日本カー・オブ・ザ・イヤーの2023-2024 インポート・カー・オブ・ザ・イヤーや、2024年次 RJC インポート・カーオブザイヤーなど、2023年に多くの賞を受賞したBMW X1。その人気の秘密を販売データなどから探ってみたい。
3つのパワートレーンにMパフォーマンスモデルも追加
BMWのSAV(スポーツ アクティビティ ビークル:BMWではSUVをこう呼ぶ)のシリーズ中、最も小さなモデルがX1だ。初代は2009年に登場(日本仕様は2010年発売)し、現行型は2022年に登場(日本仕様は2023年発売)した3代目にあたる。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
現行型の日本仕様は、2023年2月にまず2Lガソリンターボの「X1 xドライブ20i」とX1初のBEV(電気自動車)の「iX1 xドライブ30」からデビュー。同年5月には2Lディーゼルターボの「X1 xドライブ20d」が追加設定され、さらに9月にはMパフォーマンスモデルの「X1 M35i xドライブ」も加わった。M35i以外は「Xライン」と「Mスポーツ」という2種のトリムレベルが設定され(しかも車両価格は同じ)、パワートレーンもガソリン/ディーゼル/モーターが選べるようになった。
個人的には、M35i以外すべてのパワートレーンに短時間だが試乗している。SAVであっても、それぞれにBMWならではの「駆け抜ける歓び」を感じさせてくれることも確認している。そこで今回は若干の長距離走行を伴う取材用機材車として、ディーゼルの「X1 xドライブ20d Mスポーツ」にあらためて試乗してみた。
ディーゼルとはいえ、その独特の音は控えめで、市街地でも高速道路でもディーゼル車に乗っているのを忘れさせるほど気にならない。それでも低速域からトルクフルでレスポンスも悪くないのは、ディーゼルならでは。ガソリン車ほどの軽快感や、BEVのようなパワー感や静粛性ではかなわない点もあるが、走りっぷりにはまったく不満はない。
X1シリーズ初の48Vマイルドハイブリッドシステムも組み合わされ(これはガソリンターボも同様)、燃費もいい。今回、約500kmを走行し、平均燃費計は20.2km/Lを記録した。8割くらいが高速道路だったとはいえ、WLTCモードの19.5km/Lを上回る数値を達成したのだから、長距離ツーリングをする機会の多い人なら、やはりディーゼルを選びたいところだ。
BMW車では3シリーズと2シリーズに次ぐ人気
さて、新型X1が登場してから1年あまりが過ぎた。JAIA(日本輸入自動車組合)調べによると、2023年のX1の販売台数(従来型も含む)は、4092台。これは、輸入車の車種別ランキングでは15位となる。ちなみに、BMW車としては3シリーズ(6位:6046台)、2シリーズ(12位:5017台)に次いで売れているモデルとなる。また、ジャーマン プレミアム3のコンパクトSUVでは、メルセデス・ベンツ GLA(17位:4070台)やアウディ Q3(19位:3843台)より上回っている。
とはいえ、いずれも数値的に拮抗しており、このプレミアム コンパクトSUVは日本市場で人気カテゴリーのひとつであることは間違いない。
2024年3月現在、オーダーしてから納車までの期間は、ボディカラーや装備などの希望が日本で在庫しているモデルとマッチすれば、数週間で手に入れることも可能だという。在庫がない場合は、半年近く待たなければならないようだが、これはどこの輸入車でも大きく変わらないだろう。
人気のグレードやパワートレーンに関しては、BMWジャパンでは詳細なデータは公表してはいないが(以下、同じ)、ガソリン車のxドライブ 20iとディーゼル車のxドライブ 20dがほぼ同じ比率で、これにBEVのiX1が続いている。M35iのデリバリーは2024年1月下旬からなので、これからといったところだろう。
ボディカラーでは、白(アルピン ホワイト、ミネラル ホワイト)、黒(ブラック サファイア)、グレー(スペース シルバー)といったモノトーン系の人気が高い。最近、さまざまな車種で人気を集めはじめている「くすみカラー」のケープヨーク グリーン(今回の試乗車のボディカラー)などは、これから注目されるかもしれない。
オプションパーツでは、ハイライン パッケージ(HI-FI スピーカーシステムや運転席アクティブシートなど)、19インチ アルミホイール、パノラマサンルーフなどを選ぶオーナーが多いという。
まんべんない年齢層が「BMW」だからX1を選ぶ
オーナーの平均年齢は公表されていないが、若年層からシニア層まで、多岐にわたっている。男女別では、男性が7割、女性が3割といったところだが、適度なサイズで運転しやすいX1ゆえ、オーナーが男性でもパートナーの女性が運転する機会も多いに違いない。
X1を選んだポイントとしては、「BMW」というブランド(の信頼性)、デザイン、走り、さまざまなパワートレーンが選べること、などが挙げられている。また、他社のクルマからの乗り換えや、BMW車からの乗り換えは、いずれも多いという(比率などは未発表)。
クロスオーバーSUVとはいえ、街中でも扱いやすいサイズながら室内の広さも十分。走り、デザイン、安全性、快適性、そしてデジタルとあらゆる面で大幅な進化を遂げた新型X1。パワートレーンは好みやライフスタイルに合わせて選ぶことができる。
2023年に登場した輸入車の中で、多くの専門家によってX1が最も評価されたことは、実際に乗ってみるとあらためて納得できるだろう。2024年は、さらに人気が加速しそうだ。(文:篠原 政明)
BMW X1 xドライブ20d Mスポーツ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4500×1835×1625mm
●ホイールベース:2690mm
●車両重量:1740kg
●エンジン:直4 DOHCディーゼル+ターボ
●総排気量:1995cc
●最高出力:110kW(150ps)/4000rpm
●最大トルク:360Nm(36.7kgm)/1500−2500rpm
●トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:フロント横置き4WD
●燃料・タンク容量:軽油・54L
●WLTCモード燃費:19.5km/L
●タイヤサイズ:225/55R18
●車両価格(税込):620万円
[ アルバム : BMW X1の深掘り はオリジナルサイトでご覧ください ]
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みんなのコメント
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ちゃんと輸入車販売ランキング上位に入ってる実績の高さ♡
はいはい、テスラ信者泣かない!べつに殺しはしないからw