4年目に初のトラブル発生→システムリセット
初のトラブルでサービス工場入りしたが、バッテリー交換で復活!筆者のマイカー、2018年式F30型BMW320d(つまり前型後期モデル)は、「d」と付くように、2.0ℓ直列4気筒DOHCディーゼルターボを搭載している。トランスミッションは、ZFの8HP(8速AT)だ。
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B47D20A型という型式で、現行BMWの3シリーズをはじめとするモデルの主力ディーゼルユニットだ。だが、前型に搭載しているB47型は尿素SCRシステム非搭載。つまりAdBlue(尿素水)の補給も必要ない。
パワースペックは
最高出力:190ps/4000rpm
最大トルク:400Nm/1750-2500rpm
である。
折に触れて長期レポートを書いてきた。ノートラブルで絶好調だったのだが、この春、モニター上の警告灯が点ることが増えてきた。「トランスミッショントラブルです」「アクティブクルーズコントロールが故障しています」「エンジンを停止しないで下さい。停止すると走行ができなくなります」と言ったアラートが出る。なにやらエンジン始動も重たい。
というわけで、サービス工場に入庫してチェックしてもらうことになった。
結果は、バッテリーの電圧低下。つまりバッテリーが消耗していたから、だった。しかし、まだ新車から3年半。バッテリー交換には早すぎる。どうやら「停車中の消費電力量増大のアラート」だったそうで、要するにバッテリーのマイナスケーブルのトラブルだったようだ。バッテリーとマイナスケーブルを交換してもらって、クルマは完全復調した(新車保証を5年間に延長していたので費用はかからず)。
じつは、マイ320dは、新車購入以来燃費計をリセットせずに記録していた。のだが、今回のトラブルでシステムをリセットした関係で、燃費計もゼロに戻っていた。
というのが、この春の出来事。そこから燃費を測り直しているのだが、リセット前より優良な燃費データが出ている。
2022年5月13日にシステムリセットしてから9月30日までに4392km走行して17.3km/ℓという数字だ。
もちろんディーゼルだからこの燃料高騰の時節、ほんとうにありがたい。
ちなみにディーゼル(軽油)の17.3km/ℓと言う燃費は
軽油:140円/ℓ
レギュラー:160円/ℓ
ハイオク:170円/ℓ
と仮定すると、経済的には次の燃費に匹敵する。
ディーゼル=17.3km/ℓ
ガソリン(レギュラー)=19.8km/ℓ
ガソリン(ハイオク)=21.0km/ℓ
である。
燃費が向上した理由は明白。毎週末、ホームタウンの横須賀まで往復(約100km)することが増えたからだ。有料道路を走る割合が増えて、平均速度が上がったからだ。
システムリセットから4392km走行の平均速度は33.2km/hで、それ以前の29.7km/hより3.5km/h速くなっている。
日時オドメーター平均燃費平均時速走行距離購入後1年2019年12月9800km15.0km/ℓ計測せず購入後2年2020年12月17123km15.4km/ℓ29.0km/h購入後3年2021年12月26284km15.6km/ℓ29.2km/h2022年2月30221km15.7km/ℓ29.7km/hシステムリセット2022年5月13日32823km現在2022年9月30日37124km17.3km/ℓ33.2km/h4392km上の表は、これまでのMy 320dの燃費データである。
欧州仕様のF30型320dのモード燃費は
NEDC複合燃費:20.8km/ℓ
WLTPモード:17.24km/ℓ
だ。つまり、現在の17.3km/ℓは、WLTPモードとほぼ同数値ということだ。
なるほど……と思ってモードについて、調べてみた。
NEDC/WLTP/JC08/USA Standard Cycle
ModeNEDCWLTC(EU)WLTC(JAPAN)JC08モードUSA(Standard Cycles)サイクルタイム1180秒1800秒1477秒1204秒1877秒サイクル距離11.007km23.26km15.01km8.17km17.86km走行フェーズ2フェーズ(市街地66%/郊外34%)4フェーズ(市街地13.3%/郊外20.5%/高速道路30.8%/超高速35.4%)3フェーズ(市街地20.6%/郊外31.7%/高速道路47.7%)平均速度33.6km/h46.5km/h36.6km/h24.1km/h34.2km/h最高速度120km/h131.3km/h97.4km/h81.6km/h91.2km/h現在のモード燃費は、アメリカを除いてほぼ世界で統一されたモードが使われている。そうWLTCモードだ。それ以前は、欧州では「NEDC=New European Driving Cycle」、日本では「JC08モード」が使われていたのは、ご存知の通りだ。
WLTCモード燃費は、より実走行での燃費に近くなるようにさまざまな工夫が施されている。注意が必要なのは、日本と欧州では同じWLTCモードでも測り方が違うのだ。欧州では、「Extra High」と呼ばれる最高時速131.3km/hの超高速フェーズがモードに組み込まれているが、日本はそのフェーズがないWLTCモードで計測する。
自動車メーカーは、当然、燃費の計測モードにターゲットを合わせて燃費を狙ってくる。実走行でも燃費がいいことももちろん考えているだろうが、モード燃費が悪くて実燃費が良いということはたいていない。モード燃費がよくて実燃費も同じくらい良い、というのが、燃費の良いクルマのイメージだろう。
では、我が320dのモード燃費はいくつなのか?
JC08モード:21.4km/ℓ
NEDC Combined:20.8km/ℓ
WLTPモード:17.24km/ℓ
となっている。つまり、WLTPモード(Worldwide harmonized Light duty driving Test ProcedureでWLTCはWLTPの一部)と同じ燃費が出ているということだ。
平均時速を見てみよう。
NEDC:33.6km/h
WLTC(EU):46.5km/h
WLTC(Japan):36.6km/h
だから、今回のMy BMW320dの平均時速33.2km/hはNEDCのモードとほぼ同じだ。F30型3シリーズが開発されていたころは、WLTCモードではなくNEDCモードだったから、おそらくそれに合わせてセッティングされているはず。
となれば、
33.2km/hの平均時速≒NEDCの平均速度
17.3km/ℓの燃費≒WLTPモード燃費
というのは、なかなかピッタリだ。
日本市場をメインターゲットにしたモデルは、平均速度33.6km/hあたりで、欧州がメインのモデルは平均速度46.5km/hあたりでベストの燃費を叩き出す……のではないか、という仮定が成り立つ。
というわけで、ぜひ、皆さんもご自身の愛車の燃費データを見る際に平均時速も合わせてチェックしてみてください。
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