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スバル、トヨタ、マツダが熾烈な闘い! いま注目されるミドルサイズ5ドアハッチバックとは

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スバル、トヨタ、マツダが熾烈な闘い! いま注目されるミドルサイズ5ドアハッチバックとは

■メーカーそれぞれが持つ最新技術が搭載された5ドアハッチバック車

 安定的に高い人気を得ているスバル「インプレッサスポーツ」、新型車のマツダ「マツダ3ファストバック」、トヨタ「カローラスポーツ」の3車種は、いずれも走行性能、居住性、安全装備など、さまざまな機能に力を入れて開発されています。そのために運転を楽しみたいクルマ好きからファミリー層まで、さまざまなユーザーのニーズに合っています。売れ行きも堅調に推移しています。

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 ボディサイズは全長が4500mm以下、全幅も1800mm未満に収まるため、3ナンバー車ではありますが、取りまわし性も良好です。高い安全性能、優れた走り、街中における運転のしやすさを両立させました。

 衝突被害軽減ブレーキを作動できる安全装備では、インプレッサスポーツのアイサイトが有名です。スバルは1989年からステレオカメラセンサーの研究を行い、今日の運転支援機能を兼ね備えるアイサイトに進化させました。早い時期から、歩行者、自転車、車両のすべてに対応してきたことも特徴です。

 今ではライバル車の衝突被害軽減ブレーキも進化して、マツダ3ファストバックやカローラスポーツも、歩行者と車両に加えて自転車の検知が可能です。この2車種のセンサーには、単眼カメラとミリ波レーダーを併用しています。

 ただし歩行者に対する安全装備には違いが見られます。インプレッサスポーツでは、歩行者保護エアバッグを全グレードに標準装着しました。歩行者との衝突を検知すると、フロントウインドーとボンネットの境目付近から、フロントピラー(柱)までをカバーするようにエアバッグが展開します。この機能で頭部を中心に歩行者を守るのです。歩行者保護エアバッグは、インプレッサならではの先進装備です。

 今のクルマでは、安全装備と併せて運転支援機能も進化しました。インプレッサスポーツは、新たにアイサイトツーリングアシストを採用しています。従来と同じく車間距離を自動制御しながら先行車に追従走行する機能を備え、路上の白線も認識して、車線の中央を走れるように操舵支援を行います。

 さらに渋滞時など速度が下がって白線の検知が難しくなった時でも、先行車に追従走行することで、操舵の支援を続けられます。アイサイトツーリングアシストは、ドライバーの疲労を軽減させることにより、安全性をさらに向上させる効果もあります。
 
 マツダ3ファストバックは、標準装着あるいはオプションで、クルージング&トラフィックサポートを用意しました。この機能を備えると、高速道路での渋滞でも、先行車に追従して運転支援を続けます。カローラスポーツも、先行車追従機能を備えています。

 ミドルサイズの5ドアハッチバックは、ファミリーカーとして使われることも多いです。そこでインプレッサスポーツは、前後席ともに、居住性に余裕を持たせました。身長170cmの大人4名が乗車した時、インプレッサスポーツの後席に座る乗員の膝先空間は、握りコブシ2つ半に達します。後席の広さは、全長が4800~4900mmのLサイズセダン並みです。

 マツダ3ファストバックとカローラスポーツは、前述の測り方で、後席の膝先空間は両車ともに握りコブシ1つ半です。インプレッサスポーツは後席にも配慮したファミリー指向、ライバル2車は前席を優先させたパーソナル指向といえるでしょう。この居住性の違いは、ミドルサイズハッチバックの選び方にも影響を与えます。

■5ドアハッチバック車の居住性や走り、街中での扱いやすさの違いとは

 次は運転感覚をチェックしましょう。まず確認したいのが、街中における扱いやすさです。全長が4500mm以下に収まるミドルサイズハッチバックは、日常的な買い物などに使われる機会も多いためです。

 インプレッサスポーツは、ボディスタイルが水平基調で、ボディ後端のピラーも細めにデザインされています。そのために前方、側方、後方ともに視界が良好です。最小回転半径は5.3mなので、小回りの利きも優れています。視界が良いと、車内も明るい雰囲気になり、ドライバーや乗員の気分を和やかにして安全運転に繋がります。

 マツダ3ファストバックは、外観からも分かる通り、サイドウインドーの下端を後ろに向けて持ち上げました。リアピラーも太めです。外観に塊感があってカッコイイですが、後席側のサイドウインドーは面積が狭く、斜め後方の視界を妨げています。最小回転半径は5.3mでインプレッサスポーツと同じです。

