11月1日まで生産を一時休止
欧米系の自動車メーカーであるステランティスは、電気自動車(EV)需要の低迷を受け、フィアット500eの生産休止期間を延長した。
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当初は10月13日までの1か月間の予定だったが、休止期間は11月1日までとなる。
フィアットの親会社であるステランティスは労働組合に対し、販売の鈍化により、欧州のEV市場は「深刻な事態に陥っている」と語った。
同車は以前にも声明で、販売不振は「すべてのメーカーが欧州市場で経験している深刻な困難と関連している」としていた。
調査会社ジェイトー・ダイナミクス社の統計によると、フィアットは1月から7月末までに、欧州全域で500(ガソリン車とEVの両方)を7万4885台販売したが、これは前年同期比で24%少ない。
一方、欧州におけるEVの市場シェアは、2023年7月の14.6%から13.5%に低下した。
ジェイトーのアナリスト、フェリペ・ムノス氏は、「EVのインセンティブ(購入補助金など)や将来性が明確でないことが、購入を検討する消費者にとって障壁となっている。これらの要因とEVの残存価値(リセールバリュー)の低さが、7月に見られた下落の一因となった」と述べている。
500eの販売不振と、欧州で新たに導入されたサイバーセキュリティ規制によりガソリン車の500の販売終了が間近に迫っていることから、フィアットは新型のハイブリッド車「500イブリダ(500 Ibrida)」の投入を余儀なくされた。
500イブリダは、500eの車体にマイルドハイブリッド付きのガソリンエンジンを搭載したモデルだ。2026年に発売予定で、EV販売への移行が予想以上に遅れているフィアットにとって重要な支えとなるだろう。
フィアットのオリヴィエ・フランソワCEOは最近、AUTOCARの取材で次のように語っている。
「我々も他のメーカーと同じように、世界がもっと早くEVに移行し、電動化のコストももっと早く下がると思っていました」
「しかし、コビッドが起こり、原材料が不足し、欧州社会が持続可能な解決策に背を向けるようになるとは想像できませんでした」
「しかし、これが現実です。我々はこの現実を直視しなければなりません」
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