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走りのSUV復活か? スカイライン後継にかつての「スカイラインクロスオーバー」が再登場!?

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走りのSUV復活か? スカイライン後継にかつての「スカイラインクロスオーバー」が再登場!?

 かつて日産はカッコいいSUVのフルラインメーカーだった。ところが最近の日産は世界的なSUV全盛のなか、ちょっと元気がない印象だ。そんななか得意の電動化技術「e-POWER」をひっさげSUV市場での巻き返しを図ろうとしているとの情報がある。そのひとつが「スカイラインクロスオーバー」だという。かつての同モデルにふれつつ、本当に復活があり得るのか検証してみたい。

文/遠藤 徹、写真/日産自動車、インフィニティ、ベストカー編集部

走りのSUV復活か? スカイライン後継にかつての「スカイラインクロスオーバー」が再登場!?

■かつての日産はフルラインSUVメーカーだったが……

「スカイラインクロスオーバー」。北米では「インフィニティEX」として販売。日本でほどよいサイズ感で売れるはずだったが、V6の3.7Lをメインとした高級化の販売戦略が仇となり売れなかった

 日産はこのほどスカイライン、フーガ、シーマの各ハイブリッドカーの生産中止を明らかにした。スカイラインターボは当面継続するが、フーガとシーマは全車モデル廃止となる。

 販売店筋によると、「スカイラインもいずれは生産中止し、日産は国内のセダン市場から全面撤退するようだ。」といった見方が強まっている。国内のセダンマーケットが極端に縮小し、販売を継続することが難しくなっているためである。

 ただ、「名車スカイラインのブランドは継続すべきだ」という販売店や既納日産ユーザーの声は根強い。そこで囁かれているのが「スカイラインクロスオーバー」の再登場である。

 日産はかつて上級クロスオーバーSUVとして「スカイラインクロスオーバー」や「ムラーノ」を生産販売していた。10余年ほど前の当時、SUV市場はそれほど拡大していなかったが、当時のカルロス・ゴーン社長は「これからはSUVの時代だ。」と断言してSUVラインナップの強化を主導した。

 この結果、ジューク、デュアリス、エクストレイル、ムラーノ、そしてスカイラインクロスオーバーまでのコンパクト、ミディアム、アッパーミディアム、ラグジュアリーまでのフルラインナップを完成させ、国内では一時クロスオーバーSUV市場のトップメーカーにのぼり詰めたものだった。

■初代が売れても2代目は改良レベル、売れなければ即廃止の悪循環でSUV王国はあっけなく崩壊

 ところが、これらのSUVラインナップはその後トーンダウンし、売れゆき不振に見舞われ、相次いで生産中止に追い込まれてしまった。現在継続しているのはエクストレイルとジュークの後継モデルであるキックスの2車種にとどまっている。

 最近はグローバル規模でSUV時代が到来しており、トヨタをはじめ各社は相次いで幅広いクラスの新型車を投入し、同マーケットは隆盛の時代を迎えようとしている。特に最近になってSUVのラインナップを強化しているのはトヨタのほかマツダ、ホンダ、スバル、三菱、ダイハツ、スズキの各社で、国産乗用車メーカーのほとんどが戦略ニューモデルを投入しつつある。

 特に今後力を入れることが予想されるのはアッパーミディアムやラグジュアリークラスである。マツダはラグジュアリークラスでCX-60やCX-80を今年末から2023年に投入、ホンダも今秋にはアッパーミディアムの新型クロスオーバーSUVを発売する。

 日産もこうした流れのなかでアッパーミディアムクラスの「新型スカイラインクロスオーバー」の開発を進めるべく商品企画を立案しつつあることが濃厚となっている。従来のような3.7LのV6モデルではなく、新開発のe-POWERユニットを搭載する可能性が強い。

■SUV+e-POWERが日産のキラーコンテンツとなるのか?

間もなく日本でも発売される新型「エクストレイル」は(写真はすでに発売されている北米「ローグ」)日産得意のe-POWER搭載車となる。しかも新開発の可変圧縮比エンジンを搭載する予定!

