ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。
見た目は同じ
[ID.4をチャージせよ!:その1]1993年の出逢いが私の人生を変えた!
イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。
ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。
ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。
真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。
ドライブモードセレクターにも変更の手が
たとえば、以前はモニターの下に配置されていたエアコンやドライビングプロファイルなどの物理スイッチが、ソフトスイッチとしてコントロールパネル上段に移され、より簡単にアクセスできるようになりました。コントロールパネル下段にもシートヒーターやエアコンの機能設定ボタンが用意されています。エアコンの温度設定と音量調節用のタッチスライダーがモニター下部にあるのはこれまでと同じですが、今回からイルミネーションが搭載されたことで夜間の使い勝手が大幅に向上したのは見逃せません。あと、細かいところでは、ハザードランプのスイッチがタッチスイッチからストロークのある物理スイッチに変更されたおかげで操作しやすくなったのもうれしいところです。
それ以上に驚いたのが、シフトやワイパーなどの操作法が変わったこと。ID.4では、ステアリングコラムの上に、“ドライバーインフォメーションディスプレイ”と呼ばれるメーターパネルが設置され、その右側にシフトスイッチがついていました。“ドライブモードセレクター”と呼ばれていますが、これを前後にひねることで簡単にシフト操作ができるのが、個人的にはとても気に入っています。
一方、2024年モデルでは、ドライブモードセレクターがメーターパネルから切り離され、ステアリングコラムの右側に移されています。使い勝手の良さは変わらずホッとしていますが、今回の変更にともない、ワイパーのスイッチがステアリングコラム左のウインカーレバーに統合され、使い始めてしばらくは戸惑うのではないかと心配しています。このあたりは、前述のタッチパネルとともに、ID.ファミリーの最新版である「ID.7」や新型「パサート」と共通化が図られたことになります。
ステアリングホイールにあるマルチファンクションスイッチもレイアウトが変わりました。これまでは、右側のスポークに音量調節と早送り/巻き戻しスイッチがあり、前者が上下、後者が左右に操作するため、ときどき誤って押してしまうことがありました。それが2024年モデルでは、左側のスポークに音量調節、右側に早送り/巻き戻しスイッチと分けて配置されたおかげで、押し間違いが解消されそうです。
コックピットのアップデートはこんなところですが、実はモーターや足まわりなどにも大きく手が加えられていました。そのあたりは次回お話したいと思います。
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