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アウディA8 2017年型に試乗 内外装の進化 自動運転の現状探る

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アウディA8 2017年型に試乗 内外装の進化 自動運転の現状探る

もくじ

どんなクルマ?
ー 新型A8 英国は12月発売 詳細は?

アウディS7スポーツバック A8に続きレベル3自動運転か 年内デビュー

どんな感じ?
ー 内装は理路整然 品質の高さは圧巻
ー 概ね良好 ただしディテール要修正
ー ドライバー補助 現時点の出来栄えは?

「買い」か?
ー A8 2017年型 真の魅力は「技術」

スペック
ー アウディA8 50 TDIのスペック

どんなクルマ?

新型A8 英国は12月発売 詳細は?

新しいアウディA8は、量産車で世界最高の自動運転能力を備えるとアウディはいう。しかし、40を超える運転者補助機能が使えるようになるのは、来年早々から。アウディが市場の様々な法令に従わざるを得ないためであるが、すべてが見直された第4世代のA8は、世界中の運転手からどんな仕事を奪おうというのか?

アウディは「トラフィック・ジャム・パイロット」と呼ばれるソフトがご自慢のようだ。これは、60km/h以下で、中央分離帯がある場合にハンドルから手が離せるというもの。ボタンひとつで(ガレージに入る場合でも)自動的に駐車ができる機能もあり、クルマをぶつけなくて済むようになるだろう。

英国で12月から販売される新しいA8は、はじめにディーゼルとガソリンのV6ターボ(228psと286ps)であり、英国の場合、2018年にはツインターボの4ℓV8が、続いて449psのプラグインハイブリッドとトップレンジにあたる564psのW12が追加される。

クワトロとトルコンの8速ATが標準。またSQ7で導入された新しい48Vのマイルドハイブリッドが採用されている。これにより、コースティング機能や、自動的なエンジン・オンオフ装置を使用できる。

アウディの均整のとれた美学、シャープな折り目や斬新な照明(優美なレーザーヘッドライトと有機ELリアライトがオプションで選べる)で生命力を感じさせる控えめなシルエットは、最新のA4、A5に続くものだ。ボディは前モデルより37mm長く、13mm高く、5mm狭い。これでドアの開口部とリアのレッグスペースは少しだけ大きくなった。

しかしながら、A8はとりわけ人目を惹くクルマではないし、エグゾースト風のデザイン(実際には穴があいていない)といったインゴルシュタットの悪趣味をまとってもいる。

アウディは、A8がブランド全体のデザイン新時代の到来を告げるものだと主張している。本当にそうなのか? 実際に見てみようではないか。

どんな感じ?

内装は理路整然 品質の高さは圧巻

理路整然としている。ドアを開けての第一印象だ。新しいA8のインテリアには、メルセデスSクラスの持つカリスマ的な優雅さはない代わり、マテリアルの質感は素晴らしく、組み付けはとても精緻だ。

スイッチ類の遊びは皆無で、センターコンソール上のタッチスクリーンのレスポンスは素晴らしくキレがいい。アームレストの鍛造アルミ製ヒンジたるや、過剰品質そのものだ。

第3世代A8にあった沢山のバックライト付きボタンやダイヤルはほとんどすべて消え失せ、素晴らしい触覚フィードバックや音によるアンサーバックのあるタッチスクリーンに取って代わった。

乗員を取り囲むようなダッシュボードは、アウディのデザイナーが言うところのラウンジのような雰囲気を添えている。そこに高揚はない。奇妙なくらいにクールだ。しかし、それはそれでいいじゃないかと思わせる、静かな説得力がある。

今回のバレンシアでのお披露目会では、市街や周辺の素晴らしく路面のスムーズな高速道路で、おなじみの3ℓV6 TDIエンジンを積むA8を主に試乗した。

ガソリンV6とは異なり、試乗車ではディーゼルのがたがた音を打ち消すアクティブエンジンマウントが使われている(シルキースムーズなガソリンエンジンでは不要)。

ディーゼルも決して荒っぽいエンジンではなく、ガソリンに比べれば少し劣るものの、楽々と回って十分以上に気持ちのいい活発な走りをもたらすエンジンである。

では、最も重要な乗り心地はどうか?

