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【販売急落と復調に謎!!?】マツダSUVの要!! CX-5は売れなくなったのか

掲載 更新 19
【販売急落と復調に謎!!?】マツダSUVの要!! CX-5は売れなくなったのか

 かつてSUV販売No.1に輝いたマツダ CX-5の販売に異変!? 販売台数大幅減と最新売れ行きの実情とは。マツダの「要」に何が起きている?

 過去を振り返ると、RX-7やロードスターなどのスポーツカーでは、もともとマツダ車はバランスが良かったが、2005年に発売された2代目プレマシーの前期型などは、操舵感が妙に機敏で安定性にも悪影響を与えていた。マツダの目指す走りと、車両カテゴリーの特性が合っていなかったからだ。

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 そこでマツダは、ミニバンのプレマシーやビアンテ、車内の広いコンパクトカーのベリーサなど、高重心の車種は堅調に売れていても廃止した。

 魂動デザインとSKYACTIV技術を前提に、相性の良いカテゴリーだけ残している。いわば少数精鋭で、今のマツダは背の高いボディでもSUVが限界だ。それ以外は低重心のセダン/ワゴン/ハッチバック/クーペになる。

 このラインナップを構築した第1弾が、2012年に発売された先代CX-5であった。発売後SUV販売No.1にも輝いた人気車種だが、2019年12月には売れ筋の目安ともいえる月1000台の販売台数を割り込んだ。

 翌2020年1月は盛り返したが、トヨタのRAV4など人気車種がひしめくなかで、CX-5は売れているといえるのか? その実態に迫る。

文:渡辺陽一郎
写真:編集部

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初代でSUV販売No.1に輝いたCX-5の売れ行きは?

2017年発売の現行CX-5(左)と、2012年に誕生し、翌年SUV販売No.1に輝いた初代モデル(右)。

 初代CX-5は、躍動的な魂動デザイン、SKYACTIV技術に基づく動力性能の高い直列4気筒2.2Lクリーンディーゼルターボ、新しいプラットフォームが生み出す優れた走行安定性などが人気を高め、2013年(暦年)には月平均で3210台を登録した。SUVの販売1位になっている。

 そこから売れ行きを徐々に下げたが、2016年12月に現行型へフルモデルチェンジされ、2017年には再び月平均で3469台を登録。

 この年にはC-HR(月平均9775台)、ヴェゼル(同5361台)、エクストレイル(同4156台)も好調に売れてCX-5はSUVの4位だったが、売れ筋グレードは300万円を超えて価格が最も高い。

 求めやすい価格のSUVを相手にしながら、CX-5はマツダの国内販売を支える主力車種であり続けた。

 直近で2018年の登録台数は月平均で3191台と横這いだったが、2019年は2628台だから前年に比べて18%減少。特に2019年11月は前年同月比で75%の減少、12月も70%と大幅に減り、2020年1月は17%の減少であった。

CX-5に激震!? 2019年末に販売大幅減の理由

ミドルSUVではRAV4の大躍進が光り、ハリアー、エクストレイルなど強豪がひしめくなか、さほど古いとはいえないCX-5の台数が急落した訳は?

 2019年11月と12月の登録台数が前年の3分の1以下まで落ち込んだ理由は、大きく分けて2つある。まずCX-5が2019年12月12日にマイナーチェンジを発表して、納車の伴う発売は2020年1月17日としたことだ。

 発表と発売を同日にして一気に新型に切り替える車種もあるが、CX-5は12月に発表して注文を取り始め、翌2020年1月に納車を開始したから、登録できない期間も長引いた。2019年11月もマイナーチェンジを目前に控えて登録台数が下がっている。

 販売店によると、

「マイナーチェンジの影響で、(2019年)11月と12月には、CX-5の売れ行きが大幅に下がった。この時には納期も約3か月まで伸びている。その後は短くなったが、(2020年)2月の注文で納期は約2か月だから、今でも影響が少し残っている。

