー部門のCEOに、インディカーでの経験が豊富なピアーズ・フィリップスを起用。その他にもヨーロッパにある拠点から何人かのスタッフを呼び寄せる人事計画があるという。
「すでに数人を起用していて、スタッフの50%はすでに合意している。もちろん、今シーズンが終了すれば、もっと多くの人材が確保できるだろう」
「F2とF3のシーズンが終わったら、プレマから何人かをプレマUSの中に入れたいからだ。そのためにはもう少し時間が必要だが、すでに50%は確保されている」
「車、資材、トレーラーなど、機材に関してはすでにすべてを発注している。そして、すべてが整い始めている。たとえば、ヨーロッパの夏休みが終わった後、つまり9月か10月には、来年に向けた準備とレース参戦のために、ほぼすべてが納品されることになる」
まだ決定していない重要な事柄のひとつが、ドライバーラインアップだ。プレマはこれまでに多くの名ドライバーを世に輩出している。
OBリストには、シャルル・ルクレール、エステバン・オコン、オスカー・ピアストリ、ピエール・ガスリーなど9人の現役F1ドライバーが名を連ねている。
インディカーの経験があるドライバーでは、フェリックス・ローゼンクヴィストやマーカス・アームストロング、2021年以降シリーズに38回参戦し、現在はチームJOTAでWECにフル参戦しているカラム・イロットなどもいる。
ロジンは以前motorsport.comに対し、 ウィリアムズのアメリカ人ドライバーであるローガン・サージェント(2020年F3シーズンにプレマでドライブ)とF1からインディカーへの移籍に関する会話があったことを認めているが、彼の関心は主に機材と人材に注がれているため、ドライバー最終決定にはまだ時間がかかるという。
「マシンとエンジンだけでなく、ピット設備、ピットスタンド、ホイールガンなど、すべてが必要だ」
「今は腰を落ち着けて、残りのメカニックとエンジニアを育てることに集中している」
「ヨーロッパから来る人もいるし、世界のさまざまな地域から来る人もいる。9月、10月にフィッシャーズの施設で一緒に働き始めるのをとても楽しみにしている」
「次のトピックはドライバーだ。我々にはある考えがある。我々が知っているドライバー、アメリカでの経験があるドライバー、アメリカでの経験がないドライバー、ヨーロッパを拠点とするドライバー、アメリカを拠点とするドライバーなど、多くのドライバーからアプローチを受けている。ドライバーのほうはとても前向きに考えているよ」
9月までにドライバーの顔ぶれが決まる予定なのかと尋ねると、ロジンは 「候補者リスト」を作っており、そして今のところ市場は 「かなりいい感じ」だと示唆した
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