改良で外装デザインの魅力増 操舵や乗り味はミニバン随一
1994年に登場した初代オデッ セイは、ミニバンをもっていなかっ たホンダが、アコードと同じ生産ラ インで流せる最大サイズとされたが、 それでもミニバンとしては背が低く、 スライドドアも採用できなかった。 けれどもアコード譲りの走りの良さ が受けて大ヒット。ホンダらしい独 自のミニバンとして、長らく人気を 博してきた。
精悍な意匠と豪華さ際立つ「ヴェルファイア“ゴールデンアイズ”【最新ミニバン車種別解説】
エクステリア
2020年11月の改良 でフロントグリルの大 型化、立体感のあるリ ヤコンビランプになり、 スタイリッシュに変身。 撮影車は18インチア ルミホイールを履く。全高を1695mmに抑えながら、センタータンクレイアウトやハイブリッドシステムの小型化により、床面の高さを抑制。大開口に加えて、2列目のステップ高も低いため、子どもでも楽に乗 り降りできる。低床設計は、乗降はもちろん、荷物の載せ降ろしも楽にできるほか、走行安定性などにも寄与する。テールゲート連動式のパワードアロックを全車に標準装備。その後、さらに背を低くしてスポ ーティさを強調するとともに、機械 式駐車場への対応を図ったが、徐々 に人気が下降したため、2013年 登場の五代目では全高を1695mm ~1725mmにまで高め、スライド ドアも採用。利便性を大幅に高めて 人気はもち直した。
20年には大幅なマイナーチェンジ を敢行。厚みを増したボンネットと 大型化されたフロントグリルに、薄 型化されたヘッドライトの組み合わ せでフロントマスクの存在感は大幅 にアップ。リヤのコンビネーション ランプは、立体的なグラフィックお よびシーケンシャルターンシグナル ライトなどの採用により、エクステ リアは大いに魅力を増した。またス ライドドアは、手をかざすことで自 動で開閉できるジェスチャーコント ロールパワースライドドアを採用。 光の流れに合わせて操作するのに慣 れが必要といった難はありながら、 話題性は十分だ。
乗降性
1列目2列目3列目全高は低めだが、1列 目/ 2 列目は低床設計 により良好な乗降性を 実現。3 列目は 2 列目 のウォークインを使っ て乗降するが、足元も 頭上も狭め。キャプテ ンシートは、センター ウォークスルーを使っ ても乗り降りできる。歴代オデッセイのなかでは背高だ が、ミニバンとしては依然として低 い部類。全高1900mm級のアルフ ァードは言うにおよばず、ライバル だったエスティマに比べても低い。それでもホンダ独自の超低床プラッ トフォームのおかげで、室内高は確 保されているのが魅力。乗降性でも 優位に立っている。
インストルメントパネル
ワイド感のある水平基 調が特徴。インパネシ フト横の上向きのエア コンパネルは、良好な 視認性、操作性を実現 している。メーターは 大径二眼式で、7 イン チモニターを備える。パワートレーンは、2・4l自然 吸気ガソリンエンジン+CVTとハ イブリッドのe:HEVの2種類。 最高出力175ps、最大トルク22 5 のガソリン車は必要十分といっ た動力性能だが、e:HEVは滑ら かで力強い走りを実現している。エ ンジンが発電し、その電力でモータ ーを駆動させるシリーズハイブリッ ドを基本としていることで発進時か ら余裕がある。回り始めた瞬間から 315 ものトルクを発生するのだ から当然だろう。また高速巡航時に は、エンジンが直接駆動するモード となり燃費を改善。エンジンを止め て走行するEVモードも合わせ、世 界最高効率を目指しただけあって凝 ったメカニズムとなっている。
居住性
