製作コンセプトは速くて楽しいS2000
スタイリングも走行フィールも全てがハイレベルな320ps仕様
「これはオデッセイのタイプRだ!」DC5用ヘッド+6速MTスワップで超快感ミニバンが完成
ホンダ車のスペシャリストとして名を馳す岐阜県の“ストラダーレ”。同社の手がけたユーザーカーが、2019年に筑波サーキットでS2000のコースレコードを塗り替える(その後にASMがさらに更新)など、S2000チューナーとしては間違いなく日本屈指の存在だ。
そんな同社の最新デモカー(AP1)が今回の主役。元々は本気のサーキットスペックだったということもあり、ストリートマシンへとモディファイされた現在も、その作り込みは非常にハイレベルなものだ。
心臓部は、戸田レーシングの腰下パーツを軸にしたKテック製の2.4Lコンプリートを搭載。モーテックM84による綿密な制御で、トルクフルな320psを作り出している。
インテークには戸田レーシングの4連スロットルシステムを投入。さらに、カーボン製のハイパワーサージタンクと無限のエアクリーナーを組み合わせて、吸気効率を極限まで高めている。
オリジナルアイテムとしてラインナップされる軽量アルミプーリーもインストール。クランクプーリーは純正から20%ほど小径化することで、パワーとレスポンスの両方を向上させる。
排気系にはKテックのEXマニと、戸田レーシングの2.4L用ハイパワーマフラー(70φ)をセット。排気量アップしたエンジンに最適な排気環境を整えているのだ。
サスペンションは、オリジナルスペックで作り上げられたエナペタルベースのダンパーに、ハイパコのスプリングを組み合わせる。バネレートは前後18kg/mmの設定だが、走行ステージによって使い分けているそうだ。
前後285/30R18というタイヤサイズに合わせて、ASMのワイドフェンダーを装着。フロントブレーキには、エンドレスのモノブロックキャリパーシステムを奢る。
一方のリヤブレーキは、オリジナルでリリースするビッグローターキットをセット。ローター径を323mmまで拡大しながらNSXキャリパーを流用することで、安定した制動力を手にしている。
車高を下げた際に位置が変わってしまうスタビライザーは、ブラケットを見直すことで適正化。初期のステアリング応答性を高める効果を持つストラダーレのオリジナルパーツだ。
インテリアは、ダッシュボードやドア内張りをアルカンターラで張り替えて高級感を演出。あえて追加メーター類を装着せずに、チューンド感を意図的に隠しているのもポイントだ。
S2000でサーキットを走るならロールケージは必須装備。無限のダッシュ貫通タイプ6点式にオクヤマ製を組み合わせることで、乗員保護はもちろんボディ剛性も引き上げている。
エアロパーツはワイドフェンダーと同様にASM製で統一。「S2000は、走りと見た目の両立を目指すオーナーさんが多いので、デモカーも隅々まで抜かりなく作り込んでいます。速さはもちろん、それ以上にプラスαの価値観を提案していけるよう、今後も勉強していかなければならないですね」とは、ストラダーレの加藤代表。
ユーザーがS2000を長く楽しみ続けられるよう、常に新たな可能性を探り続けるストラダーレ。その姿勢には、ただただ感服だ。
●取材協力:ストラダーレ 岐阜県多治見市下沢町3-3-1 TEL:0572-21-5805
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