 また、マイナーチェンジ前の在庫車もあり、ボディカラーなどは選びにくいが、大幅値引きで購入できる」

という。このようにCX-5は、発表と発売に1か月以上の時間差があるマイナーチェンジを実施したから、登録できない期間も長引いて対前年比を大幅に減少させた。

新型CX-30の登場もCX-5に影響

2019年10月に発売されたCX-30。CX-3より広く、手頃なクロスオーバーとして2020年1月には2955台を販売

 2つ目の理由は、マツダの新型SUVとなるCX-30の登場だ。従来から用意されていたCX-3は、後席と荷室がマツダ2(旧デミオ)並みに狭い。

 ファミリーカーとしては使いにくいが、CX-30ならば、同じプラットフォームを使うマツダ3(旧アクセラ)と同等の室内空間を確保する。「CX-5に比べれば狭いが、CX-30なら家族で使っても不満はない」と考えるファミリーユーザーもいる。

 そしてCX-30は、ボディがCX-5よりもコンパクトだから運転しやすく、プラットフォームと外観デザインは新しい。走行安定性や乗り心地に遜色はなく、価格は24万円ほど安いので、車内の広さに不満がなければCX-5よりCX-30の方が合理的とも受け取られる。

 そのために2019年9月20日にCX-30が発表されると、CX-5の顧客が奪われ、さらにマイナーチェンジまで重なったから、登録台数が前年の3分の1以下という大幅な落ち込みに至った。

CX-5の売り上げは「想定の範囲内」

マツダ CX-5の販売台数(2019年1月-2020年1月期、日本自動車販売協会連合会データより作成)

 このほかマツダ車全体の伸び悩みもある。

 マツダ3を2019年5月、CX-30を2019年9月に投入したことを考えると、伸び率が小さい。

 今のマツダ車のラインナップはOEM車を除くと8車種だから、このうち2車種が半年間に続けてフルモデルチェンジしたなら、もっと伸び率が大きくなければならない。マツダ車の需要が一巡して、欲しいユーザーに行き渡り、伸び悩みの傾向が見られる。

 ただし、これはマツダにとって、想定の範囲内だろう。CX-5の2019年の月平均登録台数は2628台で、前年に比べると18%減ったが、1か月の販売計画となる2400台よりは多い。

発表から発売までの“タイムラグ”で販売が急落していたものの、持ち直して計画台数以上の売り上げを記録したCX-5

 CX-30も発売後の平均が2849台だから、2500台の目標は達成している。CX-30は新型車だから目標を上まわって当然だが、CX-5などは目標台数を意識的に抑えた。つまり、マツダとしては今の売れ行きでも不満はなく、少しずつ定着させる心積りなのだろう。

 マツダの国内店舗数は2003年には約1260店舗だったが、今は約780店舗だ。エンジンやプラットフォームの種類、車種数、さらに店舗数まで減らして、手堅く売っていく方針だ。

 せっかく優れたクルマを作るようになったのだから、コンセプトの幅をもっと広げて多くのユーザーに運転の楽しさを提供すれば良いと思うが、マツダにそのつもりはないようだ。今後も現状を保つ方針だろう。

■マツダ CX-5 XD プロアクティブ 主要諸元
全長×全幅×全高:4545×1840×1690mm
ホイールベース:2700mm
エンジン:直列4気筒DOHCディーゼルターボ、2188cc
最高出力:190ps/4500rpm
最大トルク:45.9kgm/2000rpm
WLTCモード燃費:16.6km/L
価格:340万4500円(4WD)



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みんなのコメント

19件
  • CX30のCMで「大きくても冒険できない」って、他でもないマツダさんが言っちゃいましたからねぇ…w
    少し考えたらこうやって揚げ足取られる事ぐらい分かるでしょ、ホント頭悪いメーカーだわw
  • モデルが古いから単純に商品性が下がっているのでしょう
    RAV4を始めとした新型のSUVがどんどん出ているのだから、
    あとね、最近の中途半端な高級路線は市場から冷めた目で見られていますよ
    マツダは企業としてのコンセプトをコロコロ変え過ぎ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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