概ね良好 ただしディテール要修正

新しいA8には、おなじみのアウディドライブセレクトで制御される可変ダンパーとエアサスペンションが装着されている。エフィシエンシーからダイナミックまでのモードがあり、各モードで車高も切り替わる。

とてもしなやかな乗り心地であるが、架橋の継ぎ目のようなところを乗り越えた際にはもう少し滑らかであって欲しい。高速域の風切り音もかなり大きいと感じた。

ねじれ剛性を追求するアウディは、フロントにマグネシウム製ストラットブレースを、リアにカーボンファイバー製バルクヘッドパネルを使っている。

通常の運転ではコーナーできちんと曲がり、大きな車体は外側のサスにしっかりと乗っかるイメージ。ダイレクトなステアリングは、コラムマウントのモーターにより後輪ステアによるレスポンスの不自然さも打ち消されている。

とてもよくできており、最小回転半径はBMW 7シリーズ、メルセデスSクラスを1m近く下回る5.7m。白線の間にクルマを置くことも容易である。

しかしながら、予想通り、これは運転を楽しむのではなく、ゆったりと走るクルマなのだ。

ペースを上げると急にアンダーステアが強くなり、厚ぼったいサイドウォールの18インチ255/60フロントタイヤをもってしても、高張力鋼板、アルミ、マグネシウム、カーボンファイバー、レザーでできた2トンの車体は、強引にまっすぐ進もうとする。

今度のスポーツバージョン(S8のような)では、この欠点が改善されていることを期待したい。

最後にドライバー補助も見ておこう。

ドライバー補助 現時点の出来栄えは?

白線に話を戻そう。A8は常に白線をスキャンしており、レーンを外れると優しく軌道修正してくれる。常識的な速度の範囲でなら、ハンドル操作なしでもクルマの流れについてゆくことができるのではと思えるほどだ。

一度だしたウインカーをキャンセルするのが少し早すぎたりすると、高速道路のランプウェイへの進入を止めようとすることもある。なお、ステアリングホイールを通じて伝えようとする反力にも、さらに気を遣う必要はあるだろう。

また、来年のA8クラスには、オプションでアウディの新しいAI制御アクティブサスペンションが搭載される予定である(残念ながらわれわれの試乗車には搭載されていなかった)。

これは乗り心地を一変させる可能性を秘めた技術であり、前方の路面を予測して電気モーターにより四輪それぞれのダンピング特性を変更する。緊急の場合にはシャシーの片側を80mm持ち上げることもできる。

「買い」か?

A8 2017年型 真の魅力は「技術」

昨年、アウディは英国で17万7566台を売り上げ、このうちA8は約1600台である。多くはない。しかし、激化する競争のためもあり、アウディはブランドリーダーとして重要なA8に驚くほど多額の研究開発費を使っている。

£69,100(1025万円)のベーシックなA8 50 TDIは、£67,940(1008万円)のBMW 730d xDriveと£72,205(1071万円)のメルセデスS350d AMGラインのちょうど間にくる。

パフォーマンスはこれらのクルマとほぼ同じようなものだが、燃費は17.8km/ℓと少し悪い。しかし、外界から遮断されたキャビンで魔法のように地面を滑っていくクルマが好きなユーザーには、関係ない話だ。新しいA8は、大体においてこのふたつを楽々と達成している。

しかしながら、このクルマの魅力は突き詰めればその高度な技術にあり、その能力の神髄を理解するには、ホームグラウンドで時間をかけてしっかりとテストする必要がある。

われわれは年末までにロードテストを行いたいと思っているが、第一印象では、アウディはそのずば抜けた大きさと複雑さにもかかわらず、直観的に使えて運転も楽なクルマを作り上げたようだ。

アウディA8 50 TDIのスペック

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