現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > デリカミニ公道試乗 高速もラフロードもおまかせ! 新型スーパーハイト軽の実力とは

ここから本文です

デリカミニ公道試乗 高速もラフロードもおまかせ! 新型スーパーハイト軽の実力とは

掲載 10
デリカミニ公道試乗 高速もラフロードもおまかせ! 新型スーパーハイト軽の実力とは

車種別・最新情報 [2023.07.14 UP]


デリカミニ公道試乗 高速もラフロードもおまかせ! 新型スーパーハイト軽の実力とは
事前の予約注文で1万6000台を超える台数を集めるなど、好調なスタートを切ったデリカミニ。これほどの人気を集めているのは、ひと目で“デリカ”と分かるデザインの影響もあるが、走りや使い勝手が優れていることも大きい。スーパーハイト軽の勢力図を塗り替える可能性も十分にある。東京~茨城街道のロングドライブでその実力をチェックしてみた。

三菱車と自然を楽しみ尽くす!「スターキャンプ2023」@ふもとっぱら 9月開催!

●文:川島茂夫 ●写真:奥隅圭史


MITSUBISHI デリカミニ
●主要諸元 (T Premium 4WD) ●全長×全幅×全高:3395×1475×1830 ●ホイールベース(mm):2495 ●車両重量(kg):1060 ●パワーユニット:659cc直3DOHCターボ(64PS/10.2kg・m)+モーター(2.0kW/40N・m) ●トランスミッション:CVT ●WLTCモード総合燃費:17.5km/ℓ ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/リーディングトレーリング(R) ●サスペンション:ストラット式(F)3リンク式(R) ●タイヤ:165/60R15


MITSUBISHI デリカミニ 公道試乗インプレッション

細かな部分まで“熟成”を感じるブラッシュアップモデル
ハイトボディを苦にしない侮れない高速走行適性
 日産と三菱が出資した合弁会社「NMKV」の手により、世に送り出されるデリカミニ。まず興味深いのは、eKクロス スペースとのキャラ設定の違いだ。

 eKクロス スペースは押し出しの利いたフロントマスクでプレミアム感を強調したイメージだが、一方、デリカミニはSUV的なタフネスや機能感を強く出している。この違いは”都会志向“と”アウトドア志向“と言い換えてもいいだろう。嗜好的な判断としては、eKクロス スペースは、スーパーハイト軽が持つ「カワイイ」要素の払拭であり、デリカミニは「カワイイ」要素と機能感との融合を図ったとも言える。

 メカニズムやパッケージ的には、新ブランドとはいえeKクロス スペースの改良仕様の感は否めない。悪路対応力の強化を狙いとしたサスチューンの変更が加えられているが、キャビン実用性や基本的な走行ハードウェア構成はそのまま継承されている。

 室内寸法やインパネ周りのデザイン、シートの基本機能などはeKスペースとも共通仕様。全てのグレードでシート表皮が撥水仕様になっているのは、アウトドアレジャーを意識したモデルらしいコダワリで、男性4名の乗車にも不足ないスペースを持ち、見晴らしの良さも良好だ。スーパーハイト軽の中でもトップクラスのキャビン実用性を備えているなど、eKクロス スペースで評価されていた秀逸な使い勝手も、そのまま継承した格好だ。

 試乗したのはターボ仕様の上級設定となるTプレミアムの4WD車。eKスペースにはターボ車の設定はないので、ターボ+スーパーハイトの組み合わせはデリカミニのみになる。

 まず、東関東自動車道で高速動力性能を試してみたが、平地走行なら制限速度いっぱいの110km/hでの巡航も余裕十分。速度を100km/h前後に抑えると、その余裕がさらに増す印象だ。一般的なスーパーハイト軽だと、平地100km/h巡航で心もとなく思えるシーンがあるのだが、デリカミニの高速域での余力や扱いやすさは段違い。マイパイロットのACC設定上限速が115km/hということは少しもったいなくも思うが、ACCの速度制御は巧みで、ドライバーの負担軽減に貢献してくれる。

 100km/h超巡航でのもうひとつのポイントは直進安定性。これもマイパイロット任せでも構わないが、素の実力を知るためにオフの状態で走ってみた。

 スーパーハイト軽は、重心が高く、側面の面積も大きくなるため、横風の影響を受けやすい。乗り心地重視でサスを柔らかめにセットすると、スタビリティ性が低くなる傾向がある。実際、デリカミニも直進の据わりは甘めで、走行時に微妙な揺らぎを感じてしまう。ただ、車線変更やコーナリング時のロール抑制は上手に効かせるタイプで、ラインコントロールも落ち着いている。軽自動車としては高速長距離用途適性は良好だ。背高で重心が高いスーパーハイト軽にもかかわらず、高速走行を苦にしないことは、デリカミニのセールスポイントといえるだろう。

