アウディの新型「RS6アヴァントパフォーマンス」の走りは痛快だった! 小川フミオがリポートする。
“上質”
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新型RS6アヴァントパフォーマンスは全方位的によく出来たスポーティなステーションワゴンだった。とにかくパワフルで、扱いやすいのが印象的だった。しかもクオリティが高くて、スタイリッシュだ。
このクルマが走っている姿は、かなり迫力がある。深いフロントエアダムと、ブラックアウトされたフロントグリル。スタイリッシュであるし、スゴ味も効いている。そして単なるイメージにとどまらず、走りのよさは期待を裏切らない。
なにしろ最高出力は463kW(630ps)、最大トルクは850Nm。これに後輪へのトルク配分を多めにするスポーティな全輪駆動「クワトロシステム」を組合せる。2023年9月に発表されたこのモデルでは、従来と比べエンジンパワーを引き上げた。
3996ccV型8気筒エンジンに2基そなわったターボチャージャー。今回、“パフォーマンス”と、サブネームがつき、大径化とともにブースト圧を上げ、パワーは441kW(600ps)から、最大トルクは800Nmからともに引き上げられている。
ご存知のように、ターボは容量可変のバリアブルか径違いを連続して作動させるシークエンシャルでないと、作動領域を低回転域、ないしは高回転域にしぼる必要がある。アウディの場合、大径なので、低回転域のトルクアップは48ボルトのモーターによるマイルドハイブリッドでカバーする。
おかげで、素晴らしくスムーズな加速が体験できる。書いておきたいのは、バカッ速いのではなく、あくまでなめらかにどんどんトルクが増し、速度が上がっていくキャラクターということ。それがこの高価なアヴァント(アウディはステーションワゴンをこう呼ぶ)モデルによく合っている。ひと言で表現するなら、“上質”。
アンダーステーテッドな1台クオリティの高さに感心するもうひとつの要素は足まわりの設定だ。電子制御ダンパーをもつ「RSスポーツサスペンションプラス」を搭載する。乗り心地とハンドリングに貢献するもので、右前と左後ろというように、サスペンションをX字型のオイルラインで結んでいる。
RSスポーツサスペンションプラスによって「もっとも応力のかかるホイールのダンパー減衰力を高めることでピッチングやロールといった(車体の)動きが抑制されます」と、アウディでは説明する。
市街地を50km/hで流しているときはソフトな印象だが、アウディによると高速では300km/hを超えても安定しているという。コーナリングは軽快。速度によるのかもしれないが、高速道路本線に合流する前のカーブを走った限りでは、V8エンジンを搭載しているフロントの重さもいっさい感じなかった。
アウディは、後輪操舵システムをいち早く採用したメーカーだ。卓見だなぁ、と、思うのは、システムの存在が強調されていない点。駐車時のような低速では前輪と逆位相で小まわりを効かせ、いっぽう高速では同位相で仮想ホイールベースを延ばし安定性を高めるという効果も、ドライバーにことさら意識させない。英語でいうならアンダーステーテッドなところがまことに上品でよい。
インテリアの作りがよいのも、アウディの、とりわけ上級モデルの大いなる魅力。
RSなので、凝った作りのスポーツシートがそなわり、クッションやステッチの入れ方など、一見しただけで凝っているのがわかる。
以前からアウディを知っている人にとっては、インテリアデザインがやや新鮮味に欠けるのは事実。BMWやメルセデス・ベンツといった競合のようにライティングやデジタライゼーションに凝りまくる、というのも(いまのところは)ない。
ただ、クルマの本質は機能主義とクオリティと考える人にとっては、価値は減じていない。
後席も十分スペースがあり、やはり、座面のクッション性など居心地がよい。4人と荷物で長距離移動をするのに、いいパートナーになってくれるだろう。そもそも、先述のとおり、ドライバビリティが高いので、運転に飽きない。
これがアウディの真骨頂だ。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)
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みんなのコメント
国産のクラウンがステーションワゴンを宣伝しまくってるが、車に詳しい人にはゴミにしか見えないね。
CVTの直4横置きって価値がない安物の詰め合わせ😂