 カローラスポーツもリアピラーが太く見えますが、マツダ3ファストバックほど極端ではありません。最小回転半径は15/16インチタイヤ装着車は5.1mなので、ライバル2車に比べて小回り性能が優れています。18インチタイヤでも5.3mです。

 運転感覚はどうでしょうか。エンジンの種類と動力性能は、車種によって異なります。インプレッサスポーツは、水平対向4気筒の1.6リッターと2リッターエンジンを用意しました。どちらも実用回転域の駆動力を高めたから扱いやすく、特に2リッターは車両重量とのバランスが良いです。

 マツダ3ファストバックは、ガソリンが直列4気筒1.5リッターと2リッター、2リッタースカイアクティブX、さらに1.8リッタークリーンディーゼルターボの4種類から選べます。1.5リッターエンジンは少しパワー不足ですが、2リッターなら車両重量に見合う性能を発揮します。ディーゼルは実用回転域の駆動力が高く、高回転域の吹き上がりはガソリンよりも鈍いですが、さほど違和感は生じません。燃料代を安く抑えられるメリットもあります。

 スカイアクティブXはスーパーチャージャー(エンジンの力で作動する過給器)の効果もあって動力性能に余裕があり、6000回転付近の吹き上がりも活発ですが、価格も高いです。2リッターガソリンエンジンに比べて約68万円の上乗せになります。

 カローラスポーツは直列4気筒1.2リッターターボと、1.8リッターハイブリッドを用意しました。1.2リッターターボは自然吸気の1.8リッターに相当する性能で、ハイブリッドは加速性能は大人しいですが滑らかに走ります。ハイブリッドGのWLTCモード燃費は30km/Lなので、ターボの16.4km/Lに比べると、数値上はガソリン代を半額近くまで節約できます。

 ミドルサイズハッチバックは走行速度の高い欧州市場などでも売られるため、走行安定性と乗り心地が優れていることも特徴です。

 インプレッサスポーツは、水平対向エンジンの搭載で重心が下がり、全車にAWD(4WD)を用意するから走行安定性も高められます。AWDは雪道に強いメカニズムとされていますが、走りを向上させる場面は他にもたくさんあります。カーブを曲がりながら加速したり、グリップ力が低下する雨天時など、さまざまな走行シーンでAWDは安定性を高めます。

駆動力を4輪で路面に伝えるAWDでは、1輪当たりの負担を軽減できるため、走りに余裕が生まれ、操舵した時の反応は少し穏やかで扱いやすく、リラックスして運転できます。

 また下り坂のカーブで危険回避のためにブレーキを踏んだ時など、後輪がしっかりと安定するので挙動を乱しにくいです。スポーティな雰囲気は強調していませんが、飽きのこない上質な運転感覚に仕上げました。足まわりがしなやかに動くので、走行安定性に加えて乗り心地も優れています。

 マツダ3ファストバックは、過敏ではないですが、小さな舵角から反応する操舵感が特徴です。ドライバーが車両と一体になれる運転感覚を目指しました。走行安定性も優れ、峠道のカーブを曲がる時も車両を内側へ向けやすいです。乗り心地は低速域で硬めに感じますが、タイヤが路上を跳ねる粗さは抑えました。

 カローラスポーツは、穏やかなインプレッサスポーツと、少し走り指向に味付けされたマツダ3ファストバックの中間的な印象です。乗り心地は少し硬いですがクセはなく、5ドアハッチバックでもカローラの持ち味を受け継いでいます。

 以上のようにミドルサイズハッチバックは、ボディサイズが似ていても、各車ともに独自の個性を備えています。マツダ3ファストバックは、外観のデザインがスポーティで走りにも一体感があり、クルマ好きのユーザーにピッタリでしょう。

 カローラスポーツは、文字通りスポーティ感覚を演出しながら、1.2リッターターボとハイブリッドは実用指向です。誰にでも使いやすいクルマに造り込みました。

 インプレッサスポーツは、リラックスできる明るい雰囲気が特徴です。後席はLサイズセダン並みに広いので、ファミリーカーにも適しています。歩行者保護エアバッグも全車に標準装着され、クルマを取り巻く人達にも優しく配慮しています。

 乗り心地も快適で、オールマイティなクルマに仕上げました。販売店の試乗車などを乗り比べて、ご自分の好みや使い方にピッタリな5ドアハッチバックを選ばれると良いでしょう。

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