■欧州でもスタートしたラングラー4xeの予約受付
日本市場におけるジープの進撃は、コロナ禍の2020年においても衰えることはなく、過去最高の前年比102%となる1万3588台の販売台数をマークした。このジープブランドの牽引役となるのが「ラングラー」で、2020年の販売台数は5757台となった。
【画像】日本導入が待ち遠しい! 「ラングラー4xe」(12枚)
ラングラーは、輸入DセグメントSUVでは、販売台数においてメルセデス・ベンツ「GLC」やボルボ「XC60」を大きく引き離すほど人気だが、その理由のひとつがタイムレスなデザインにある。
このラングラーのピックアップトラック版ともいうべき「グラディエーター」も、2021年度内に日本市場に導入されることが決定しており、さらにジープ人気に拍車がかかりそうだ。しかし、ひょっとするとグラディエーター以上に日本導入が待望されているモデルが、「ラングラー4xe(フォー・バイ・イー)」であろう。
すでに2020年11月から「レネゲード4xe」が日本で販売されており、この日本導入ジープ初となるプラグインハイブリッドモデルは、好評を博している。もともと人気のあるラングラーにハイブリッドモデルが加われば、さらに人気が高まることは容易に想像できる。
このラングラー4xeの予約受付が、専用ウェブサイトを通じで、2021年1月22日より欧州の一部(イタリア、スペイン、ドイツ、フランス、スイス、オランダ、ベルギー、オーストリア)で始まった。
ラングラー4xeは、2020年9月にワールドプレミアされ、2021年後半に発売が開始される予定だが、このタイミングで欧州での事前予約が開始されたのには理由がある。それは、2020年始めに欧州でレネゲード4xeと「コンパス4xe」の事前予約の取り組みが大成功を収めたためである。
グラディエーターも日本市場に先駆け、欧州でのオーダーが2021年1月11日から開始されたという先例もあるので、ラングラー4xeの日本導入にも大いに期待が持てる。
そこで、欧州マーケット向けのラングラー4xeのファーストエディションの仕様を見ながら、今後導入されるかもしれない日本仕様について予想してみよう。
■「ラングラー4xe」欧州仕様の気になる車両価格は?
ラングラー4xeに搭載されるエンジンは、2リッター4気筒ターボとなり、組み合わされるトランスミッションは、8速ATとなる。これにふたつの電気モーターが加わり、システム最高出力は380psとなる。
燃費が悪いイメージがつきまとうSUVだが、ラングラー4xeは電気モータだけでの走行が可能となっており、その際の最大航続距離は50kmにもなる。日本での都市生活者にとっては、通勤も含めてカバーできる航続距離であり、非常に期待が持てそうだ。
ラングラー4xeのE-Selecドライブモードは、「エレクトリック」、「ハイブリッド」、「Eセーブ」の3つが用意されている。
エレクトリック・モードは、文字通り電気モーターのみでの走行となり、ゼロエミッションとなる。都市部だけでなく、最大トルクを必要とするオフロード走行でも威力を発揮するモードだ。
ハイブリッド・モードは、2リッター4気筒ターボエンジンと電気モーターとをバランスよく使用するもので、バッテリー電力を優先し、バッテリー残量が少なくなるとエンジンを始動する仕組みだ。Eセーブ・モードは、エンジンの駆動力が積極的に使用され、バッテリー電力を節約するモードだ。
欧州仕様では、この3つの走行モードに加えて、電動走行と充電マネージメントの専用機能を搭載した新たな走行モードが加わる。
欧州のファーストエディションのボディカラーは、「ブラック」、「グラナイトクリスタル」、「ブライトホワイト」の3色だ。
標準装備されるものは、18インチホイール、フルLEDハイビジビリティヘッドライト、スペアタイヤ用ハードカバー、タッチスクリーン付き8.4インチUconnectナビシステム、バッテリーの充電レベルと航続距離に関する情報を映す7インチTFTモニターなどがある。また、スマートフォンから充電状態を管理できるコネクティビティも備わっている。
安全装備では、アダプティブクルーズコントロール、前方衝突警告プラス、リアクロスパスディテクション、ブラインドスポットモニター、リアカメラならびにフロントカメラ、フロントとリアのパーキングセンサー、エレクトリック リアビューミラーなどが標準装備される。
ラングラー4xeは、2021年夏までに欧州のジープ・ショールームに並ぶ予定で、車両価格は7万3100ユーロ(邦貨換算920万円)となっている。ちなみに、日本仕様のラングラー アンリミテッド ルビコン3.6リッターの車両価格は、628万円(消費税込)。ラングラー4xe日本導入の障壁があるとしたら、この高額な車両価格のみであろう。日本に導入されるとしたら、先例となるレネゲード4xeの場合と照らし合わせると、2021年度内もしくは2022年はじめになりそうだ。
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