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ホンダ「ビート」をガルフカラーに! 「JDM」スタイルに仕上げるための「無限」パーツとは

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ホンダ「ビート」をガルフカラーに! 「JDM」スタイルに仕上げるための「無限」パーツとは

カリフォルニアが似合いそうなガルフカラーのビート

 2022年10月16日に埼玉県狭山市の「八千代工業」で開催されたイベント「BEAT & S660 Meeting in 2022」。ホンダ「ビート」と「S660」が合わせて353台も集まったなかで、ひときわ目をひいたのがガルフカラーのビートだ。多岐にわたるカスタムメニューのほとんどはオーナーと仲間のDIYで作り上げている、情熱たっぷりのビートを紹介しよう。

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海外の日本車&カスタム好きたちの合い言葉が「JDM」

 1991年から1996年まで生産された軽規格のミッドシップ・スポーツカー、ホンダ「ビート」は今なお多くのファンに愛されている。アメリカでも「25年ルール」を過ぎた90年代の日本車が近年カーマニアたちに大人気で、第2世代GT-Rや日産パイクカーシリーズなどとともに、ビートやスズキ「カプチーノ」といった軽スポーツも注目されている。とりわけカスタムカルチャーが盛んでクルマをイジるのは呼吸をするくらい当たり前なカリフォルニアを中心として、こういった日本車を手に入れたアメリカ人たちが好むのが「JDM」と総称されるカスタムスタイルだ。

 わが国でも、国産車の北米仕様を逆輸入したり、北米だけのパーツやアクセサリーを装着する「USDM(US Domestic Market)」というジャンルを愛好するマニアは多い。かたやJDMとは日本仕様のことで、はじめはUSDMの裏返しとして、アメリカで手に入る左ハンドルの日本車に日本国内だけのパーツを装着する遊び方だったが、25年ルールを過ぎた右ハン日本車が大量に流入するようになったことで状況は一変。日本車に、日本国内の純正&社外パーツを装着してカッコよくカスタムするスタイル全体をJDMと呼ぶようになっている。

 アメリカ人の目で再解釈された「日本らしさ」はわれわれの目にも新鮮だし、世界各国でも人と違うクルマに乗りたい層に人気を呼んでいる。JDMは今やヨーロッパや東南アジアにも波及して、カスタムカルチャーの一大潮流となっているのだ。

ビートとトゥデイの経験値が豊富なオーナーがカスタム

 日本車の中でもミニマムサイズのスポーツカーであるホンダ・ビートは、すでに海外でもJDMカスタムされた個体がいくつも出現している。しかし、ここで紹介するガルフカラーのビートほど細部に至るまでに作りこまれたハイクオリティなマシンはごくわずかだろう。しかも製作したのは日本人のオーナーで、もちろん日本の公道を走っているのだ。

 オーナーのKiyotakaさんはビートを5~6台、「トゥデイ」も5台ほど乗ってきたホンダ好き。ほかにEG6型「シビックSiR II」、2代目「Z」、「コンチェルト」、初代「ドマーニ」、HA7型「アクティトラック」といったホンダ車、K11型日産「マーチ」、2代目三菱「パジェロミニ」、2代目(JA11型)スズキ「ジムニー」、メルセデス・ベンツのS124「Eクラスワゴン」といったマニアックな車歴だ。山やサーキットを走ったり、シビックにはアメリカのパーツや無限のパーツを組んでUSDM系のイベントによく参加していたそうだ。

 この1993年式ビートは2016年に知人から買った個体で、その時点でガルフカラーにペイントされており、エンジンから足まわりまでひと通り改造された状態。メンテナンスを行なって地元の山道を走りながら、強化クラッチへの交換、チューニングエンジンへの載せ替えをDIYで行い、久々にサーキットを走るべく足まわりのセッティングを調整していった。

JDMオタクなアメリカ人に受けそうなパーツチョイスを実践

 ガチの走り系カスタムが進行していたKiyotakaさんのガルフビートだったが、2021年にカスタムの方向性を変える出来事が発生する。同年5月にポートメッセ名古屋で開催されたカスタムイベント「Wekfest Japan」に参加することになったのだ。これは、アメリカ各地で開催されているイベントの日本バージョンで、ハイレベルな車両が集まることで知られている。

「友人から強引に勧められて渋々エントリーしたところ、なぜか選考通過してしまいました。ベンダー以外で軽自動車で参加を許されたクルマは私のビートが初めてだそうです。そこでシビックをカスタムしていたときの経験を生かして、JDMオタクなアメリカ人やそのジャンルが好きな日本人ウケを狙ったパーツ選定やカスタムを行いました」

 具体的には、無限をはじめとする日本のチューニングメーカーのパーツを中心にしつつ、細かな箇所にアメリカのブランドのホンダ車向けパーツも流用。展示系イベントに合わせて、走り仕様の足まわりから、ルックス優先で車高を極力低いセッティングへ変更してイベントでお披露目となった。

 さらにその後、4輪独立エアサス、ECUのハルテック化、無限ロールケージの取り付けなどを行って2022年5月の「Wekfest Japan」にも参加。そして9月に無限のバンパーとサイドステップを取り付けて、現在の使用が完成したのだった。

作業はほぼすべて自分と仲間でDIY

 ネジ1本に至るまでこだわったパーツが満載のガルフビートのなかで、注目ポイントはどこかKiyotakaさんに聞いてみた。

「無限、C’s Customizing、Works Bell、Circuit Hero、PIVOTで固めたステアリングまわりがこのクルマのコンセプトをギュッと凝縮した感じでとくに気に入っています。むやみに何もかもカスタムするではなく、灯火類はノーマルを維持。純正のボディラインを崩したくないのでフェンダーの爪を折らずに残しているのは隠れたこだわりです。それと、ホイールベースが長く見える気がするので前後ともに13インチのホイールをあえて選択しています」

「外装の鈑金塗装以外、ほぼすべてを自分や仲間の協力のもとにDIYで作っているので思い入れもあります。作業はもちろん貴重な部品の入手もたくさんの仲間からの協力で揃えることができたので感謝しています」

 ガルフビートは今後も車両とDIYスキルともにブラッシュアップしていきたいと語るKiyotakaさんだが、きれいに仕上がりすぎてサーキットでは走らせたくないので、別のビートでサーキット用車両も作っていきたいとのこと。ビートのカスタムの新たな可能性を、どんどん切り拓いてくれることに期待しよう。

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