■デリカD:5の祖先「デリカスターワゴン」に存在した「二階建て仕様」
1986年に登場した三菱「デリカ スターワゴン」は、ピープルムーバーでありながら悪路に強く、外観も無骨であり人気を保っています。
そのデリカ スターワゴンには、ポップアップルーフを持つキャンピングカー仕様も存在しました。
【画像】超カッコイイ! これが「2階建てSUVミニバン」です!(42枚)
アウトドアブームの高まりで、ミニバンにポップアップルーフを備えたキャンピングカーや車中泊仕様が、各メーカー・キャンピングカービルダーなどから続々と販売されています。
ポップアップルーフが注目される理由は、「就寝定員」の多さにあります。
ミニバンの形状をそのまま保った、いわゆる「バンコン型」のキャンピングカー、もしくは車中泊仕様車の場合、乗車定員が4名もしくは5名でも、スペースの関係で就寝定員が2名となることが普通です。
そこで、ルーフが上部に大きく開閉し内部に大人2名が横になれる空間を確保したポップアップルーフを装着し、「二階建て」構造にすることで、乗車定員とおおむね同じ就寝定員を確保することができます。
日本車におけるポップアップルーフの歴史は古く、1972年に三菱の商用/乗用ワンボックスカー「デリカ」に、ポップアップルーフを載せた純正キャンピングカーが設定されたこともあります。
その後、デリカは1979年に四角いスタイルの2代目にフルモデルチェンジ。5ナンバー登録で装備を豊かにした乗用モデルはデリカスターワゴンと名付けられ、1982年にはジープ譲りの悪路走破性を誇る4WDも追加されています。
多人数乗りのワンボックスカーとクロスカントリーカーのクロスオーバー車のはしりとも言える存在で、そのキャラクターは現行型の「デリカD:5」にも受け継がれています。
そして1986年、フロントウインドウの角度を傾け、スタイリッシュな意匠を各部に施した3代目デリカ/2代目デリカスターワゴンに発展。
高級感を増した内装、定評ある悪路走破性などから、デリカスターワゴンはヒット作となりました。大径タイヤや高い地上高、無骨な外観は大きな魅力で、中古車市場では現在も高い人気をキープしています。
そして、この3代目デリカ/2代目デリカスターワゴンにも、三菱がメーカー純正で用意したポップアップルーフ装着モデルがありました。
デビューは1990年。「デリカキャンパー」という車名で登場しました。
ポップアップルーフやインテリアパーツには、キャンピングカーの本場・欧州は当時の西ドイツ「ライモ(REIMO)」製を採用。
パーツの輸入や製造元は、キャンピングカービルダーで現在も盛業中のバンテック、架装は新菱自動車整備(のちの三菱自動車テクノサービス、現:三菱自動車ロジテクノ)が担当しました。
バリエーションも豊富で、ポップアップルーフを持つ「デリカキャンパー 4WD」、「デリカキャンパー 2WD」、そして固定式のハイルーフを持つ「デリカキャンパー 2WDロング」を設定。
内装は、デリカキャンパー 4WDとデリカキャンパー 2WDでは横向対座ソファーのAタイプと、前向対座ソファーのBタイプを選択可能でした(デリカキャンパー 2WDロングではBタイプのみ)。
シンプルながらも使い勝手に優れたデザイン・設計は、本格派キャンパーを名乗るにふさわしい仕上がりを誇りました。
翌1991年、車名を「デリカキャンピングカー」に変更。バリエーションも車内の配置違いでタイプIからIVに変わりましたが、屋根上のライモ製ポップアップルーフはもちろん健在。
ギャレーやシンク・ガスレンジ、水タンクはどのタイプでも標準装備とされていました。
その後も販売は続き、車名が「デリカスターワゴン キャンピングカー」となり、モノグレードとなったのを1990年代半ばのカタログで確認することができます。
また、車内を通常モデルの3列シートのまま、ポップアップルーフを持つ仕様も存在したようです。
なおデリカスターワゴンは、後継モデルの「デリカスペースギア」が1994年に登場後もグレード数を縮小して販売を行なっていましたが、1999年に国内向けの生産を終了。そのためキャンピングカー仕様も、その頃までには販売を終えたものと思われます。
※ ※ ※
そして驚くことに、三菱では「パジェロ」にポップアップルーフを与えた「ワンダーパジェロ」も販売していました。
今やSUVにルーフテントを載せるのは流行のひとつです。海外では、デリカのポップアップルーフ仕様は「オーバーランドスタイル」として評価されています。
1980年代からレジャーブームを牽引してきた三菱だけあって、先見の明があったことに驚きを隠せません。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
【愚かなあおり運転の結末】このドライバーが時速178kmで後方から煽っていた先行車の正体は?バカで愚かな行為の非常に痛い代償とは?
リッター「約29km」走れるミニバンは“家庭の味方”!? 「ガソリン価格高騰」の“今”検討したい新車200万円以下のモデルも! 低燃費モデル“トップ5”とは?
【中国】トヨタの“クラウン ミニバン”こと「クラウン ヴェルファイア」がスゴイ! “超豪華”「王冠仕様」の「高級車」! デカすぎグリルがカッコイイ「迫力ミニバン」とは
横須賀~房総半島直結!? 第二アクアライン「東京湾口道路」計画が進行中!? ついに「期成同盟会」も誕生 海老名~富津が「約60km」でつながる“すごい計画”とは
ついに! 浜松~長野つなぐ「青崩峠トンネル」完成!! 南アルプス山岳地帯の「4998m」三遠南信道の最難関部 3月に完成式開催へ
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
走行距離約65,000キロ、4WD、シロ・ブルーのツートンカラーです。
本日琵琶湖のキャンプから帰宅、34年間一度も同じ車種に会った事がありません!