悪路を意識した設計でラフロードも余裕十分
 ”デリカ“と名乗る以上、ラフロードの走りも気になる。パッケージは、FF車はeKスペースとタイヤサイズも最低地上高も同じだが、4WD車は約20mm外径の大きなタイヤを採用している。それでいて最低地上高の差が少ない(FF車が155mm、4WD車が160mm)のは、ある程度の悪路走破を考慮してデフ容量に余裕を持たせたことで大きめのサイズになっているためだ。

 さらに4WDシステムは軽自動車としては標準的なVCU(ビスカス・カップリング)式だが、前後輪の回転数差によって発生する後輪トルクを巧みに制御するタイプを採用。路面抵抗が少ない状況でも安定性や接地性を感じる特性は、これまでミツビシが積み重ねてきたオフローダー開発のノウハウを活かした設計の賜物といえる。

 このこだわりぶりはサスチューンでも同様。段差のあるダート路での試乗も試みたが、段差の乗り越えや落ち込みでの衝撃が少ない。兄貴分のデリカD:5には及ばないが、ドタバタしない4輪の接地感が頼もしくもあり、走行時のストレスも減少してくれる。さすがに本格的なクロカン走行は無謀だが、キャンプ場などで遭遇しがちな少々荒れた路面程度ならば、気にすることなく進むことができる。スーパーハイト軽としてできる範囲で、最良の悪路対策が施されている。

 この接地安定や衝撃の往なし感、4WDシステムの駆動トルク変動の抑制は、オンロード走行でも利いており、このことも高速長距離適性の向上に繋がっている。

 デリカミニを遠隔地へのレジャーの移動手段として考えているならば、例えターボ車を選択したとしても、走行性能は乗用車のSUVには及ばない。だが、キャビン&荷室のユーティリティ性能はかなりレベルが高く、デリカミニが勝るという部分も多い。短中距離のアウトドアレジャーやタウンユースの比重が高いというユーザーには、デリカミニのほうがウェルバランスとも言える。ファミリーはもちろんのこと、上級クラスからの乗り換えを考えているダウンサイザーにとっても、デリカミニは見逃せない一車になりそうだ。


NA車もターボ車も、小型モーターが組み合わされるマイルドハイブリッド仕様。上級グレードのプレミアムには運転支援のマイパイロットも標準となることも強み。スタビリティに富んだ特性もあって、高速長距離をあまり苦にしないタイプであることも心強い。

背高なパッケージだが安定感も良好。路面からの凸凹の突き上げ感も少なめだ。衝撃を巧みに往なすサスチューンの恩恵は、ラフロードでも強く実感できる。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