 日産は2030年のカーボンニュートラル戦略として、e-POWERとEVを主軸にする戦略を固めているからである。e-POWERはこれまで1.2Lエンジンを発電で使い、これをバッテリーに供給しモーターを回して駆動する方式で対応している。

 次世代モデル向けパワーユニットはエンジンの排気量を拡大し、発電量をスケールアップさせてバッテリーやモーターの容量アップで出力やトルクを向上させる手法を取り入れることで、車重のかさむ上級&スポーツバージョンに搭載するために開発を急いでいる。

 当面はこの6月にも発表、発売する次期型エクストレイルでは新開発の1.6Lのe-POWERユニットを搭載する見込みである。同ユニットは来年初めに一新する次期型セレナにも移植するはず。

 スカイラインクロスオーバーや次期型スカイラインシリーズはどうするか。一段と走りのポテンシャルアップを図る必要があるから、1.8Lないしは2Lに格上げし、アッパーミディアムやラグジュアリー用とする可能性が強い。

 スカイラインはエンジン縦置きのFRベースであり、クロスオーバーもこれに沿った駆動系、足回りを活用し、スポーツ色の強いクロスオーバーSUV仕立てとする可能性がある。FFベースではスカイラインクロスオーバーとほぼ同じ時期に日本でモデルを廃止した「ムラーノ」が存在するが、こちらは室内が広くSUVではより使い勝手のよいコンセプトを採用していた。

 が、今後はこちらの復活も期待できるかもしれない。スカイラインクロスオーバーと同じパワーユニットを移植するが、多少クラスが下のアッパーミディアムのポジションになるだろう。

■本家スカイラインも迷走の果てに存続すら危ぶまれているが……

 現行のスカイラインセダンはどうなっているか。4月下旬現在は全車オーダーストップになり、ディーラー在庫のみの販売となっている。8月にも騒音、排ガス規制強化の法規対応に伴う一部改良を実施するためである。モデルそのものは当面、継続されるがいずれモデル廃止になることが予想される。

 次のステップの有力候補がスカイラインクロスオーバーモデルの再登場であるが、モデル廃止時と同じようなコンセプトで企画開発されるとはかぎらない。売れゆき不振で生産中止に追い込まれたのはSUVマーケットが熟成されていなかっただけではない。

 モデルの仕立て方や価格設定などに要因があったと指摘する向きが強い。仕立て方は当時のセダンのボディパネルの一部や基本コンポーネントを使い、コストアップを抑えるような設計だったので代わり映えがしなかった。

 ひとクラス下のムラーノよりもひと回りサイズが小さかったのに、車両本体価格が40万円も高い設定だった。これではいくら「スカイライン」のブランドパワーが強くても売りさばくのは難しかった、と指摘する日産系販売会社の声は多い。

■「技術の日産」反撃の狼煙の象徴に電動SUVスカイラインクロスオーバー復活は必須!!

実はSUVや電動化で世界に先駆けたモデルを投入してきた日産。ゴタゴタの停滞期を乗り越え、新世代モデルを投入しつつある。スカイラインも乗り損ねた波に再び乗ることができるのか?

 そこで次期型では得意の新開発したe-POWERを搭載するのをはじめ最新の安全対策、改良型プロパイロットの装備、サイズアップしたボディサイズ、走りのポテンシャルアップ、リーズナブルな価格設定などで万全を期して再登場するに違いない。

 次の証言は首都圏日産プリンス店営業担当者によるものだ。

「スカイラインクロスオーバーが今の時期に再登場すれば売れるようになる可能性が強い。クロスオーバーSUVのマーケットが急速に高まっているからだ。ただ、前モデルのように小ぶりのサイズで高い価格設定では、また失敗する可能性がある。車格に応じたサイズとクォリティアップを図り、上級用にアレンジしたe-POWERユニットやPHEVを搭載すれば、大幅な販売増が見込めるに違いない。対抗モデルはトヨタのハリアーであり、同マーケットはまだまだ拡大の余地が残されているはずである」

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