■軽乗用車でMT車設定はもうほとんど残っていなかった!
いま新車を購入するユーザーのうち、3ペダルのMT車(マニュアルトランスミッション車)を購入するユーザーは本当に希少な存在となりました。そもそも新車でMT車の設定するモデル自体も大幅に減りつつあります。
なかでも軽乗用車でいまも残るMT車は、ほとんどないといいます。今回はそんな“超激レア”車を紹介します。
MT専用! スズキ新型「ジムニーライト」人気沸騰を受け発売へ
●スズキ「ワゴンR」
スズキは2022年8月2日、軽乗用車「ワゴンR」をマイナーチェンジしました。新シリーズ「ワゴンR カスタムZ」を追加したほか、標準タイプの外装デザインなども変更しています。
そんななか、5速MTモデルがマイナーチェンジ後も引き続き残ったことが、一部のマニアの間でひそかに話題を呼んでいます。
2022年8月現在、スポーツモデルではない「普通の軽ハイトワゴン」にMTが設定されるのは、もはやワゴンRだけという状況なだけに、非常に貴重な存在が引き続き維持されたことになります。
マイナーチェンジ前は、最廉価版のFAグレードに設定されていた5速MT車ですが、マイナーチェンジでFAが廃止されたことで、中間グレードのFXに5速MT設定が移行しています。
グレードがあがったことで新たな副次効果も得られました。新型からは、FAグレードにはなかったタコメーター(回転計)が装備されるようになったのです。
みずからギアシフトするMTは、エンジン回転にあわせてシフトチェンジするのも楽しみのひとつだけに、MT派にとってはうれしい改定といえるでしょう。
新型ワゴンR FX 5速MT車の消費税込み価格は、2WDが121万7700円、4WDが134万900円となっています。
●ダイハツ「コペン」
ダイハツの軽スポーツカー「コペン」は、さまざまな面で貴重な存在のモデルです。
まず2人乗りのスポーツカーであること、そしてオープンカーであること、さらに電動式のハードトップが備わっていることなど、すべて軽自動車唯一の機能を備えているのです。
現行型コペンは2代目。先代が2012年に生産を終えた約2年後の2014年に登場しました。
2代目の特徴は「D-Frame(ディーフレーム)」と呼ばれる骨格構造にあります。外板を取り外し容易な樹脂パーツとし、外装デザインの変更を可能としたのです。
そのためコペンには「Robe(ローブ)」を基本に、クロスオーバースタイル「エクスプレイ」、初代譲りの丸目ヘッドライトを備えた「セロ」、さらにトヨタとの共同開発による「GR SPORT(ジーアールスポーツ)」と、4つのまったく異なるスタイルがラインナップされています。
このほか2018年には、200台限定のハードルーフモデル「コペン クーペ」も発売されました。
エンジンは、全車とも660ccの直列3気筒DOHCターボ。各モデル共に5速MT車の設定が用意されています。
●スズキ「ジムニー」
スズキの四輪駆動車「ジムニー」は、コペン以上に貴重で独自の存在といえるでしょう。
専用のラダーフレームと縦置きエンジン+FRレイアウト、副変速機付パートタイム4WD、リジッドアクスル式サスペンションという組み合わせにより、世界にも類を見ないほど高い悪路走破性を誇るコンパクト4WDです。
現行型は2018年に登場した4代目。20年ぶりのフルモデルチェンジということもあり「スズキ セーフティ サポート」などの先進運転支援機能も追加され、いまもなお高い人気を維持し続けています。
気になるトランスミッションは、4速AT(オートマチックトランスミッション)と5速MTの2タイプから選択可能です。
車両重量1040kgと、軽のなかでは比較的重たい車体を小排気量な660ccターボエンジンで駆動させるジムニーだけに、MTを選んだほうが車速をより積極的にコントロールできて、運転もさらに楽しめることでしょう。
※ ※ ※
スズキとダイハツにそれぞれ、各モデルのMT比率を聞いてみました。
スズキ広報部によると、ワゴンRのMT車比率は約1割弱(ワゴンRスマイルを除いたシリーズ中の割合)だといい、貴重な実用車のMT仕様にもいまなお一定の需要があることがわかります。いっぽうジムニーについては、MT車が約2割とのことです。
対するダイハツでは、コペンのMT車はおよそ3割も占めるといいます。
ダイハツ広報部によると「走る楽しさ、操作する嬉しさを直接感じていただけるコペンのMT車は、長い間多くのお客様にご愛顧頂いております」といい、こちらも根強いニーズに支えられ続けていることがうかがえます。
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