初代VW『ゴルフワゴン』は、3世代目ゴルフの時代に登場し、日本市場へは1995年6月から導入された。この世代ではほかに2代目『カブリオ』、車名を改めた3ボックスセダンの『ヴェント』、狭角V6エンジン搭載の“VR6”など、バリエーション展開が拡大した。
本国では「ヴァリアント」の呼称だったが、日本市場では当時のワゴンブームで、通りのいい車名として“ゴルフワゴン”に。最初の4つ折りの簡易カタログも「あのゴルフが……ワゴンになった。」と、素直なコピーを掲げている。当初は2リットルエンジン搭載車から導入を開始、追って1996年10月に1.8リットルを追加しバリエーションを拡充させた。
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スタイリングは2ボックスのゴルフとは2475mmのホイールベースは共通、全長を320mm伸ばすことでワゴン化が図られた。ゴルフの4ドア、セダンのヴェントとは一見するとリヤドアが共通かと思われたが、良くみれば開口部後ろ側の見切り線が僅かに立った専用に仕立てたドアを採用。細かな部分だが、バックドアのアウターハンドルも、最初期型はそれ以降とは異なる形状となっていた。
ラゲージスペース容量はVDA測定法で466~1425リットル。当時の上級車種『パサート』のワゴン版(こちらは“ヴァリアント”と呼ばれた)の1500リットルに次ぐ実用的なスペースを確保。ラゲージネットパーティション、リヤスライディングカバー(トノカバー)、ラゲージフック(4ヶ所)、ラゲージスームランプなど、使いやすさを前提にした装備も標準で備えた。
「コンフォートライン」「トレンドライン」といった後のゴルフでグレード名となる呼称も登場していた。
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その後VW自身がミニバンやSUVを投入して前面に押し出すようになり、ポロやUP!などのより小型の車種に流れる客も増えて、ゴルフ自体の存在感がラインナップの売れ線から浮きあがり、後退していく。