外装のアクセントカラーは460億通り! 「ベントレー・コンチネンタルGT」オプションの無限の可能性
外装のアクセントカラーは460億通り! 「ベントレー・コンチネンタルGT」オプションの無限の可能性
LE VOLANT CARSMEET WEB
日産「崖っぷち」からの大逆転なるか? 800億円赤字、工場閉鎖…「技術の日産」再興でスバル化戦略? e-Powerの未来どうなる
日産「崖っぷち」からの大逆転なるか? 800億円赤字、工場閉鎖…「技術の日産」再興でスバル化戦略? e-Powerの未来どうなる
Merkmal
東京ガス、EV充電サービス「EVrest」に新料金メニュー…充電器ごとの柔軟な設定が可能に
東京ガス、EV充電サービス「EVrest」に新料金メニュー…充電器ごとの柔軟な設定が可能に
レスポンス
【RQ決定情報2025】スーパーフォーミュラの新チームをサポートする『KDDIレースアンバサダー』のメンバーが発表
【RQ決定情報2025】スーパーフォーミュラの新チームをサポートする『KDDIレースアンバサダー』のメンバーが発表
AUTOSPORT web
ホンダe:HEVと日産e-POWER 元エンジニアが判定「長所」と「短所」をガチで比べるとどっちがいいの?
ホンダe:HEVと日産e-POWER 元エンジニアが判定「長所」と「短所」をガチで比べるとどっちがいいの?
ベストカーWeb
「マイクロバス」はトヨタの商品名だと知ってた? 60年以上むかしのトラック「ダイナ」ベースのバスがとってもおしゃれ! 昭和懐かしのクルマを紹介します
「マイクロバス」はトヨタの商品名だと知ってた? 60年以上むかしのトラック「ダイナ」ベースのバスがとってもおしゃれ! 昭和懐かしのクルマを紹介します
Auto Messe Web
ユーザーがクルマの「リコール」を放置すると車検に通らない場合も! そもそも「リコール」ってどんな場合に出されるもの?
ユーザーがクルマの「リコール」を放置すると車検に通らない場合も! そもそも「リコール」ってどんな場合に出されるもの?
WEB CARTOP
ママチャリとロードバイクが合体!? トップチューブレス設計のスポーツバイク「ママチャリロード2」発売
ママチャリとロードバイクが合体!? トップチューブレス設計のスポーツバイク「ママチャリロード2」発売
バイクのニュース
ホンダ「WR-V」一部改良! 高級インテリア採用&精悍すぎる「ブラックスタイル」登場! 値上げ実施も“全車250万円台以下”をキープ!
ホンダ「WR-V」一部改良! 高級インテリア採用&精悍すぎる「ブラックスタイル」登場! 値上げ実施も“全車250万円台以下”をキープ!
くるまのニュース
2025年2月の新車販売ランキング、スペーシアが2位浮上 N-BOXはトップ変わらず
2025年2月の新車販売ランキング、スペーシアが2位浮上 N-BOXはトップ変わらず
日刊自動車新聞
テストでは最多周回を走り込んだメルセデス。弱点の克服を実感「開幕戦には完全な準備ができたマシンを持ち込む」
テストでは最多周回を走り込んだメルセデス。弱点の克服を実感「開幕戦には完全な準備ができたマシンを持ち込む」
AUTOSPORT web
ジャガーは何をやろうとしているのか 1900万円の新型EV、狙いは? 独占インタビュー
ジャガーは何をやろうとしているのか 1900万円の新型EV、狙いは? 独占インタビュー
AUTOCAR JAPAN
レクサス最新「“5人乗り”コンパクトSUV」に注目! リッター「28キロ」走る“最安&最小”な「LBX エレガント」がスゴイ! “豪華内装×特別カラー”など気になる仕様とは?
レクサス最新「“5人乗り”コンパクトSUV」に注目! リッター「28キロ」走る“最安&最小”な「LBX エレガント」がスゴイ! “豪華内装×特別カラー”など気になる仕様とは?
くるまのニュース
タカラトミーが Juju 選手とパートナー契約…スーパーフォーミュラマシンに「TOMICA」のロゴ
タカラトミーが Juju 選手とパートナー契約…スーパーフォーミュラマシンに「TOMICA」のロゴ
レスポンス
2025年2月の外国メーカー車販売、前年比3.6%増の1万8601台 2カ月連続プラス VW増加で底上げ
2025年2月の外国メーカー車販売、前年比3.6%増の1万8601台 2カ月連続プラス VW増加で底上げ
日刊自動車新聞
【中国】約200万円! トヨタ新型「bZ3X」25年3月発売に反響多数! 「RAV4より広くて快適そう」「価格安すぎ」「先進運転支援システムが気になる」の声も! 新たな「bZシリーズ」登場!
【中国】約200万円! トヨタ新型「bZ3X」25年3月発売に反響多数! 「RAV4より広くて快適そう」「価格安すぎ」「先進運転支援システムが気になる」の声も! 新たな「bZシリーズ」登場!
くるまのニュース
トヨタ「アルファード」でスポーツVIPを表現! 愛車に「リンファード」と名付けた理由は給油口を見れば納得…実は家族愛あふれる1台でした
トヨタ「アルファード」でスポーツVIPを表現! 愛車に「リンファード」と名付けた理由は給油口を見れば納得…実は家族愛あふれる1台でした
Auto Messe Web
黒いトヨタのエンブレムがカッコいい! ヤリス&ヤリス クロスに特別仕様車「Z“URBANO(ウルバーノ)”」が登場。
黒いトヨタのエンブレムがカッコいい! ヤリス&ヤリス クロスに特別仕様車「Z“URBANO(ウルバーノ)”」が登場。
くるくら

みんなのコメント

10件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

183 . 7万円 227 . 2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

149 . 0万円 356 . 0万円

中古車を検索
三菱 デリカミニの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

183 . 7万円 227 . 2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

149 . 0万円 356 . 0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村