■カッコよさのなかに、妖艶さがうかがえるクルマとは
これまで販売されたクルマのなかには、見た目がカッコイイや美しいと評されたクルマが数多くあります。
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そうしたクルマのなかには、カッコよさや美しさを超越した妖艶なモデルも存在。
そこで、艶やかでセクシーなデザインのモデルを5車種ピックアップして紹介します。
●マツダ(アンフィニ)「RX-7」
1991年に発売されたマツダ(アンフィニ)「RX-7」は、ハイパワーなロータリーエンジンを搭載した生粋のスポーツカーとしてデビューしました。
外観は複雑な曲面を多用した流麗なルックスで、ダブルバブルのルーフやショートデッキ・ロングノーズを採用したスタイルによって、新しさのなかにクラシカルなスポーツカー像を表現。
フロントフェイスは国産車で最後となったリトラクタブルヘッドライトが採用され、低く構えた小ぶりなキャビンとワイドトレッドが相まって、高い運動性能を予見させます。
エンジンは654cc×2ローターターボが搭載され、最高出力は255馬力を発揮するも、後に改良が重ねられた結果280馬力に到達。
シャシ性能も高く、アルミを多用した軽量なボディと専用に開発された4輪ダブルウイッシュボーンサスペンションにより、優れた運動性能を発揮しました。
排出ガス規制の強化などにより2003年に販売を終了しましたが、いまでも国内外に多くのRX-7ファンが存在します。
●スバル「アルシオーネSVX」
スバル初のスペシャリティカーとして1985年に発売されたスバル「アルシオーネ」は、直線基調の外観と未来感あふれる内装のデザインが特徴でした。
そして1991年、2代目にあたる「アルシオーネSVX」が登場。外観は直線基調の先代から一転し、曲面を多用した美しいフォルムの2ドアクーペとなりました。
デザインの原案はジョルジェット・ジウジアーロの手によるもので、アルシオーネSVXの美しさ強調する「ミッドフレームサイドウインドウ」は、他に類を見ない個性を主張しています。
エンジンは最高出力240馬力を発揮する3.3リッター水平対向6気筒を搭載し、駆動方式はフルタイム4WDを採用するなど、ハイクラスなGTをコンセプトとしていました。
アルシオーネSVXは1997年に生産を終了しましたが、いまも愛好家が存在し、アルシオーネSVXを専門に扱う中古車店も存在します。
●日産「スカイラインGT-R」
1989年に発売された8代目「スカイライン」では、16年ぶりに「GT-R」が復活。初代GT-Rと同じく、レースで勝つことを目的に開発されました。
3代目スカイラインGT-Rの外観は、225/50R16のワイドタイヤを収めるために大きく張り出したブリスターフェンダーと、大型の前後スポイラーが特徴的です。
また、全体のフォルムはロングノーズの正統派2ドアクーペで、とくにサイドビューは美しいシルエットを描いています。
さらにラジエーターやオイルクーラー、エンジンルームの冷却のために、フロントグリル部分を大きくした専用ボンネットとバンパーは、標準モデルにない迫力あるフロントフェイスを形成。
エンジンは最高出力280馬力を発揮する2.6リッター直列6気筒DOHCツインターボを搭載し、電子制御で4輪に駆動力配分をおこなう「アテーサE-TS」4WDシステムを採用。レースでは無敵を誇りました。
3代目スカイラインGT-Rは1994年に生産を終了し、1995年に次世代の5代目へとバトンタッチしています。
■現行モデルの華麗で獰猛なクーペとは!?
●プジョー「406クーペ」
プジョー「406」というと、リュック・ベッソン製作の映画「TAXi」に登場した4ドアセダンが広く知られていますが、1997年には2ドアクーペの「406クーペ」が発売されていました。
多くのコンポーネントはセダンと共通ですが、外観は完全に別モノで、とくにフロントフェイスはセダンのイメージを残しつつも、よりシャープな印象となっています。
デザインはフェラーリなど、多くのスーパーカーを手がけたカロッツェリア・ピニンファリーナが担当し、製造も同社でおこなわれました。
全体のフォルムはフロントからルーフを経てリアまで流れるようなラインが、406クーペの美しさを演出しています。
当初、搭載されたエンジンは2リッター直列4気筒と3リッターV型6気筒ガソリンで、後に2.2リッターのディーゼルとガソリンが加わります。
406クーペのスタイルは絶賛されフランス以外でも人気となり、日本にも1998年から2005年まで3リッターモデルが正規輸入されていました。
●アストンマーティン「ヴァンテージ」
創業から100年以上と長い歴史を持つイギリスのスポーツカーメーカー、アストンマーティンは、古くから美しいクルマを数多く生み出してきました。
現行モデルでは3台のクーペをラインナップしていますが、なかでもエントリーモデルとして販売している「ヴァンテージ」は、美しさに定評があるモデルです。
外観は「肉食獣」をコンセプトにデザインされた伝統的なロングノーズ・ショートデッキのスタイルで、筋肉質な前後フェンダーの張り出しが、美しさのなかに迫力を演出。
内装は、機能性と走りへのこだわりが感じ取れるコクピットのデザインが印象的です。
ヴァンテージはエントリーモデルといっても強力なスペックの持ち主で、エンジンは510馬力を発揮する4リッターV型8気筒ツインターボを搭載し、最高速度は314km/h、0-100km/h加速は3.6秒を誇ります。
なお、ヴァンテージはアストンマーティンによって、「捕食者」や「ハンター」と表現され、高い運動性能を持つモデルです。
※ ※ ※
近年に登場したセダンやSUVは、クーペに近い流麗なフォルムのモデルが多い印象です。
わかりやすくカッコよさを表現するには、車高を低くしてクーペのようなフォルムにするのが手っ取り早いのかもしれませんが、こうしたモデルのすべてが美しいわけではなく、なかには狙いすぎ感が否めないモデルもあります。
後世でも語り継がれるようなデザインというのは、当然ながら簡単には生み出せないということです。
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