3列目2列目1列目大きめのシートサイズで、適度なホ ールド性も備えている。運転席はス ライド、リクライニング、シートハ イト(前後別)の 8 ウェイ電動調整 機構が標準で、微調整しやすい。2 列目“プレミアムクレードルシート”はリクライニングと連動して座面が持ち上がり、快 適性が増す。3列目も大人が座れる広さとサイズだが、座面が低く、背もたれの天地高も短め。最大の魅力はミニバンらしからぬ シャシー性能だろう。超低床と低全 高によって腰高感がまったくなく、 ハンドリングはスポーティセダン並 み。ワインディングロードを楽しめ る唯一のミニバンと言っても過言で はない。以前はスポーティさを強調 するためか、乗り心地はそれ相応に 引き締まっていてファミリーユース にはトゥーマッチだったが、 年の マイナーチェンジで驚くほど進化を 遂げた。細かな凹凸から大入力まで 突き上げ感がなく、しなやかにいな すようになったのだ。
うれしい装備
リヤ両側に備わる「ジェスチャーコントロール・パワースライドドア」は、キーを携行した状態で近づき、LED の点灯 に合わせて手を振ることで、スライドドアの開閉ができる。ホンダらしい独創的な装備で、全車に標準装備する。物などで両手が塞がっていてもキーを携行していれば、リヤバンパー下に足を出 し入れするだけで、リヤゲートが自動的に開閉する。「EX」系に標準装備。最上級の「EX 」は、前席両側にハイ/ロー 切り替え式のシートヒーターを標準化する。 冬の冷間時でも身体をすぐに温めてくれる。ハイブリッドの「EV 」モードは、モーター 駆動のみでスムーズに走行できる。住宅街 などを静かに走りたいときに重宝する。助手席から届きやすい位置にあるインパネ アッパーボックスは、薄型の箱型ティッシ ュが収まるなど、小物の収納にぴったり。キャンプなどのアウトドアや非常時などに 家電が使えるAC100V/1500Wのコンセ ントをハイブリッドの「EX」に標準化。月間登録台数 1800台(21年6月~11月平均値)現行型発表 13年10月(マイナーチェンジ20年11月)WLTCモード燃費 20.2km/l ※「e:HEV アブソルート」(8人乗り)
ラゲッジルーム
2+3列目格納時3列目格納時通常時3列目は床下格納式で、跳ね上げ式よりも力が要らないのが美点で、後方視界も妨げない。ただし、一体格納式なので荷物がある場合は、一度降ろしてから操作する必要がある。3列目を格 納すれば、ゴルフバッグ4セットを楽に積載できる。キャプテンシートの最大時は、2列目を前にスライドさせた状態で、8人乗りベンチシートは、背もたれの前倒しも可能だ。最大の魅力はミニバンらしからぬ シャシー性能だろう。超低床と低全 高によって腰高感がまったくなく、 ハンドリングはスポーティセダン並 み。ワインディングロードを楽しめ る唯一のミニバンと言っても過言で はない。以前はスポーティさを強調 するためか、乗り心地はそれ相応に 引き締まっていてファミリーユース にはトゥーマッチだったが、 年の マイナーチェンジで驚くほど進化を 遂げた。細かな凹凸から大入力まで 突き上げ感がなく、しなやかにいな すようになったのだ。改良が功を奏してマイナーチェン ジ以降は販売台数も右肩上がりとな ったが、狭山工場の閉鎖に伴い惜し まれながら 年限りでの生産終了が 決定。現時点では後継車種が示唆さ れていないのも残念だ。
※本稿は、モーターファン別冊ニューモデル速報統括シリーズVol.139「最新ミニバンのすべて」の再録です。
「2022年 最新ミニバンのすべて」モーターファン別冊 統括シリーズVol.139|最強のクルマバイヤーズガイド【モーターファン別冊 ニューモデル速報】公式サイトモーターファン別冊 統括シリーズ Vol.139「2022年 最新ミニバンのすべて」/2022年1月19日発売。motorfan-newmodel.com
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みんなのコメント
リアハッチも取止めになったらしいよ
ミニハイトワゴン・ハイトワゴン・ミニバン全てシャッター式変更らしいよ